第261回/君と一緒なら、もっと楽しい - ビューティフルパフォーマー(ENTRANCE SOFT) - 学園・青春
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第261回/君と一緒なら、もっと楽しい - ビューティフルパフォーマー(ENTRANCE SOFT)

学園・青春
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ビューティフルパフォーマー

ビューティフルパフォーマー推薦
■制作者/ENTRANCE SOFT(ダウンロード
■容量/93.9MB

高校に入学した雪人は、かつての夢を失い、何となく学生生活を過ごす毎日だった。しかしある日、無口で愛想の悪い同級生、江崎巴と出会って、失いかけた情熱を取り戻して行く。巴と共に雪人が目指す先は。斬新なお笑いラブコメノベルの、名前だけでも覚えて帰ってください。

ここが○

  • ヒロイン巴の変化がよく描けている。
  • ボケツッコミ縦横無尽の会話。
  • 熱い展開に共感できる。

ここが×

  • 少々影が薄い脇キャラ。
  • 人によってはくどく感じるボケツッコミ。
  • 後半はちょっとだれるところがある。

■君と一緒なら、もっと楽しい

つい先日「推薦」を出したと思ったら、1月ちょいでまた推薦。NaGISA netの「推薦」は、出る時には続けて出るという格言通りですね(そんな格言、ねえよ)。異色の「お笑い青春ノベル」のご紹介です。「アイの答え」「おみコン!」の作者さんの新作です。無印、準推薦と来て、今回は堂々の推薦。

この作品、出だしは実にありふれています。両親が海外に赴任していて、幼なじみが経営するアパートで一人暮らしの主人公。そこへ朝起こしにくる幼なじみ。「またそのパターンか!」と言いたくなります。しかし、そこはあくまで掴み。もしかしたら、読み手にそういうツッコミを入れさせるため、あえてこの出だしにしているのでは、なんて勘ぐりたくなります(深読み)。

主人公はヒロインの巴と間もなく出会うのですが、この巴が、「歴代印象悪い登場場面のヒロイン」選手権があったら、間違いなくトップ3に入る性格の悪さ。出だしの「ありきたり感」、そしてもの凄くとっつきの悪いヒロインで、もしかしたらプレイした方の多くが「なんだかなあ」と思ってしまうかも知れません。しかし、ご注意ください。それは巧妙に仕組まれた罠なのです(?)。

この作品のテーマは、「夢を失った主人公が、ヒロインと出会って再び情熱を取り戻す」というものです。ちょっと古めの少年マンガですと、王道のパターンですね。そしてこの作品の主人公が取り組むのは「お笑い」。漫才とかコントです。何か、主人公たちの漫才とかコントが「サンドウィッチマン」というコンビに似ている気がするのは、気のせいか(笑)。

こう書くと、「そんな素材がノベルゲームとマッチするのか?」と思われる方もあるかも知れません。しかし、前作「おみコン!」でも見せた、絶妙な主人公と登場キャラとのボケツッコミは今作では更に磨きがかかっており、テーマと上手く絡み合って、長い物語を一気に読ませます。そのテーマも、適度にイベントを挟みつつ、上手くラストへ向かって盛り上げる作りになっており、エンターテインメント性とテーマ性、ドラマ性が一体となって楽しませてくれる作りです。かなみ以外のスノーマンの2人、仁と亮弥に、もう一押しの存在感が欲しかったですが、ちょっとした伏線も上手く効いていますね。個人的には「バランス乱数」の松田がお気に入りです。

ただ、このボケツッコミは、人によってはくどく感じるところがあるかも知れません。特に、後半はもう少しスピーディな展開にした方が良かったようにも思えます。実は、中盤にかなり大きなイベントがあって、そこで非常に盛り上がるんですが、そこから後半に至るまでが、ちょっと展開が中だるみするところがあるんですよね。全体の作りからすればしょうがない面もありますが。

もう1つ。この作品は、主人公である雪人とヒロインの巴の交流、情熱へ向かって突き進む姿が主体なんですが、主人公やヒロインがお笑いに打ち込むようになったきっかけの描写がほとんどないので、存在感的にはちょっと「スノーマン」に負けてしまっており、そのスノーマンは、活動に関する描写がほとんどないので、全体としてはその辺の説得力が少し欠ける面があります。ここら辺、過去描写等を上手く絡めてみれば、もっと面白かったかも知れません。

しかし、ヒロインである巴は実によく描けていると思います。腹が立つほど素っ気ない序盤から、徐々に心を開いていく描写も巧みですし、それでいて巴の根幹みたいなものは、終始一貫しているんですよね。ですから、2人の成長物語が嘘っぽくありません。特に、2人がコンビを組む辺りのくだりがいいですね。主人公の何気ない一言が、カッコいいです。そのカッコよさを、恋愛面でも発揮しろという感じですが(笑)。

ジャンルを単純に分類すればラブコメですが、恋愛面に関してはあまり描写がありません。かなり長い物語ですから、もう少し押し出した描写があっても良かったように感じますが、作品の性格を考えれば、あれくらいでちょうどいいのかも知れませんね。後半、巴が覚醒(?)するエピソードに恋愛を絡ませたのは、上手いと思いました。

プレイ時間は5~6時間。ツールは吉里吉里。選択肢はありますが、基本的には1本道です。軽く読めるしドラマも楽しめるしキャラも良いという、ラブコメの見本みたいな作品で、終り方も綺麗です。しかし、登場キャラクター達は「青春ポイント」で言えば、かなりな罰金ものでしょうねえ(笑)。
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