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第131回/おためしだけど、真面目ですから - おためし、かのじょ(山崎)

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おためし、かのじょ

おためし、かのじょ■制作者/山崎(ダウンロード
■容量/4.93MB

高校2年生の主人公は、トラウマから極端に女性が苦手で、体にでも触れられようものなら、鼻血を出して倒れる始末。でも人並みに彼女は欲しい。そんな彼にクラスメートの少女が「弱点克服に協力してあげるから、お試しで1週間付き合ってみない?」と持ちかけてきた。変わった視点と捻りのあるシステムが特徴の、恋愛ノベル。


ここが○

  • 経験値やレベルが存在する独特のシステム。
  • ありがちながら、一風変わった設定なので読み手をひき付ける。
  • 心理描写など、恋愛ものとしては良い出来映え。

ここが×

  • 吉里吉里なのでシステムに問題はないが、ウェイトが少し多いような。
  • ストーリーにほとんど起伏がなく、あっさり進む。
  • ラストも、もう少し盛り上げて良かったのでは。

■おためしだけど、真面目ですから

変わった恋愛ノベルをご紹介です。恋愛ノベルのネタというのは出尽くした感もあり、なかなか冒頭で読み手をひきつけるのは難しいものがありますが、その点この作品は、文句なく惹き付けられます。何たって、クラスメートの女子生徒から「お試しで1週間付き合ってみない?」ですから。そんな、デパートの試食コーナーじゃあるまいし(笑)。

なので、開始してすぐ主人公とヒロイン(いずれも名前任意)は「バーチャル恋人同士」なんですが、何せ「お試し」なので、主人公の戸惑いぶりがよく描写されています。下手な普通の恋愛ものより、恋愛描写ははるかに上出来とも言えるでしょう。そして、その「微妙な関係」に色を添えているのが、女性が超苦手という主人公の特徴。キャラクターの特徴が、これだけ見事に内容とマッチしている作品は珍しいと思います。立ち絵が出るのはヒロインのみですが、主人公以外のキャラクターも良くできていますね。

更に、独特のシステムがその特徴と2人の関係を際立たせています。この作品、スタートすると右上にRPG風の表示が出て来ます。それぞれLP(ライフポイント)、LV(レベル)、Ex(経験値)。何じゃそりゃと思いながら進めていくと、要は主人公が恋愛経験をつむと経験値が上がり、レベルも上昇する仕掛け。レベルが上がるとLPの最大値も上がります。その代わり、女性が苦手な主人公ですから、経験値の上昇は、ほとんどの場合にLPの減少を伴います。LPがゼロになると、主人公は鼻血を出してぶっ倒れてゲームオーバー。1日ごとにLPは全回復します。

この仕掛けが何とも面白いというか、「女性が超苦手な主人公が、女性と試しに付き合っている」というシチュエーションと絶妙にフィットし、プレイヤーを主人公にシンクロさせる事に成功しています。また、レベルが上がっていくと、ヒロインとお弁当を食べる時の距離がだんだん縮まっていったりなどの細かい演出も憎いですね。

その他の演出も独特です。手紙が届いた時は、やはりRPG風に別ウィンドウで表示されたり、お弁当を食べる時も別ウィンドウが開いたりします。1枚絵は少ないですが、こう言うやり方もありだなと、感心させられました。

さて、難点と言いましょうか、秀逸なシステム、キャラクターに対し、基本的なシナリオがちょっと弱いですね。舞台は学校の中のみなので、起伏に欠けますし、ラストではもうちょっと盛り上げても良かった気がします。具体的には、「お試し期間終了」に伴う、主人公の切なさや、ヒロインが主人公に「お試し」を持ちかけた理由、そして主人公が女性を苦手とするようになった理由が、もうちょっとシナリオに絡めば数段魅力のある物語になったのではないかと、惜しまれます。いずれも、一応シナリオ内で少し描写されてはいますが、もう少し語って欲しい気がしましたし、あるいは上記の複数の要因を絡ませても、面白かったんじゃないでしょうか。

また、他のキャラとのかけあいがもっとあっても良かったですね。舞台が限定されているのですから、なおの事そう思いました(一応、ある事はあるんですが、ちと描写が不十分)。でも、主人公の友人達は、1枚絵もなく描写も少なかったですが、良い立ち位置の友人達で、印象に残りました。

プレイ時間は1時間弱。ゲームオーバーが存在しますので、適当にセーブした方が良いと思います。シナリオには弱さを感じますが、主人公の心理描写が秀逸で一気に読ませてくれる佳作です。正当派恋愛ノベル好きの方にも楽しめると思います。是非どうぞ。
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