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第290回/色づく落ち葉は空へ舞う - 秋の木立ち -The end of the last autumn-(Holy Colors)

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秋の木立ち -The end of the last autumn-

秋の木立ち -The end of the last autumn-■制作者/Holy Colors(公開終了)
■容量/658MB

主人公草薙勇治は高校3年生。高校最後の夏休みを何となく過ごし、2学期の始業式を迎えたが、その日彼のクラスに転校生がやって来た。その日の放課後、勇治は想い出の丘に足を運ぶが、その丘で転校生の少女と出会った。史上まれにみるほどのボリュームで贈る、長編恋愛ノベル。

ここが○

  • ビジュアル面でも性格面でも個性豊かなキャラクター達。
  • 驚くほどの大ボリューム。
  • キャラのやり取りと秋の雰囲気がもたらす全体の空気感。

ここが×

  • 長さの割に語りきれてないところがある。
  • 前半が何だか緩い気がする。
  • 立ち絵と1枚絵で違いすぎる絵柄に違和感。

■色づく落ち葉は空へ舞う

私はどうも最近、あまりに長い作品は苦手になってきています。商業作だと、何十時間もかかる作品も珍しくないようですが、学生ならいざ知らず、社会人で他にも趣味があって、ゲームだけに何十時間もかけていられません。なので、せいぜい長くても数時間くらいまでが限度です。

そんな中、この作品は久々に10時間オーバーの超長丁場でした。出だしは極めて王道な展開。2学期の始業式の日、主人公たちのクラスに転校生の美少女がやって来て、という展開。翌日にはいきなりそのヒロイン、木立を誘って主人公達がショッピングモールに遊びに出かけるのですが、ここら辺の展開が妙に「緩い」ので、実は序盤が結構辛いです。かなり長いお話なので、序盤が緩いのは少々キツい感じがします。いわゆるカレンダー消化型で、期間は9月から11月頃と結構な長丁場です。

が、この作品は個性的なキャラクターの絡みがよく出来ています。性格付けもですし、ビジュアル的な面でのキャラクターの特徴付けも上手いですね。特に主人公の妹である奈江の「耳つき帽子」とか、幼なじみの沙奈の髪型など、良いアクセントになっていて、キャラクターを彩っています。キャラクター同士の絡みのテンポも良く、そういう意味では「長編学園ものらしい」楽しみ方ができる作品です。物理教師の水山や、悪友の孝太、校長の寿延など、いずれもいい味を出していますし、奈江は妹キャラとしては出色の出来映えです(ノベルゲームの妹キャラは、これくらい可愛らしい方が良いと思うのは私だけ?)。

さて、今作は3ルートに分岐します。お嬢様系の恵理奈、幼なじみの沙奈、そしてメインヒロインの木立。このキャラクターの名前がちょっと分かりにくいのが難点。沙奈に奈江に恵理奈に初芽に木立。特に沙奈と奈江はごっちゃになります(汗)。まあ慣れの問題かも知れませんが、見た目で十分差別化できているんですから、名前は分かりやすい方が良かったかな、と思わなくもなりません。

で、恵理奈ルートと沙奈ルートを読んだら、木立ルートへの道が開けるというパターン。沙奈ルートは、いわゆる「病弱系」な展開ですが、ちょっと唐突感を感じるところもあります。沙奈の病気に関する描写がイマイチ薄いため、病弱系に不可欠な「切迫感」に欠けるところがある上、解決がちょっと力技なところがあるんですよね。でも、沙奈はいわゆる「ツンデレキャラ」としては、嫌味がなく受け容れられやすいので、キャラクタードラマとしては読み応えがあります。

恵理奈ルートは、「いじめ系」。全体としては沙奈ルートよりまとまっています。恵理奈があまりに後ろ向きなキャラの上、恵理奈の父親がかなりアレなキャラなので、ひいてしまう人もいるかも知れませんが(汗)、初芽もこのシナリオでは生きてますし、終わり方もなかなか綺麗です。

そしてメインの木立ルート。このルートは、ちょっと色んな要素を盛り込み過ぎた感があります。恵理奈と初芽の関係もあり、沙奈の過去もありで、後半が凄いごった煮状態になってるんですよね。その分どんどん読めると言えば読めるんですが、盛り込まれた要素が多い割りに、きっちり解決していないところもあって(例えば、朱希と木立が何故関わったのか、とか)、長さの割に語りきれていないところがあるのが気になります。

最初でも書きましたが、この作品が良いところは、何より個性豊かなキャラクターたちが織りなす空気感です。ただのどたばたではなく、秋の持つちょっとした寂しさというようなものに、上手くキャラクターの醸し出す雰囲気がマッチしており、その雰囲気で楽しませてくれる物語です。長編としての緻密なシナリオの作りという意味では弱いところがあるのは否定できませんが、こういう楽しみ方ができる長編も、ありだと思います(虫の声のSEがちょっとくどく感じる気もするが、これも慣れの問題かも)。

それと木立ルートですが、ラストでいきなり「最終章に続く」でタイトルに戻ってしまったので、「未完成なのか!?」とたまげました(笑)。その場合、もう一度はじめからやると、最終章を選べますからご注意あれ。

立ち絵と1枚絵の絵柄があまりに違いすぎるので、最初はかなり戸惑うんですが(絵柄としては、1枚絵の絵柄もありと思いますが)、それは慣れてください(笑)。ツールはLive Maker。エンディングは3種類(一発バッドもあり)で、プレイ時間は16~17時間。一気に読むもよし、少しずつ会話を楽しみながら読むもよし。じっくりとどうぞ。
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