第253回/空から飛び込むStory - のべるげ! (あべるご) - 学園・青春
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第253回/空から飛び込むStory - のべるげ! (あべるご)

学園・青春
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のべるげ!

のべるげ!■制作者/あべるご(公開終了)
■容量/42.2MB

稲田直人は高校生。彼は、ほんの15分前に告白したが見事に玉砕し、屋上で呆然とたたずんでいた。「いっそ、ここから飛び降りてやろうか」と思っていたら、「ばかもーん!」と叫んで突進してくる女生徒が。2人揃って下のプールにダイビングする羽目に。キャラクターが個性的な学園ノベル。

ここが○

  • 個性的だが嫌味がないキャラクター達。
  • イベント連続で飽きさせない展開。
  • 思いのほかきちんと張られ、回収されている伏線。

ここが×

  • 前半に比べるとまとまりのない後半。
  • 特に恋愛面では、何だか消化不良で終ってしまうラスト。
  • システムがYuuki! Novelなので、操作性は(以下略)。

■空から飛び込むStory

私は、ノベルゲームはVectorかふりーむ!でしか探さないので、どちらにも登録されていないこういう作品は確実に見落とします。この作品を見つけたのは、全くの偶然です。手作り風味と味のあるキャラクター、そしてジェットコースターのような飽きさせない展開。埋もれるには惜しい作品、「のべるげ!」のご紹介。平仮名4文字の作品、結構多いですね。

出だしは、同級生に告白して失恋してしまった主人公が、屋上で「飛び降りてやろうか」などと恐い事を呟く画面から始まります。出だしが告白失敗という作品は珍しいですね。最近では「ミギヒダリ」でしょうか。そして、あの作品同様、この作品も振られたその相手と最初がぎくしゃくしているが云々、という辺りから、お話がスタートします。

で、途中までは普通の恋愛ものかと思いきや、後半から物語は急転直下。何やらきな臭い話に発展していきます。また、普通の学園ものなんですが、イベントが結構多く、またビジュアル的にも少々突飛なキャラクター達も相まって、飽きずに楽しんで読む事ができます。

このキャラクター達ですが、見た目からして結構変わってます。糸井楓は、何故か頭に矢が突き刺さったまま(!?)な上、じいさん口調という強烈さ。星野八千穂は、いつも眼帯をしてますし、友人の歌藤達夫はいつもユニフォーム姿。見た目だけですと、かなりのイロモノ系です。

しかし、不思議とこのキャラクター達の個性に、嫌味がなくてするする読めるんですよね。キャラ同士の絡みも適度で楽しいですし。文章力で言えばごく普通のレベルなんですが、シナリオではなくキャラクターの絡みで読める作品を作れるというのは、作者さんのセンスが優れている証拠だと思います。BGMがちょっと抑えめな曲調の者が多かったので(「ちょこっとループ」で使われた曲が登場)そういうのも地味に影響しているのかも知れません。ちなみにその文章は、一人称ではなく三人称。違和感なく普通に読めます。

シナリオですが、前半は直人と告白相手の奈良原ケイの、恋の行方がメインという感じの進み方ですが、後半でかなり唐突に(?)急展開します。この後半の展開は、それはそれで面白いんですが、少々脈絡を欠いているというか、まとまりがない印象を受けました。個人的には、前半の王道恋愛もののまま、普通に直人とケイが付き合って終わり、みたいな展開にした方が、新鮮な驚きには欠けるものの、物語としては満足感が高かったような気がします。

また、後半妙に急展開したと思ったら、オチも煮え切らないまま終ってしまう印象ですし。綺麗にまとまるエンディングがついているだけでも、かなり印象は変わったと思います。前半の恋愛要素に、きちんと決着をつけて欲しかったな、と。しかし、実は些細な伏線がしっかり回収されていたりするのには感心しました。八千穂の眼帯も「そうやって使うか」と、ちょっと裏をかかれました。

なお、システムは最近めっきり見なくなった「Yuuki! Novel」です。という事は、あまりプレイしやすくはありません(汗)。ま、選択肢なしの一本道ですからそんなに影響はないですけどね。立ち絵は凄く巧みって訳ではないのですが、この手作り感が全体の雰囲気とマッチしていて、好印象です。

プレイ時間は2時間くらい。恋愛ものとして見ると、ちょっと中途半端な感は否めませんが、学園もの独特の「ゆるいけどどたばたな雰囲気」がよく出ている作品で、学園ものがお好きなら楽しめると思います。
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