第275回/感想は最大の報酬です - とあるノベルのレビューサイト(かめソフト) - 日常
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NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

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第275回/感想は最大の報酬です - とあるノベルのレビューサイト(かめソフト)

日常
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とあるノベルのレビューサイト

とあるノベルのレビューサイト■制作者/かめソフト(ダウンロード
■容量/6.96MB

主人公は、ノベルゲームをプレイしてその世界にハマり、レビューサイトを作ろうと思い立ち、友人にアドバイスを求めた。主人公はとあるレビューサイトを参考にしてレビューを書き始める。果たしてそのレビューサイトの行方やいかに? ノベルレビューサイトをテーマにした、異色の短編ノベル。

ここが○

  • 意外にも起伏のある作り。
  • 上手く作者からのメッセージを込めたラスト。
  • 要所を引き締める友人が良い奴。

ここが×

  • 場面は一切動かず、かなり地味。
  • あっさり放置される途中のトラブル。
  • もう一捻りのギャグがあっても良かったような。

■感想は最大の報酬です

ノベルゲームそれ自体をネタにする作品は、過去にもいくつかありました。「フリーソフト製作過程」「のべるのじかん」「本気で恋愛ゲー作らないか」などですが、これらは切り口の違いこそあれ、いずれも製作者側視点によるものでした。しかし、こんな作品が出て来るとは誰が想像したでしょうか。ノベルゲームのプレイヤー、それもノベルゲームをプレイしてレビューを書くという「レビュアー」視点の作品の登場です。

出だしは、まさしく「フリーソフト」シリーズのような感じです。ノベルゲームをプレイしてレビューを書いてみたいという主人公と、彼にツッコミを入れるスタイルは、あの作品そのまま。どこかずれたようなレビューを書いてきて、友人に駄目出しをされる様を見ると、この作風までもがパロディなんじゃないかと思わされます。この友人が、要所を上手く締めていて存在感を出しています。

さらに私にとってはこれは最大のサプライズなのですが、主人公が参考にするレビューサイトが、(恐らく99%間違いない事に)「NaGISA net」であるという……。「ここが○、ここが×」の方式とか、まんまですね。加えて、NaGISA netの掲示板のやり取りがネタにされていたり、作者さんがかなりNaGISA netをよくチェックしている事がうかがえます(笑)。「敷居が高い」ネタなどは、間違いなくNaGISA netの掲示板に(あんな感じの文章で)投稿されたもので、私自身も「あーあー、あったねえそういえば」と感心しました。レビューを書き始めて8年、まさか自分のサイトをネタにした作品をレビューする日が来るとは思いませんでした(笑)。「作者にとって、作った作品に対する反応がないのが一番悲しい事だ」なんてのも、確か書いた記憶がありますし。

そんなギャグとパロディだけの作品かと思っていると、途中で主人公は思わぬトラブルに巻き込まれます。このトラブルも、長くノベルゲームを見ている人なら「あそこのサイトとあの作者さんのアレでは……」と察しが付きそうなもので(以下略)。この作者さん、私よりはるかにノベルゲームに詳しそうです。

が、その中盤のトラブルはあっさり解決というか、放置されてしまっており、ここをネタにもう一捻りがあれば面白かったかも知れません。短編作だけにこれだけであまり引っ張っても他とのバランスが悪くなりますし、難しいところだとは思いますが。

終始主人公と友人の会話のみでやり取りがすすみ、描写文が一切ないこの作品で最も光るのは、ラスト手前、作品を通じて作者さんがメッセージを語って来るところでしょう。主人公のノベルゲームレビューが軌道にのり、レビューから一歩進んでコミュニケーションを取れるようになった表現と同時に、そこに作者さんのメッセージをも込めるというやり方は、非常に巧みです。この手の「作者のメッセージを作中でダイレクトに語る」というやり方は、一つ間違えると大変くどいものになるのですが、このやり方はお見事だと思わされました。

また、ラストもさらっと流されるんですが、上述の作者さんのメッセージと相まって、上々の余韻を残してくれます。ラスト以外は会話文しかないんですが、だからこそラストにおける主人公の独白の存在感が際立っていると言えましょう。

ただ、場面は主人公の部屋から全く動かず、さりとて「フリーソフト製作過程」のように、動きを使ったネタがある訳ではないので、地味な事は否定できません。せめて主人公が作ったレビューページのスクリーンショットでも作れば、より真実味が増したんじゃないかと思わされます。それを利用したグラフィカルなギャグがあれば、良いアクセントになったのではないでしょうか。

ツールはNScripter、プレイ時間は15分で選択肢はありません。作者さんのフリーノベルゲームに対する愛が伝わって来て、プレイ時間と冒頭のスタイルからは想像できないような感銘を与えてくれます。これを読んだ貴方も、ちょっと気軽にプレイした作品のレビューを書いてみませんか?
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