第105回/待っている人のために僕は行く - PISSENLIT(Physics) - 病院・闘病
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第105回/待っている人のために僕は行く - PISSENLIT(Physics)

病院・闘病
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PISSENLIT

PISSENLIT■制作者/Physics(ダウンロード
■容量/179MB

高校1年生の関田隼人は、ある日同じ学年の須藤幸代とひょんな事から知り合った。彼女にどこかひかれるものを感じた隼人は、彼女と同じ生物部に入部する事にする。部員は少なかったが、充実していた毎日。そんなある日、部室で幸代から隼人に意外な一言が。30分ほどで読める、一本道のノベルゲーム。

ここが○

  • 背景写真は良い物を使っている。
  • 全編オルゴールのみで統一されたBGMが、雰囲気を出していて良い。
  • テキストも読みやすく上質。

ここが×

  • 恋愛描写が希薄なため、ちょっと感動を損なってしまっているのが惜しい。
  • インストール作業が無意味。
  • このプレイ時間でこの容量はちょっと……。

■待っている人のために僕は行く

今回から、4連続でいわゆる「病院もの」の作品をご紹介します。面白いのは、4本の作品でまるっきり切り口が違うという事。この手のネタは、言ってみれば「使い古された」という感もありますが、アプローチの仕方を変えると、これだけ印象の違う作品ができるんだなと、感心しました。まあ4連続で病院ものをプレイする事になった事自体は、ただの偶然ですけどね(笑)。

まずいきなり苦言から入りますが、この作品はLive Makerで作られているにも関わらず、「インストーラー」が存在します。元々CD媒体で配布されていた物らしいですから、その名残でしょうけど、これはちょっと……。更に、一本道でプレイ時間30分の短編なのに、容量は約180MB。いくらなんでも大きすぎる気がします。まさか、BGMがwavファイルとか(爆)。この2点は、ちょっと残念な点です。

さて、作品自体はオーソドックス。ヒロインである幸代が、ちょっと独特なキャラクターですが、嫌味のない性格なので、そう気になりませんでした。会話文含め、文章は読みやすく、上質だと思います。また、立ち絵はありませんが、背景画像は良い写真を使っていますね。上下を削ったシネスコ風(「シネスコ」ってひょっとして死語?(笑))のレイアウトも、良いと思います。また、音楽は全編オルゴールで統一。この辺りが上手く絡んで、全体に「セピアの雰囲気」を感じます。こう言うのは狙って出せる雰囲気ではありませんから、文章も含めた作者さんのセンスの賜物でしょうね。

で、「病院もの」(の割りに作中に病院はほとんど登場しなかったりしますが)なので、そう言う展開になるんですが、ちょっと序盤の展開が早すぎるのが気になりました。この作品には恋愛要素もあるんですが、あっという間に主人公とヒロインが恋仲になり、さらにあっという間に……という感じ。あっという間すぎて、せっかくの後半が生きていません。後半は描写も非常に細やかになっているだけに、ちょっと惜しいと感じました。

ただ、逆に言えば「よく30分の作品でここまで詰める事ができたな」とも言えます。だらだら書いてたら、序盤の展開だけで30分経ってもおかしくない訳ですし、「30分でここまでテンポよく展開させた」と考えたら、案外これは長所であるとも言えなくもありません。今回のようなテーマの作品だと、テンポがよすぎて感動の度合いが薄れてしまいましたが、テーマによってはこの作者さんの力量が存分に活かされるような気がします。

上に書いた通り、ツールはLive Makerで特に不満はありません。ストーリーの流れは非常に明確ですし、全体の雰囲気も良いので、わずか30分でも「物語を読んだ」という満足感は、かなり得られるんじゃないでしょうか。ちょっとした時間にプレイするには、容量が大きすぎるのが珠に傷ですが、いわゆる「病院もの」が好きなら、プレイする価値のある作品だと思います。
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