第246回/花は開きぬ、恋せよ乙女 - 君の為の花になる(PiPiP) - 恋愛
FC2ブログ

NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

ARTICLE PAGE

作品リスト − 新着順名前順プレイ時間順ジャンル別掌編
久住女中本舗作品リスト - 新着順/名前順
Peing質問箱(リクエスト、ご質問お気軽に)

第246回/花は開きぬ、恋せよ乙女 - 君の為の花になる(PiPiP)

恋愛
  • comment0
  • trackback-

君の為の花になる

君の為の花になる■制作者/PiPiP(ダウンロード
■容量/18.9MB

主人公は、花が大好きな女子高生。種から大切に育ててきた鉢植えを、今日もせっせと世話をしていた。翌日の歓迎祭当日。何とその花が人間の男性に!? 友達がみな彼氏と歓迎祭巡りに行くため、相手がいない主人公は、彼と一緒に歓迎祭を回る事にするが。綺麗な絵に癒される乙女向け恋愛短編ADV。

ここが○

  • グラフィックスが凝っていてデザインセンスも良い。
  • 絵が非常に綺麗。
  • 可愛くて魅力的な主人公。

ここが×

  • 2人の男性にもう少し差別化があれば。
  • ラストはべたべたでも良いから、もっと盛り上げて欲しかった。
  • 妙に高い難易度。

■花は開きぬ、恋せよ乙女

私は滅多に女性向け作品を取り上げませんが、たまにこんなほのぼのとした女性向け作品をプレイすると、ほっと心が和みます。主人公が、お花が大好きな女子高生という事で、そういう雰囲気を醸し出すのに一役買っているのかも知れません。この作品は、「すぺしゃるテイクアウト」という、女性向けとしては結構有名な作品の作者さんによる短編作です。

もともとこの作品は、エイプリルフール企画用として作られたそうで、出だしがまずかなり突拍子もないです。主人公が、いつも大事に育てている花が、4月1日の歓迎祭の朝、いきなり人間の男性になって「早く起きろ、ご主人様」と言って主人公を起こす、という始まりです。もちろんこの男性はイケメンなんですが、イケメンではないパターンもありまして、そっちも必見です。個人的には「卯月C」に馬鹿ウケしました。花が大好きなのに、除草剤とか活性剤(洗剤?)を花にあげる女の子って、どうなってんだ(笑)。

そして、人間の男性になった花と、歓迎祭(学園祭みたいなもの)を回っていくという内容です。5カ所の中から行き先を選び、そこでイベントが起こって会話して……という感じ。5カ所のうち回れるのは3カ所だけですから、クリッカブルマップ式ADVみたいな感じですね。

この作品は、グラフィックが驚くほど綺麗です。単に綺麗というだけでなく、センスがいいですね。花をテーマにしているからか、全体の色調がグリーンで統一されており、とても優しい印象。そして、立ち絵とか1枚絵も美麗。男性陣は女性らしい絵柄ではあるんですが、主人公とか友人のさくらの立ち絵も可愛らしく、男性プレイヤーが見ても魅力的だと思います。絵柄はもちろんですが、性格的に可愛らしくてとても好感が持てますね。男性向け、女性向けを問わず、主人公に好感を持てるというのは、楽しくノベルゲームをプレイできる大きな条件の1つです。ここでストレスを感じてしまうと、物語を楽しむどころではなくなってしまいますから(笑)。

ところで、今作は選択肢が結構多いです。選択肢は全部二択ですが、どうやらそのうち一つでも外すとバッドエンドになってしまいます(歓迎祭では、5カ所のどこを回っても大丈夫みたいです)。短編作ですから、正解を探し出す事はそれほど困難ではありませんが、時々引っ掛けっぽい選択肢もあったりするので、要注意。

さて、出だしからしてファンタジー全開の展開をしますが、出だしのインパクトの割に、ラストがちょっとパワー不足な感があります。出だしで突っ走ったんだから、ラストも、お約束全開のべたべたな展開でいいから、もう少し盛り上がれば良かった気がします。とは言いましても、1プレイ10分くらいの短編ですから、ラストだけあんまりハッタリをかましても何ですし、主人公のちょっと抑えめの性格からすると、あれくらいの控えた終り方の方が、作品の雰囲気には合っているのかも知れません。

それと、2人の男性にもうちょっと差別化があれば、複数回プレイの面白みも増した気がします。ラスト云々にも関わりますが、終り方もほとんど似たような感じなんですよね。卯月Cと卯月Dだけで、メイン2人を十分補って余りあるほど個性的ではあるんですが(笑)。

主人公に好感が持てると書きましたが、主人公と男性キャラの会話内容が、何と言うか非常にピュアでこれまた可愛らしいです。読んでいる方が恥ずかしくなってしまうほど清純という感じですが、心地よい恥ずかしさと言いますか(何だそれ)。「すぺしゃるテイクアウト」の時も思いましたが、キャラクターとか色使い全体を含めて、「作品の空気」をデザインするという、非常に優れた才能を感じます。

絵柄も内容もストレートな女性向けですが、内容としてはそんなこてこての乙女向けでもありません。少女マンガが抵抗なく読めるくらいの方なら、男性でも楽しめるはずです。システムはLive Maker、プレイ時間はコンプリートで1時間弱。エンディング数は隠しも含めて9つですから、意外なほどやり込み要素もあります。「ピュアな乙女作品」も、たまには良いものですよ。
関連記事

Comments 0

Leave a reply