第127回/世界があなたを赦さなくても、私が赦す - Endless End(Mizuki Project) - ミステリー・サスペンス
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第127回/世界があなたを赦さなくても、私が赦す - Endless End(Mizuki Project)

ミステリー・サスペンス
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Endless End

Endless End準推薦
■制作者/Mizuki Project(公開終了)
■容量/54.6MB

志月一途は高校一年生。ある日放課後の屋上で出会った少女は、1年前に自殺したとされる女生徒の幽霊だった。「自分は、自殺じゃない。自分を殺した犯人を見つけてくれ」という彼女の懇願に、一途は調査を開始する。そして浮かび上がる疑惑と、意外な真実。心地よいテンポで送る、学園マルチエンド推理ノベル。

ここが○

  • テンポよく、一気に読める。キャラクターも魅力的。
  • 意外な真実に盛り上げるラスト、そして綺麗な終わり方。
  • 起承転結むらなくよく出来ている。

ここが×

  • 一部の立ち絵はかなり微妙。
  • 一部BGMのドラムの音がピアノに化けてて、発狂しそうになる。
  • 文章は上手いんだけど、ちょっとくどさを感じるところも。

■世界があなたを赦さなくても、私が赦す

さて今回は、学園アクション推理ノベルとでも言いましょうか。意外なラストと多彩な展開が楽しめるマルチエンドノベル「Endless End」をご紹介です。

冒頭から、女生徒の幽霊が現れて、「自分は自殺扱いされたが、誰かに殺された。犯人を見つけて欲しい」とお願いされる辺りで、つかみは十分です。また、キャラクターがちょっと変わってはいますが、魅力的です。友人の遠崎なんて、立ち絵見た時どうしようかと思いましたよ(笑)。普通、学園ものと言えば、何だかやる気がない主人公と、軽薄な友人というのが定番の組み合わせですが、この作品の組み合わせは新しいですね。また、2人の組み合わせも良いと思います(もっとも、後半では遠崎が消えてましたが)。

シナリオは、主人公の過去やら、木刀を持った先輩女生徒を巻き込んで、事件の真相に徐々に迫って行きます。「つかみ」と「ひっぱり」がとても良いです。そして、マルチシナリオですから、なかなか多彩なエンディングが見られます。その展開のテンポがとても良いですね。流れが澱まず、どんどん進みます。

また、「つかみが上手い」(=起)、「ひっぱりが上手い」(=承)だけなら、そう珍しくないですが、この作品はその後思わぬ展開で盛り上げ(=転)、きっちりオチをつける(=結)まで、起承転結全てにわたって抜かりがありません。また、トゥルーシナリオや九重シナリオ辺りのラストの盛り上がりはかなりのもので、前半の伏線や、キャラクターも上手く絡めています。流れが澱まない上に、「つかんで、ひっぱって、もりあげて、おとす」という展開の原則をきちんと押さえているので、気持ちよく読めた上、読み終えた後の充実感はかなりのものでした。

難点ですが、展開バランスやテンポは良いんですが、ちょっと現実味のない要素が多く、また作品全体のノリが、その現実味のない要素を上手く受け止めていないというか、作品のノリと溶け合っていないように感じました。主人公の超人じみた能力にしてもそうですし、そもそもいくらトラウマがあるからと言っても、残らず「助けて」に反応するようになったという前提が、ちょっと苦しいんですよね。苦しい上に、この前提がラストに大きく関わってしまっていますので、そう言った印象を強めてしまっているのかもしれません。まあ些細な事ではあるんですけど。あと、文章は巧みですが、ちょっと捻りすぎてくどく感じる箇所もありました(九重シナリオのラスト付近とか)。

立ち絵は、まあ個性的といいますか(汗)。上にも書いた通り、遠崎の立ち絵は必見です。くたびれた中年の担任教師にしか見えません(爆)。もっとも、それが彼のキャラクターに合っている気もしますけどね(笑)。九重先輩の照れた顔は、ちょっと可愛いです。

そうそう、もう1つ気になったのは音楽です。素材をMP3化していますが、音質が悪く(Windows標準のGS Wavetableでしょう)、その上MIDI設定に問題があるのか、一部の曲で、何とドラムの音がピアノに化けています。普通の音感を持っていたら、これにはちょっと耐えられません(MIDIのままなら何の問題もなかったのに……)。曲自体には問題ないんですから、ここは惜しまれる点です。

色々書いたんですが、トゥルールートや九重ルートのラストは、とにかく熱く、感動的に盛り上がります。攻略もそこまで難しくないとは思いますが(私は2回目でトゥルーエンドに到達した)、作者さんのサイトにチャートもあります。プレイ時間は長くないですが(1回目は30~40分程度。2回目以降は既読スキップを使えばあっと言う間)、時間の割りにずっしりとした満足感を与えてくれる作品。それなりに重い展開もありますが、気軽に読めるので「推理もの」で尻込みする必要はありません。広くお勧めします。
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