第114回/その絆、とこしえまでも - Eternal Lord~女王の恋人(SHALL) - ファンタジー
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第114回/その絆、とこしえまでも - Eternal Lord~女王の恋人(SHALL)

ファンタジー
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Eternal Lord~女王の恋人

Eternal Lord~女王の恋人推薦
■制作者/SHALL(ダウンロード
■容量/105MB

主人公は、ハイバニア王国の女王。この国の君主には、20歳の誕生日までに結婚しなければならないという掟があった。早速、「愛ある政略結婚」を目指した、女王の婿探しがスタートする。冒頭の甘ったるさからは想像もつかない、巨大なスケールの女性向け恋愛ファンタジー。

ここが○

  • グラフィックが非常に美しく、演出も大変凝っている。ムービーには度肝を抜かれた。
  • 女性向けではあるが、心理描写含め、恋愛ものとしての完成度は非常に高い。
  • ファンタジーとしても、スケールが大きく意外性のある物語を楽しめる。

ここが×

  • 人によってはスケールの巨大さについていけない恐れもあり。
  • 誤変換や誤用(「姑息」など)が少々目に付いた。
  • Trueルートはちょっと難解で、さらっと読んでいたら訳が分からなくなるかも。

■その絆、とこしえまでも

1年間も出なかった「推薦」が、まさかわずか2週間で2本出てしまうとは(笑)。そして、恐らく私がご紹介する、初の本格的な女性向け作品。今回は「Eternal Lord~女王の恋人」です。ジャンルは恋愛ファンタジー。

この作品、冒頭だけ見たら「何だこりゃ?」です。主人公が女王というだけで敬遠する人もいそうですし、女性向け恋愛ものですからお相手は美形の男性です。また、絵柄がばりばりに「乙女向け」。男性プレイヤーが感情移入して読むのは、非常に難しく見えます。冒頭の展開も、それだけ見たら「よくある乙女もの」にしか見えません。

が、冒頭でこの作品を侮ってはいけません。女性向けの絵柄にさえ抵抗がなければ、男性プレイヤーにも是非ともお勧めしたい作品です。何を隠そう、この作品の出来映えの素晴らしさに、私自身が「これが女性向け作品に対する認識を改めないといけないかな」と思い知らされましたから。

この作品でまず驚かされるのは、冒頭に挿入されるムービー。よくある、FLASHタイプの、拡大縮小などを使った動画ではなく、何と「セルアニメーション」。これにはびっくりしました。ツールはLive Makerですが、Live Makerでここまでやる作品はちょっと珍しいでしょう。エフェクトなどを含めた演出も、凄く細部まで作り込まれておりシナリオを盛り上げます。スタート時のロゴを見ないと、もしかしたらLive Maker製だと気付かないかも知れません。

また、特筆すべきは美しいグラフィックス。立ち絵や1枚絵もですが、背景画像の素晴らしい美しさには目をひかれました。背景画像というのは、地味なようで実は作品世界を左右するくらい重要な要素なのですが、今作では、この美麗な背景画像が、独特のファンタジー世界を大いにひきたてています。

攻略対象は3人ですが、3人目は、先の2人の後でないと攻略できません。ウマイヤ王とローランド公の2人から攻略する事になります。この2人のシナリオでは、謎を残したまま終わるんですが、普通に恋愛ものとして非常によく出来ています。恋愛に至るまでの、微妙な心情描写が凄く巧みなんですよ。女性作者さんらしい細やかさというか、女性作者さんならではの魅力が十二分に発揮されたシナリオです。個人的には、2人の中ではウマイヤ王のシナリオの方が気に入りました。

そしてこの2人の後にトゥルーシナリオに入れるようになりますが、あまりにもスケール巨大なファンタジーと、意外なところで繋がる伏線に、またも驚かされました。トゥルールートも恋愛ものではありますが、かなり骨太なファンタジーものでもあります。読み応えありますよ。ただ、スケールが巨大すぎて現実味には乏しく、人によっては途中でついていけなくなる恐れもありますが……。

また、読み応えありすぎて、ちりばめられた伏線がちょっと分かりにくかったり、一部難解になってしまっている箇所があったりします。焦らずじっくり読み進めるしかなさそうです。また誤変換(×「組する」 ○「与する」)とか「姑息」を、ありがちな誤用をしているのは、ちょっと残念なところ。他の部分がよく出来ているだけに、こうした些細な点が目に付いてしまいます。

キャラクターでは、主人公の口癖がちょっと変だったり、男性キャラはいかにも「女性向け」で、最初はちょっと抵抗あるかも知れません。が、キャラクターメイキングは非常にしっかりしており、鍛冶屋の親父などのちょっとした脇キャラまで、しっかり作り込まれています。そのせいで、一見プレイヤーを選びそうな物語なんですが、実に楽しく読める作品に仕上がっています。主人公のちょっと妙な喋り方については、読んでるうちに慣れるから安心してください(笑)。

プレイ時間は全クリアまで7時間程度というところ。女性はもちろんですが、男性の方でも、ファンタジーがお好きであれば非常にお勧めです。攻略はそう難しくないですが、行き詰まったら作者さんのページに攻略もあります。女性だけに独り占めさせておくのはもったいないほどの作品。秋の夜長、本格的ファンタジーノベルはいかがですか?
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