第215回/みっくみくにしてあげる! - 歌姫と紫陽花の思い出(NEXT) - 日常
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第215回/みっくみくにしてあげる! - 歌姫と紫陽花の思い出(NEXT)

日常
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歌姫と紫陽花の思い出

歌姫と紫陽花の思い出■制作者/NEXT(ダウンロード
■容量/ 21.3MB

歌を歌うために作られたロボット、ボーカロイド「初音ミク」。彼女が主人公の元へやって来て、1ヶ月が過ぎていた。しかし主人公はミクのために作っている歌の作曲が、なかなかはかどらない。2人は、気分転換に散歩に出かけるが。元ネタを知らなくても楽しめる、短編二次制作ノベル。

ここが○

  • 短くもちょっとハートフルな内容。
  • ミクが可愛らしい。
  • ラストの手紙がなかなか綺麗な落とし方。

ここが×

  • 音楽をもっと生かした展開があれば良かった。
  • 短いせいか、説明不足の感もあり。
  • もう一波乱が欲しかったシナリオ。

■みっくみくにしてあげる!

初音ミク。私も名前だけは知っています。妙にとんがった声(?)で歌う、ボーカルシミュレーターですよね。そして、初音ミクのイメージキャラクター(というか、ミクそのもの? 動画サイトでもよくこのイラストを見ますね)を利用した、二次創作ものをご紹介です。立ち絵も1枚絵も非常に綺麗ですが、これはフリーで公開されているものだそうです。

私は、基本的には二次創作もののレビューは書かないのですが、これはこの作品のみで完結していますし、元ネタの初音ミクというのは、あくまで音楽用ソフトであって、何かの物語という訳じゃないですし、たまにはこういうのもいいでしょう。この作品は、「常識ハズレの範囲内」という作品の作者さんの新作です。

初音ミクというのは、歌を歌うために作られたロボットという設定で、主人公の事を「マスター」と呼んできます。主人公を「マスター」と呼ぶヒロインは「ランプ lamp/rumble」以来ですね。そして、主人公とミクは、一緒に暮らし始めて1ヶ月。なかなかミクのための曲が作れず、いらいらしている主人公。出だしはこんな感じです。

こういう出だしからすると、お約束満載のどたばたラブコメディになりそうなものですが、この作品は意外にもそういう感じの展開はしません。雰囲気からすると、「それじゃあ、またね」みたいな、短編ハートフルストーリーです(あの作品とこちらとでは、もちろん物語は全く違いますが)。登場キャラは主人公とミクのみで、場面もあまり移動せず、終始淡々と進んでいきます。

しかし、後半に至って主人公の過去とその思いが明かされたり、短いなりにちゃんと流れのある展開になっていました。ラスト近くも、上手い盛り上がり方を見せます。もう一波乱があっても良かったのかな、とも思いましたが、短編ですし、この長さであまりごてごて盛り込んでも、逆に消化不良になってしまった恐れもありますから、これくらいのシナリオ密度がちょうどいいのかも知れません。

欲を言えば、せっかく題材がボーカロイドなのですから、音楽を絡めた上手い演出やシナリオ展開があれば、もっと面白かったんじゃないかと思います。出だしでは、主人公がミクのために曲を作っているんですが、それがイマイチシナリオ内で生きているとは言いがたいんですよね。別にラストで歌が流れたりしなくても、シナリオ的にそういう要素を盛り込んであげるだけで、読み手に訴えかける力の強さが変わったような気がします。

あとは、短編の宿命かも知れませんが、少々後半の展開に説明不足を感じるところもあります(主人公の過去とか)。押し付けがましくない程度に、前半から、後半に繋がる描写とか台詞があれば、と思いました。紫陽花の事についてとか。ですが、私はこの作者さんの前作もプレイしているんですが、物語の「まとまり」という点で、大いに「おっ」と思わせてくれる点が出て来ています。まとまりはありますから、これに読み手の意表をつく一捻りをつけられれば、一層優れた物語を生み出せるのではないかと、期待しています。

また、綺麗なイラストも手伝ってか、ヒロインのミクは非常に可愛く描写されています。立ち絵を借りて来て安直に作っただけの作品ではなく、ちゃんとキャラクターが描写できているためでしょう。

システムは吉里吉里です。選択肢はなく、プレイ時間は30分程度。音楽やグラフィックスが全て素材とは言え、さすがに素材のクオリティが高く、美しい1枚絵は見ているだけでも楽しめます。ミクを知らなくても問題ありませんので、お気軽にプレイしてみてください。
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