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第262回/にっこりほろ苦エスプレッソ - 青春謳歌カプリッチョ(Inferior)

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青春謳歌カプリッチョ

青春謳歌カプリッチョ■制作者/Inferior(ダウンロード
■容量/96.9MB

この春から大学に入学した相馬は、親友の八城神二と寮で同室になった。そんな2人を起こしに来る、八城の双子の妹、愛理。そんな愛理に、相馬は高校生の頃告白して振られてしまっていたのだが……。愉快なカフェ「カプリッチョ」で繰り広げられる、恋愛ドラマ。

ここが○

  • 軽快で楽しいやり取り。
  • 誰も不幸にならないハッピーエンド。
  • 華やかな女性キャラ達。

ここが×

  • 後半が唐突すぎる気がする。
  • 物語としては、ちょっと焦点を絞りきれていない。
  • 色んな設定が、どうも上手く繋がっていない気がする。

■にっこりほろ苦エスプレッソ

変わったタイトルの作品です。「カプリッチョ」というのは、音楽用語で「奇想曲」の意味。タイトルからすると、「ちょっと風変わりで、どたばた風味の物語」というイメージですが、果たしてその通りです。「どたばたハートフル系ラブコメ」と言いましょうか。舞台となるのは、「カプリッチョ」という名前のカフェですが、この舞台と言いますか、世界観がちょっと変わっています。

というのも、主人公達の大学は、大学がいくつもの店を経営していて、サークル活動の代わりに学生はそこで働くというシステムなのです。色々ある店の中の1つで、最も学生から人気が高いのが、タイトルにもなっているカフェ「カプリッチョ」というわけ。そして、主人公達はそこで働く事になり、そのカフェであれやこれやのどたばたが繰り広げられるというお話です。「桃色☆パニック」「自殺請負人」の作者さんによる作品で、この作者さんは、こういう一風変わった設定の物語が持ち味みたいですね。主人公達は大学生ですから、分類すれば学園ものでしょうが、舞台は終始カフェですから、学園ものという感じはほとんどしません。

さて、この物語は親友の八城とその妹である愛理がメインキャラクターで、それにカプリッチョの面々が絡む恋愛物語です。そして、単純な恋愛ものかと思いきや、実は主人公は高校生の時にヒロインに告白して振られていたり、その他主人公の過去やら、初恋やら、あれこれが絡む結構複雑な物語です。何が盛り込まれているかを全部書いてしまうと、派手にネタバレしてしまうので書けませんが。

ただ、ちょっと要素を欲張りすぎなのではないかという印象を受けるところがあります。また、後半は主人公の過去やら、八城と愛理の関係やらが入り乱れて来ます。目が離せない展開ではありますが、その辺の事情は後半(ラスト近く)に突如出て来るので、「こんな瀬戸際でそんな事言われても」感が拭いきれません。

ですから、もう少し前半から伏線を張っておき(もちろん、張ってないわけではないんですが)、更に要素を絞り込んだ方が、物語としてはまとまったんじゃないかなあと思います。せめて、主人公に関する事だけでも、前半からある程度描写しておいた方が、効果的だったのではないでしょうか。サプライズと唐突感は紙一重。そこが作者さんとしても難しいところとは思いますが。

それと、色んな設定が盛り込まれているんですが、ちょっと無理がある感じで、各設定が上手く繋がってないんですよね。「いや、双子は無理があるのでは」とか「名前同じだから普通気付くんじゃ……。何年も気付かないってのはどうなんだ」とか、シナリオの根幹をなす大事なところで、結構突っ込みどころが多い感じがします(汗)。

キャラクターは、女性がほとんどですが、個性的で面白いです。コーヒーマニア(?)の歩とか、玲奈と香夏子のやり取りとか、よいアクセントになっていますし、カプリッチョという舞台にも合っています。「カプリッチョシステム」自体は、ほとんどシナリオには関わらないんですけど、舞台自体は全体の雰囲気にとても合っていたと思いますね。個人的には歩が気に入りました。「歩スペシャル」、飲んでみたいです(笑)。

後半の唐突感は否定しきれないところですし、後半まではイベントの連続というよりは、キャラのやり取りで読ませるタイプの物語なんですが、その分ラスト間際はイベントと過去回想が連発で来るので、ラスト近くはかなり盛り上げてくれます。八城も良いところを見せてくれて、親友キャラとして見せ場十分。確かにちょっと盛り込みすぎなところはあるんですが、お陰で(?)ラストは誰も不幸にならないハッピーエンド。途中までだと「これは誰か1人が泣きを見る寂しい終り方になるのでは」と思いましたが、この締め方はとても良いと思います。

ツールはLive Makerです。選択肢はなく、プレイ時間は2時間半くらいでしょうか。立ち絵は素材ですが、上手く使っていると思います。女性キャラが華やかでやり取りも軽快なので、プレイ時間をあまり感じさせずに読める作品です。
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