第195回/そして誰かいなくなった - 星空に馳せた想い(Lunaria Project) - 不思議系
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第195回/そして誰かいなくなった - 星空に馳せた想い(Lunaria Project)

不思議系
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星空に馳せた想い

星空に馳せた想い■制作者/Lunaria Project(ダウンロード
■容量/32.9MB

博人は、目覚めてすぐに違和感に気づいた。景色はいつもと変わらなかったのだが、人が誰一人として見当たらないのだ。街中を走り回っても、人っ子一人いない。焦燥感に駆られる博人は、一人の少女と出会う。彼女、七海は有無を言わさず博人の家に上がり込んで来た。不思議な雰囲気の短編ノベル。

ここが○

  • 今風でとても奇麗な立ち絵、良いタイミングで入ってくる1枚絵。
  • 短いながら先が気になる作り。
  • きちんとまとまるラスト。

ここが×

  • もう少し長い物語ならばプロットが生きた気がする。
  • ちょっと急ぎ気味の後半。
  • 主人公2人が一緒に過ごした時間の描写が、もう少しあれば。

■そして誰かいなくなった

短編作品って、物語が短いだけに変わった設定の作品ってそう多くはないんですが、この作品は変わってます。主人公が気付いた時は、当りに人っ子一人いなくなっているという出だし。これだけで興味をひかれます。この作品は「水溜まりの向こう側」の作者さんの新作です。雰囲気は「風の描いた道」に、少し近いものを感じさせます。

この作品は、分類するならどう呼べばいいんでしょうか。この作品をボーイミーツガールと呼ぶのも、少し違う気がしますし、なんかここらを詳しく書いてしまうと、何だかネタばれになる気もするので、分類はなしで(爆)。あえて言えば「現代の不思議話」でしょうか。ま、短い作品ですし、序盤でよい具合に読者を引き込む仕掛けがありますので、その辺はあまり気にしないでくださいってことで。

キャラクターは、主人公の博人とヒロインの七海の二人。この作品は短編なのですが、読んでいると短編の割にえらく世界観が大きいというか、特殊という感じです。もちろんその特殊な世界観はラストに絡んでくる訳ですが、この世界観を語るなら、もう少し長めの物語にした方が、物語の説得力、更にラストの威力も増したのではないかと思います。確かに短編として楽しめる作品ですし、テンポが良く一気に読める作品ではあるのですが、「もうちょっと尺をとって語って欲しいな」と思わされました。

更に、ラストからすると、主人公とヒロインの中盤までのやり取りにも、もう少し時間をかけた方が良かったのではないかと思います。中盤以降が、ちょっとばたばたっと展開してしまってるんですよね。世界観的にも、キャラクター的にも、中編くらいの長さで読んでみたかった物語です。世界観的に凝った仕掛けを作るなら、やはり読み手にそこを十分納得させうる長さがないと、真相を明かした時の唐突感が、ちょっとぬぐえない感じがします。序盤のつかみとラストの盛り上げはいいですし、キャラクターの絡みも良かったので、それを上手く繋ぐ、または生かす中盤があれば、と。

ついでに言えば、「別れ」を描く物語は、「出会い」と「一緒に過ごした時間」をいかに説得力を持って描けるかにかかっているかと思います。上に書いた表現で言えば、「出会い」と「別れ」は上手に描けてますので、「一緒に過ごした時間」に一歩踏み込みが欲しかったですね。それだけでも、ラストが全然変わって来たのではないかと思います。

この作品、立ち絵や1枚絵が今風でとても奇麗です。1毎絵も良いところで良い絵が入って来て、雰囲気を高めてくれます。また、「水溜まりの向こう側」に比べると、物語作りという面では着実な進歩が見られると思います。確かに展開が急ぎ気味である事は否定できませんが、短編としてしっかり整った作りになっていました。

システムはNScripterです。プレイ時間は30分ほど。選択肢はありません。ちょっとした時間に、軽く、でもしっかりと楽しめる作品だと思います。「水溜まりの向こう側」も40分くらいの物語(マルチシナリオでしたが)でしたけど、私はこの作者さんは中編以上の長さの方が、実力を発揮できるのではないかと思いました。目に見える進歩を感じさせてくれる作品でしたので、次回作にも期待したいと思います。
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