第272回/お気軽ジャンクション - 忘れな二夜(はまち) - 学園・青春
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第272回/お気軽ジャンクション - 忘れな二夜(はまち)

学園・青春
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忘れな二夜

忘れな二夜■制作者/はまち(公開終了)
■容量/18.1MB

主人公(名前任意)は、ある日宿題のプリントを忘れたため、幼なじみのあかりと夜の学校へやって来ていた。そこで見知らぬ女生徒を目にするが、彼女はすぐにいなくなってしまう。彼女の行方が気になる主人公は、翌日学校で調査に乗り出すが。コンパクトで古風な分岐型ノベル。

ここが○

  • 良い意味で古風な分岐。
  • コンパクトながらまとまった作り。
  • 多彩な4種類のエンディング。

ここが×

  • 幼なじみのあかりの存在意義。
  • ヒロインと主人公の関係が、何だか唐突。
  • ハッピーエンドの割にすっきりしない。

■お気軽ジャンクション

私は、ノベルゲームにおいては選択肢のあるなしはあまり重要視しません。選択肢があってもなくても、面白い作品は面白いですからね。ですが、選択肢のある分岐型ノベルには、独特のわくわくする緊張感があるのも事実です。とは言え、分岐型の作品は攻略が難しかったりする事が多く、なかなかハードルが高い事も多いですね。

そんな「分岐型の作品は好きだけど、面倒なのはなあ」という方にも、この作品ならば気軽にプレイできるでしょう。「忘れな二夜」のご紹介。「甘夏スピカ」「晴れた日9月、恋天使」の作者さんによる作品です。いつもながら、ちょっと捻ったタイトルが「おっ?」と思わせてくれますね。この作者さんは、昔ながらの分岐型ノベルがお好きらしく、公開された作品はそういう感じのものが多いです。今作もそうで、言ってみれば「古風な」分岐型ノベルとなっています。

「古風な」と言ってしまうと、何だか悪い意味に聞こえてしまいそうですが、そうではなく、良い意味で古風なのです。分岐型ノベルは、後のいわゆるギャルゲーやエロゲーの影響で、「選択肢でフラグを積み上げて、どこかで分岐する」というタイプが、今は主流ですが、かつては「選択肢即分岐」でした。即分岐とまでは行かないまでも、1つ1つの選択肢が重要で、「能動的に物語を作っている」感覚が、強く味わえる分岐が、以前は主流だったのです。要するに「弟切草」「かまいたちの夜」みたいなタイプですね。

この作者さんは、そういうタイプがお好きらしく、今作も良い意味で古風で、能動的に物語に関われる感覚が心地よい作品です。エンディングは4種類ですが、とってつけたようなエンドとか、選択肢一発死のようなエンドはなく、どれもしっかりと作られています。

ただ気になるのは登場人物です。幼なじみのあかりの立ち位置がどうにも中途半端で、主人公が彼女を遠ざける理由も、いまいち釈然としないものがあります。また、ヒロインのいなさと主人公が惹かれ合う理由も、プレイヤーには何だか伝わりにくいので、トゥルーエンドを見ても、あんまり読後感が良いとは言えないという(汗)。また、幼なじみのあかりとのエンドなんて、完全にバッドエンドですからね(苦笑)。

せめて、いなさと別れた後、主人公が自分に本当に必要なのはあかりだと気付く、なんて展開だったら、かなり違った気がするんですが、現状ではどう転んでもすっきりしない感があるのが、少々残念なところです。「物語を味わった」という意味での満足感が、少々弱いんですね。

とは言え、短いプレイ時間の中で、無理なくシナリオが分岐しており、無駄な選択肢もありません。シンプルでコンパクトな作りの中に、「分岐ノベルの醍醐味」みたいなものがしっかり盛り込まれていますので、そういう意味での「ノベルゲームをプレイした」という満足感は、なかなかのものがあります。こういう「良い意味で古風な作り」の分岐ノベルは、やはりプレイしていて楽しいですね。エンディングにどうこう言いましたが、ラストシーン自体は綺麗ですし、そこでの主人公といなさのやり取りは、とても良いと思います。キャラクターでは、メインキャラよりむしろサブキャラのメリノが気に入りました。

プレイ時間は、コンプリートしても30~40分です。システムはNScripter。ツールバーには「選択肢まで進む」とありますが、ちゃんと既読スキップしてくれますので安心です。手頃な分岐ノベルを楽しみたい方、あるいは一本道の大作ばかりで疲れた方、お気軽に読んでみてください。
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