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第186回/そんなこんなで許嫁 - 愛娘☆~昨日の従妹は明日のフィアンセ~(VIPPER SOFT)

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愛娘☆~昨日の従妹は明日のフィアンセ~

愛娘☆~昨日の従妹は明日のフィアンセ~準推薦
■制作者/VIPPER SOFT(公開終了)
■容量/139MB

逢坂秋貴は、ファミレスでアルバイトをしているしがないフリーターだが、実家は田舎の名家。ある日実家から連絡を受けて帰省すると、父親から「許嫁を選んだ。その娘と結婚して当主を継げ」と命じられる。現れた少女は、従妹の雅だった。ボリュームあるマルチシナリオ恋愛ノベル。(注・この作品は「18歳以上推奨」です)

ここが○

  • ボリュームのある3本のマルチシナリオ。
  • 綺麗なグラフィックス。豊富な1枚絵。
  • 舞台となるファミレスでの生活感が良い感じ。

ここが×

  • 主人公甲斐性なさ過ぎ。
  • 背景のないシーンが多いのが気になる。
  • 3人のヒロインの名前が紛らわしい。誤字、誤用が妙に多い。

■そんなこんなで許嫁

時々、匿名掲示板発の作品をご紹介しています。しかし、匿名掲示板による企画だと、思わぬ才能が集まる反面、作品として1本にまとめる労力は大変なものでしょう。「ちょこっとループ」は未完成ですし、「ゆき☆おん!」もその苦労を感じさせました。が、この作品は匿名掲示板発ノベルの中でも、特にボリューム感があり、完成度が高いものでした。「愛娘」と書いて「いとこ」と読みます。よく考えたものです。

このゲームは、いわゆる典型的な「18禁ギャルゲー」です(そういう描写もありますので、嫌いな人はご注意を)。標準的な「カレンダー消化型」。季節はクリスマスから年末年始にかけて。駄目主人公のもとに、ある日突然自分を慕ってくれる可愛らしい従妹がやって来て、同棲を始めるという、「何その美味しい展開!?」と言いたくなる出だし。主なキャラクターはヒロイン3人と友人1人(名前もそのまんま「友人」ってのが(笑))。ヒロインは、従妹、年下、年上と取り揃えです。

まず、手のかかったグラフィックスには驚かされます。特にオリジナルと思しき背景にはびっくり。背景にはちょこちょこと匿名掲示板らしいお遊びも施されているのが、芸が細かいです。ただ、その芸の細かさの故か、重要なシーンで「無背景」になってしまう事が多いのが、少し気になりました。まあそりゃ、あそこまで背景に手をかけておいて、おいそれとフリー素材には頼れないでしょうけど。

さて、この作品のメインヒロインは従妹の雅です。しかしヒロインが「雅」「唯」「雛」と、全員部首が「隹」(ふるとり)なので、紛らわしいことこの上ない(苦笑)。特に「雅」と「唯」は見間違えやすくて参りました。そのマルチシナリオですが、分岐は簡単で迷う事もありません。

そして、何せ当初から主人公とヒロインが同棲しているだけに、「雅以外のヒロインとのシナリオは、この上なくどろどろした展開になるのではないか」とびくびくしていたんですが、思いのほか爽やかな展開で、安心しました(?)。とは言え、唯シナリオなんかは別の意味で結構どろどろしていますが、別に恋愛面での修羅場が繰り広げられる訳ではないので、そう言う意味でのストレスはなかったです。

この手の恋愛ノベルって、主人公がかなりの駄目人間というパターンが多いのですが、この作品も類にもれず。友人には諭されるし、失敗の責任を雅に押し付けるし、肝心なところで決断できないし、「こいつもうちょっとどうにかならんのか」と思う事多数。主な舞台がファミレスという事もあって、私は「君の望む永遠」という作品を思い出してしまいました。また、唯シナリオや雅シナリオでは後半がえらく長いんですが、その長さがみんな主人公の甲斐性のなさに起因していると思うと、何だか納得行かない気が(笑)。

そのファミレスを舞台にしたどたばた劇は、よくできたキャラクターもあいまって、快適に読めます。一部の箇所を除いて、過剰に流れが澱んでいると感じる事もありませんでした。シナリオとしては、凝った伏線がほどける快感で読ませるタイプではなく、徹頭徹尾「どう転ぶか分からない」キャラクタードラマで読ませるタイプです。私としては、「雛→唯→雅」の順に読む事をお薦めします(この逆に読んでしまった私)。メインヒロインの雅はやはり最後に読んだ方が満足感があると思います。個人的には、もうちょっとクライマックスは絞った方が盛り上がる感じもしましたが。

ツールは「YU-RIS」という、耳に馴染みのないシステムですが、標準的な機能はみんな揃っており、快適にプレイできます。プレイ時間は、全部読んで8時間くらいではないかと。唯シナリオの後半は、結構「引っかけ選択肢」も多いので、こまめなセーブをお薦めします(ヒロイン分岐選択肢で迷う事はないと思いますけど)。ボリュームがあるので、連休にでもたっぷりと楽しんでみてください。
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