第1054回/出会いの春から色づく夏へ - アル管理人の恋 spring + summer(Hase im Haus) - 恋愛
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第1054回/出会いの春から色づく夏へ - アル管理人の恋 spring + summer(Hase im Haus)

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アル管理人の恋 spring + summer

アル管理人の恋 spring + summer
白樺荘の個性的な住人たちと、果たして上手くやっていけるのだろうか?
■制作者/Hase im Haus(ダウンロード
■ジャンル/恋を育む寮生活ノベル
■プレイ時間/7時間

水瀬じゅんは大学生。ある日町内を影で仕切っている祖母の頼みで、海外からの留学生たちが住む寮の管理人の仕事を引き受けることになった。留学生と聞いてびくびくしていたじゅんだが、彼らはいずれも日本語がぺらぺら。ロシアのサーシャ、アメリカのジョシュア、イギリスのショーン、フランスのギヨーム、ドイツのフェリックス、そして中国のリン。個性的なメンバーと楽しい寮生活が幕を開ける。

ここが○

  • 性格分けがしっかりしていて個性的な登場人物。
  • 共同生活の楽しい雰囲気。
  • おまけも充実の大ボリューム。

ここが×

  • 難しすぎる。
  • エンドロールがないのは寂しい。
  • 個々のルートで見ると、少し語り足りないところも。

■出会いの春から色づく夏へ

アル管理人の恋 spring + summer
突然雰囲気が変わったオタク青年のショーン。彼の本当の気持ちは?
最近は色々と忙しく、長い作品をあまり読めていなかったのですが、久々に大ボリュームの長編作品をプレイしました。長い時間その物語の世界に浸れますから、長編にはやはり長編でしか味わえない楽しみがあります。この作品の主人公は女子大生で、名前も変更できますから、乙女ゲームですね(主人公の名前を変えられるのが「乙女ゲーム」なのだと、どこかで読んだことが)。攻略対象も多いのですが、1本1本のルートはさほど長くないため、長編としてはプレイしやすいと思います。

主人公の名前は水瀬じゅん。名前は変更可能です。普通の女子大生なのですが、ある日祖母から、留学生のための寮「白樺荘」の管理人の仕事を依頼されます。白樺荘の住人は6名。全員日本語がぺらぺらなので、じゅんは胸を撫で下ろしますが、いずれ劣らぬ個性派の住人たちに振り回されっぱなしの日々。季節の行事や意中の相手とのイベントも盛りだくさん。果たしてじゅんの恋は成就するのでしょうか?

主人公が寮の管理人ということで、男女は逆ではあるものの、雰囲気としては「い~びる☆あいっ!」「スイートホーム」と少し近いものがあります。まあ「い〜びる」ほどキャラクターが電波ではありませんし、「スイートホーム」は寮ではなくシェアハウスですから、細かいところは結構違うのですが。いわゆる「逆ハーレムもの」と呼ばれる分野の作品です。

この手の作品では、選択肢の積み重ねによる好感度によってルート分岐するか、あるいは特定地点でルート分岐の選択肢があるかというパターンが一般的なのですが、今作は最初に誰のルートに行くかを選べます。このため、ルート分岐で悩まされることがなく、この意味では親切設計ですね。ただし、難易度そのものは物凄く高く、独力で全員のグッドエンドを見るのは非常に困難です。選択肢はほぼ二択ですが、選択肢の内容を見てもどちらが正解なのかが分かりにくい上、選択後の反応を見ても、正解なのかどうかが分からないのです。ここはもう少しプレイヤーに優しくても良かったのでは。一二度プレイしたら、素直に作者サイトの攻略を参考にすることをお勧めします。

アル管理人の恋 spring + summer
プールにて、ジョシュアとウォータースライダー。満更でもなさそう?
全体の構成はオーソドックスです。選択した男性とのエピソードがある程度展開して、合間には共通イベントが入り、その繰り返し。共通イベントは旅行、ギヨームの高校の文化祭、みんなでプール、ラウンジでDVD鑑賞などなど、定番イベントも各種。何せ6人の住人が個性派揃いなので、日常描写だけでも楽しめます。

ロシアのサーシャはちょっと変わり者のアーティスト。フェリックスは長身色白のドイツ人。剣道や茶道の嗜みもあり、料理や家事もこなす万能キャラです。フランスのギヨームはゴスロリ衣装での女装趣味があり、住人たちのマスコット的存在? アメリカのジョシュアはバスケットボールに打ち込むスポーツ少年ですが、女癖が悪さには定評あり。イギリスのショーンは口が悪いオタク。中国のリン・ウェイは寡黙で囲碁が趣味だが、女性関係は謎めいています。この6人が攻略対象です。

6人はそれぞれ問題を抱えており、個別イベントではその辺りにも触れられます。ただ、全体では長い作品なのですが、1本のルートは40分前後で読めるため、若干の語り足りなさを感じるところはあります。この手の作品では、攻略対象以外のキャラクターは放置状態になることも珍しくない中、男性キャラ同士の絡みも楽しいのですが、個別のキャラが背負っている事情については、もおう少し絞り込んでも良かったかも知れませんね。

なおこの作品には、サブキャラクターも含めて全ての登場人物に声がついています。長いだけあって登場人物の数も物凄いのですが、これは凄いなと思いました。声もキャラクターによく合っています。フェリックスやサーシャといった年上のお兄さん系の声が特にいいなと思いましたが、6人の住人はみんなイメージにぴったりで演技自体もとても熱演でした。声がキャラクターの魅力をより増幅してくれていた好例といえましょう。

また1枚絵もかなり大量に用意されています。何より読了後のおまけも凄い。各登場人物に2本のおまけシナリオ、さらに3本+1本のおまけシナリオ。加えて次回作のプロモーション動画まで見られます。多分このおまけ要素だけで1時間半から2時間くらいは楽しめるでしょう。ただ、どのルートを読了しても、グッドエンドであってもいきなりタイトルに戻るだけで、これはちょっと寂しく感じました。エンドロールはタイトル画面の「EXTRA」から見られるのですが、グッドエンドの後はこれを流しても良かったのでは。それだけでかなり読了後の余韻が違った気がします。

ツールはティラノスクリプトです。1ルートは40分前後ですので、単体ならば気軽に読める長さです。6人のキャラクターにグッドエンドとノーマルエンドがあり、エンドは合計12。ストレートに行けば5時間くらいで見られるかも知れませんが、声をどれくらい聞くか、どれくらい迷うかでプレイ時間は変わると思います。私は後半かなり迷ったこともあり、8時間くらいプレイしていました。とにかくキャラクターがよくできていますので、単に日常ものとして男性が読んでも十分に楽しめます。連休が取れた時に一気にプレイするもよし、1本ずつ少しずつ読むもよし。春から夏に渡って繰り広げられる楽しい寮生活を、どうぞ堪能してください。
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