第27回/回る命の輪舞曲 - Succession of the Life(Phylector) - ファンタジー
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第27回/回る命の輪舞曲 - Succession of the Life(Phylector)

ファンタジー
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Succession of the Life

Succession of the Life推薦
■製作者/Phylector(ダウンロード
■容量/45.3MB

大学で研究員をしている飯塚克己は、伊次村と言う小さな山村に、村に伝わる伝承を調査するためにやって来た。真夜中、駅を出た克巳の前に現れた1人の少女。克巳は少女に誘われるまま、彼女の母親が経営する旅館に泊まる事に。ところが……。秀逸なシナリオが感動を呼ぶ伝奇ファンタジー。

ここが○

  • 謎がだんだん解けて行く様子が心地よい、 非常によく出来たシナリオ。
  • 魅力的なキャラクター。感動的なエピソードも多数。
  • ヒロインの声がイメージに合っていて、とてもいい感じ。

ここが×

  • 背景画像は(略)
  • メインとなる巳鵜トゥルールートは、途中でオチが読めてしまう。
  • エンディングにCMが入っているのはどうかと(笑)。

■回る命の輪舞曲

久々の推薦作。SFに続いて今回はファンタジー。どっちかと言うと私はファンタジーは苦手なんですが、この作品は以前に高く評価した「Crimson Ring」の作者さんの手によるものです。あの作品は、あまりメジャーではないんですがかなりの良作だったので、今回は公開前からかなり期待していました。

さて、ぱっと見た目は前作と同じように背景はかなりへなちょこです。最初の画面だけ見てゴミ箱に捨ててしまう人がいても不思議ではありません。しかし私は断言してしまいましょう。見た目でこのゲームをプレイせずに捨ててしまっている人は、はっきり言って損をしている、と。

ストーリーは全四章。シナリオの中核は、タイトルの通り「Succession of the Life(生の継承)」です。この手の前世だのなんだのが絡む話は、往々にしてうさんくさくなりがちなのですが、今作は謎の設定方法と解明され具合がうまく、ぐいぐい読ませてくれます。また、中盤まではかったるいだけの単なる日常生活なんて事はなく、章ごとにしっかりとした話の流れがあるし、謎解きの過程がきっちり書かれているため、長いんですが快適に読めます。長編の物語はこうあって欲しい、と感じさせてくれました。

エンディングは4種類。そう激しく分岐する訳ではなく、最終章のみが変わるという事になります。どのエンディングもなかなか読ませる話だし、攻略も簡単なので全部見てみるのが良いでしょう。個人的には沙良ノーマルエンドと巳鵜トゥルーエンドが気に入りました。登場キャラクターは、主人公の他には主に2人のヒロインと、他には2~3人といったところでしょうか。主人公はおかしな特徴などがない感情移入のしやすいタイプですし、女将さんなどのサブキャラクターもなかなか魅力的に描かれています。

なお、この作品にはヒロイン2人の全ての台詞に声が入っています(上のダウンロードリンクは、フルボイス版へのリンク)。以前の「夢の少女」が、個性的な(特に男性陣の)演技で楽しませてくれましたが、今作のものは2人とも透明感と存在感のある声で、「夢の少女」に負けず劣らずなかなか見事な演技です。正直、ネット声優に対して多少偏見を持っていたんですが、これは認識を改めねばならないかも知れませんね。

難点もあります。背景どうこうについては前作でもさんざん言ったからそれは置いといて(笑)、まずは声がついている事により、ヒロインのうち1人の正体(?)が簡単に分かってしまう事。そしてメインの巳鵜トゥルーシナリオ。お話の出来自体はとても良いんですが、終盤の早い段階でオチが読めてしまいます。ていうか、主人公じきじきに謎を解くし(笑)。

まあ、謎が謎だけにあまり後まで引っ張っても、「引っ張っといてそんなオチかい!」になると思いますが、もう少し引っ張ってくれたら緊張感を持てたと思います。あとは巳鵜トゥルーエンド以外の終わり方が、えらくあっさりしてたような気が。他のエンドにもスタッフロールがあっても良かったのでは。曲を変えるとか。少なくともCMが入るよりはその方が良かったと思うんですが(苦笑)。あとは個人的な好みですが、エンディングの曲はもっとしっとりした曲だと良かったように思います。

なんだかんだ言いましたが、シナリオの長さと謎の解け具合、それにキャラクターのやり取りが非常にバランスが取れており(巳鵜のカレーイベントは、名場面だと思います)、シナリオ自体も非常に綺麗にまとまっています。読後感も爽やか。個人的には期待を裏切らない出来映えでした。絵だけで敬遠せず、是非多くの人に味わって欲しい一昨です。
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