第200回/行くぞ、フォーメーション「信長」! - スターリーカラーズ(星団ファミリー) - 学園・青春
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第200回/行くぞ、フォーメーション「信長」! - スターリーカラーズ(星団ファミリー)

学園・青春
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スターリーカラーズ

スターリーカラーズ推薦
■制作者/星団ファミリー(公開終了)
■容量/169MB

主人公有馬悠樹は、ある日親友の杉崎孝介に「新しいバレーボール部を作らないか」と持ちかけられる。楽しくバレーをやるために、仲間を集め始める悠樹たち。そして次々と巻き起こる試練、逆境、そして友人との絆。スターリーカラーズ、いざ出陣。熱い展開の長編学園ノベル。

ここが○

  • 長くてもだれないストーリーの組み方が、非常に上手い。
  • キャラクターメイキングも巧み。
  • とにかく展開が熱い。

ここが×

  • 誤字がちょっと多い気がする。
  • 明らかにならない一部の謎。
  • 良くも悪くも「若すぎる」主人公。

■行くぞ、フォーメーション「信長」!

とうとうレビューも200本目です。記念すべき200回目は、「スターリーカラーズ」。冒頭は、バレーボールが好きな友人が、勝利至上主義のバレー部に嫌気がさし、楽しくバレーをプレイできる新生バレー部を作ろうと呼びかけるところから始まります。興味をひく出だしではありますが、どちらかと言えば地味です。

しかしこの作品で特筆すべきは、そのストーリー展開の上手さ。長編の物語は、えてして伏線やら謎やらを盛り込み過ぎ、長くなればなるほど全体はぼやけ、何だかキャラがどたばたやってるだけ、なんて事になりがちです。しかしこのお話は、かなりの長編(4時間くらい)ですが、パートごとにしっかりとした流れがあり、そこに調味料のようにさりげなく、伏線やらをちりばめているため、引きが強く、読者を置いてけぼりにする事もありません。それでいてラストは綺麗にまとまり、読後感も爽やか。長編作品はこうあって欲しい、と感じるほどのシナリオメイクの上手さです。

シナリオの主体は、あくまで悠樹と孝介が作った新生バレーボール部「スターリーカラーズ」なんですが、他にも葵の過去であるとか、ひなたの問題であるとか、色々な要素が入れ替わり立ち替わり絡んできます。その入れ替わりのバランスの良さ、そして背後にちゃんと通っている一本の芯。物語として非常によく出来ていると思いました。

また、キャラクターも非常によく出来ています。各キャラクターの立ち位置が非常にはっきりしている上、各キャラがそれぞれ「出るべき時には出て、引くべき時には引く」ため、非常にキャラクターの組み合わせバランスが良いのです。友人の孝介が特に良いですね。学園ものの友人キャラとしては、3本の指に入るほどよくできたキャラだと思います。また、他の女性キャラクターも、過剰なデフォルメはせず、それでいてよくキャラクターが立っています。

描写は台詞主体のテンポが良いもので、特に中盤のバレーボールのシーンは臨場感があり、盛り上がります。この他にも、この作品は鍵となる展開をする場面が多く、読み手を全く飽きさせません。ちょっと要素を盛り込み過ぎかな、と思わなくもないんですが、ぎりぎりのところで全ての要素を料理しきっていると思います。

難点と言いますか、主人公が「若すぎる」(良くも悪くも)ところが目につきました。高校生だからそりゃ若いんですけど(笑)、若さから来る一直線さとかそういうのを、孝介とか葵が全部持って行ってしまってて、主人公が少々影が薄いんですよね。もちろん主人公も十分活躍するし、ラストでは見せてくれるんですが、もう少し主人公に共感できるところが大きければ。ひなたのエピソードでも、もしかしたら椿より先にプレイヤーが切れてしまうかも知れません(爆)。

あと、結構きついシーンが多いです。前半のひなたのところもですが、後半の葵のあのシーンは、ちょっと見ているのが辛いほどでした。それでも、決して全体がダークな雰囲気という訳ではなく、むしろ読了した時は不思議に明るい気持ちでしたので、主人公である悠樹と友人孝介のコンビネーションは、やはりバレー以外でも絶妙なんだな、と思いました。きついシーンは多いですが、「熱い」シーンも多いですよ。お約束の持って来方が上手いです。

ツールはLive Makerですから、プレイする上で問題はありません。立ち絵はありますが1枚絵はなし。選択肢はなく、プレイ時間は4時間くらいですから、かなりの長編です。腰を据えて読んでみてください。

実はこの作品「推薦」にしようかとかなり悩んだんですが、一部の謎が明らかになっていない(椿の謎とか、悠樹の一秒予知とか)のと、それらを解決すると思われる続編があるとの事なので、続編で一気に謎を解決してくれるという期待感を持ちつつ、ぎりぎりで「準推薦」。……にしようかと思ったんですが、もし私がこの作品に続編がある事を知らなければ、そんな事は思わないでしょう。という訳で「推薦」です。これ一作でも十分楽しめる出来映えだと思います。
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