第297回/はるかな未来へ、またね! - forever more~俺と彼女の奇跡の五日間~(Project TKM) - 日常
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第297回/はるかな未来へ、またね! - forever more~俺と彼女の奇跡の五日間~(Project TKM)

日常
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forever more~俺と彼女の奇跡の五日間~

forever more~俺と彼女の奇跡の五日間~■制作者/Project TKM(ダウンロード
■容量/51.8MB

前空ヒカルはごく普通の高校生。代わり映えのしない毎日にうんざりしつつ、台風の中を電車で家路を急いでいた。と、ゴミステーションに何やら人影が。その少女を家に連れ帰ったヒカルは、しばらく彼女を家に住まわせる事にするが。ストレートでクラシカルな味わいの夏物語。

ここが○

  • いい具合に絡むキャラクター達。
  • ストレートだが安心感のある展開。
  • 印象に残るラストシーン。

ここが×

  • かなり唐突な気がするラスト近辺の展開。
  • 後半までは少々緩い感じの展開。
  • ヒカルよ、何故最初に河川敷を探しに行かないんだ(笑)。

■はるかな未来へ、またね!

私は別に、季節でプレイする作品を選んだりはしませんが、夏にはやはり夏っぽい物語が似合いますし、そういう作品が増える気がします。この作品の舞台は7月ですから、まさに今の季節にぴったりですね。ジャンルとしては「ボーイミーツガール同居型」で、「何やら謎を持った少女と、成り行き上一緒に住む」というもの。「発掘少女」「桃色☆パニック」「あまやどり」と言った作品でもおなじみのパターンです。

なので出だしはまことにありがちと言いますか、どこかで見たような感満点です。主人公のヒカルが行き倒れていたヒロインを拾うところから始まりますが、ヒロインのミライは、記憶喪失で自分の名前しか思い出せません。ま、この手の作品では大体そうですよね(笑)。

forever more~俺と彼女の奇跡の五日間~そして、物語はヒカルの幼なじみの香子(かこ、と読む)や有本(彼は最後まで下の名前が出て来なかった)を交えて進みます。登場キャラは必要最小限ですが、役割分担が上手く出来ていて、絡みも上々ですね。ただ、固有名詞は登場時にちゃんとふりがなを振って欲しいと思いました。香子なんて、作者さんのキャラクター紹介を見るまでは、苗字も名前も読めませんでした(汗)。

シナリオですが、実に王道ストレートな展開です。とは言え、フリーのノベルゲームが若干元気がないと言われていたり、あるいは同人系のマンパワーに物を言わせて作る作品が目立つ昨今(多くのスタッフで玄人はだしの作品を造り上げるのも、それはそれで意義のある事だとは思いますが)、このような良い意味でクラシカルな味わいを持つ作品は貴重だと思います。

ただ、物語としては少々バランスの悪さを感じるところがあります。前半は取り立てて大きなイベントがある訳でなく、4日目にヒカルとミライがお出かけし、帰宅後に歓迎会があるくらいで、非常に地味で緩めな進行です。ところが、ラスト近くでいきなり急展開して、衝撃の事実(?)が明かされるのです。作中で何の前振りもなかったため、「え! そうだったんですか?!」という状態に。前半からある程度伏線を張っておき、イベント展開のバランスを良くしてみたら、同じような物語でもかなり印象が違ったのではないでしょうか。

しかし、広げた風呂敷を急いでたたむ感のあるラストですが、ラストシーン自体はなかなか綺麗に決まっており、ヒカルとミライのやり取りも良いと思います。欲を言えば、何か印象的な一捻りが欲しかったですね。カレーライスの作り方のメモを渡すシーンがありますが、その辺りを何か上手く利用してプラスアルファがあれば、読後感がもうワンランク上がった気がします。

それと、友人の有本がノベルゲーム好きという設定を見て、思わず笑ってしまいました。ヒロインの名として「ヒカリ」という名前を出していましたが、彼がプレイしていたのはもしかすると「ノトス水上紀行」だったのでしょうか(え?)。また、舞台はどうも広島っぽい感じがしますね。「都会の駅」と書かずに、正直に「広島駅」と書いてしまえばいいのに、と思ったのは私だけか(笑)。

あと、ラストシーンではヒカルは最初に河川敷に行くべきだったと思います。だって、ミライは電車賃を持ってないし、人ごみ恐怖症じゃないですか。思わず「お前、最初からそこに行けよ!」と突っ込んでしまいました。文章は少し固いところもありますが、過剰に捻っていないので、すいすい読める部類だと思います。

ツールはNScripter、プレイ時間は1時間と少々。選択肢はありません。フリーノベルゲームをずっとプレイしている者としては、こういう作品がまたどんどん気軽に作れて公開されるような元気を、フリーノベルゲーム界が取り戻して欲しいものだと思っています。
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