第199回/弁護士探偵、島を行く - 真実の逆転3(nnn32) - ミステリー・サスペンス
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第199回/弁護士探偵、島を行く - 真実の逆転3(nnn32)

ミステリー・サスペンス
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真実の逆転3

真実の逆転3準推薦
■制作者/nnn32(公開終了)
■容量/14.8MB

新米弁護士主央公人が勤務する、師道法律事務所に、凄腕マジシャンのマジックショーの招待状が届いた。女子高生緋色いんこの強い要望により、3人でそのショーに行く事になったが、その会場で連続殺人事件が起こってしまい、師道も行方不明に。人気の高い推理アドベンチャー、シリーズ3作目。

ここが○

  • 3作目を迎えてますます立っているキャラクター。
  • 難易度設定が適切で、プレイヤーに優しい。
  • 緊迫感のある展開。

ここが×

  • 続編ありきになっている感あり。
  • 動機の一部に、ちょっと無理があるような気がする。
  • 後味が良いとは言いがたい終わり方。

■弁護士探偵、島を行く

シリーズものの作品って案外多くないですが、この「真実の逆転」シリーズは、数少ない「どれも面白いシリーズもの」だと思います。タイトルから分かるように「逆転裁判」という作品に影響はされていますが、別に法廷シーンは出て来ず、どちらかと言えば正当派の推理ものです。

今回で3作目なんですが、さすがにキャラクターがよく立っています。普段はさえない新米弁護士の主央公人、トラブルメーカー的存在の女子高生緋色いんこ、毒舌上司の師道匠の主人公トリオは今回も健在で、それに監物警部や神山刑事、検事の本郷などがほどよく絡んできて、推理ものにありがちな「無味乾燥感」がこの作品ではほとんど感じられません。3作を経たシリーズものである事はもちろん、適切なキャラクターメイキングもあっての事でしょう。

また、システムも洗練されており、相手の発言の矛盾を指摘したり、証拠品を突きつけたりと言った「逆転裁判」ゆずりのシステムは今回も踏襲。難易度も親切で、推理場面では文字入力か三択(二択)かを選べます。また、選択肢を失敗しても何らペナルティはありません。こういう点を「物足りない」と感じる向きもありましょうが、プレイヤーに優しいこういう配慮は、私は大いに評価できると思います。これが、選択ミスをする度に減点でもされようものなら、途中で参ってしまうでしょう。

さすがにシリーズ3作目だけあってか、今回はちょっと今までと毛色が違うと言いますか。主央や師道、いんこの過去に関わる描写が出て来ます。この3人のやり取りは、今回はいつもとはひと味違う感じで必見です。ただ、後半の展開に今ひとつ満足感を欠くと言いますか、「続編ありき」な展開になってしまっているところは否めません。

またトリックは面白く、それでいて決してトリック偏重の、「問題文が超長い犯人当てクイズ」のような無味乾燥さはないので、人間模様が描く物語をもうちょっと本編自体に絡ませたら、より良かったように感じます。後半は結構謎解きに終始するので、真犯人に行き着いた時も「消去法でいえば犯人はこいつだろうけど、しかし動機は一体?」となってしまったんですよね。もちろんその後で明らかにされるんですが、トリックだけでなく、動機の面からも物語をもうちょっと攻めていたらな、と思いました。

その動機(の半分)自体はしっかりしているんですが(でも、過去の事件に関する言及が、「結果報告」だけで済まされてるのは何とも。もうちょっとそっちの方面からもつついて欲しかったな)、もう1つの動機が、こういう表現は何ですが「続編のための、とってつけた感」がどうしてもぬぐえません。また、真犯人は確かに意外ですが、あの手法は反則という気がしなくも(笑)。そこだけが、気になったところです。むしろ、前半から描かれていたあの動機に絞った方が、物語としてはまとまりが良かったんじゃないでしょうか。とは言え、最後まで読んで続編を楽しみにしてしまっている私も、ここにいる訳ですが(笑)。

評判の高いシリーズであり、推理ものとしてもしっかりした出来映えですので、今回も遊んで間違いありません。システムは吉里吉里で、プレイ時間は2時間程度です。プレイ時間も適度で、プレイヤーを疲れさせません。今回推理ものだけあって、何だか奥歯に物がはさまったような書き方になってしまってますが、文句なく楽しめる作品ですよ。

ところでこの作品、1枚絵が面白い事にほとんど全部モノクロなんですよね。作業の関係なのかどうかは分かりませんが、変にカラーにするより、これが案外と良い演出になっていたように感じます。この作品から遊んでも何ら問題はありませんが、キャラクターたちのかけあいもこのシリーズの魅力の1つですから、できれば「1」から読んでみる事をお勧めします。
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