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第133回/時速200kmの直球ノベル - 月夜の出会い(NYANKO独奏協奏曲)

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月夜の出会い

月夜の出会い■制作者/NYANKO独奏協奏曲(ダウンロード
■容量/26.9MB

毎日部活に忙しい高校生の主人公。その日も日が落ちる頃に部活の練習を終え、帰宅する途中だったが、川べりでうさぎ耳の妙な少女と出会う。彼女は何故か主人公の名前を知っていた。気軽にほのぼのとプレイできる、短編の正統派ラブコメファンタジーノベル。

ここが○

  • 徹底的に分かりやすいシナリオ。
  • よく出来た音楽。
  • エンディング、レイアウト等、作りがとても丁寧。

ここが×

  • 徹底的に分かりやすすぎる気がするシナリオ。
  • 何だか必要ない気がするシナリオ分岐。
  • 安直すぎる気がするオチ。

■時速200kmの直球ノベル

またも久々なレビューは、ストレートな短編恋愛ノベルです。凝った設定、凝ったシナリオ、凝ったキャラクターのノベルももちろん良いですが、これほどストレートなシナリオのノベルも、たまにプレイすると新鮮な感じ。どれほどストレートかと言いますと、開始30秒で誰でも展開が読めてしまうほどです。直球は直球でも、「時速200kmの直球」です(笑)。

グラフィックスや音楽などはとても良い仕事をしており、エンディングも短編作品とは思えないほど丁寧です。音楽はMP3と思われます。そのせいか、プレイ時間(20分ほど)の割りに容量が大きいですが、このご時世であればこのくらいは許容範囲でしょう。音楽は、曲も使いどころも良好で、ほどよく作品世界を彩ってくれます。絵も、めちゃくちゃ上手いという程ではないのですが、愛嬌があって非常に良い感じだと思います。

さて、この作品のシナリオ自体は大変よくあるものです。とか思って過去のレビュー作を見てみると、意外なほどこのストレートなネタを取り上げている作品は少ないですね。少ないというか、もしかして私がレビューした中には存在しない? あおぞら幼稚園さんの作品にはあったような。該当作をレビューで取り上げてはいませんが。まあとにかくそれくらいストレートで、ストレートでお約束すぎて、あえてこの作品のままのシナリオ展開は誰もさせていなかったのかも知れません。

この作品は恋愛ノベルですから、その「核」は主人公とうさ子が恋愛に至る過程で、そしてその過程の「説得力」は、うさぎのうさ子と積み上げて来た日々に依存する訳なんですが、ここの描写があまりないため、あまりに唐突な感は否めません。ストレートなりに物語としては完成しているので、ここを一工夫丁寧に描写すれば、シナリオがもっと厚みを増したと思います。もちろん、クローバーのキーホルダーとか、主人公が子供の頃好きだった女の子の話なんてネタがあるにはあるんですが、もう一押し欲しかった感じ。

キャラクター同士のやり取りは、よく書けていると思います。この手の物語では、主人公がどこか斜に構えた嫌な奴になりがちですが、素直な描き方がされており、ヒロインのうさ子とのやり取りも軽妙で良いですね。主人公の言動って、ちょっとしたところで少し(制作側が)ウケを狙っただけで、プレイヤーに悪い印象を与える事もありますから、このキャラクターメイクには好感を持ちました。

だから、シナリオ自体の作りを少し捻るというのも1つの方法ですが、途中をもっと引っ張るというやり方もありだったんじゃないかと思います。過去の回想も挿入するとか。引っ張る事で冗長になる作品もありますが、この作品の場合はプラスに働いたのではないかと。それだけでも、恋愛に至る過程の説得力が数段変わったのではないかと、そんな気がします。

そして、そうすればあのオチの「唐突感」もかなり払拭できたんじゃないかと感じます。前説なしであのオチに突入された時は、さすがに「何ですと!」という感じでした。もっとも、時速200kmの勢いで突っ走ったからこそあのオチも受け入れられた感があるので、今作の場合「これはこれでいっか」と思ったのも事実です(笑)。

選択肢はありますが、普通にやってれば普通のエンドに辿り着くでしょう。プレイ時間は20分程度。ちょっとした合間に、ちょっと楽しみたい場合は、こういう作品は正に打ってつけ。打ち返そうとせず、200kmの直球に身を任せてください。その方が楽しめるはず。
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