第298回/宝石箱のような国へようこそ - 王国の行方(おてもとProduction) - ファンタジー
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第298回/宝石箱のような国へようこそ - 王国の行方(おてもとProduction)

ファンタジー
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王国の行方

王国の行方■制作者/おてもとProduction(公開終了)
■容量/?

1年間の任期で、ある王国の国王となった主人公。王国には色々な問題が山積している。頼りになる部下、パール、ヒスイ、エメラルドの助言を参考に、豊かで住み良い国を目指して奮闘せよ。FLASH使用、美麗グラフィックスが目をひく、異色の「王国運営アドベンチャー」

ここが○

  • とにかく美麗なグラフィックス。
  • キャラのバックグラウンドが徐々に明かされたり、脇キャラも魅力的。
  • 気軽に楽しめるファンタジー世界。

ここが×

  • FLASHだからしょうがないが、ロード時間が少々煩わしい。
  • 実は一本道なので、ボリュームに欠ける面あり。
  • 素っ気ない感じがする終わり方。

■宝石箱のような国へようこそ

NaGISA netでは、滅多にFLASH作品を紹介する事はありません(「ペヤングどらま館」くらいか)。理由は、FLASHを入れてしまうと、きりがなくなってしまうからです。ノベルゲームなら選択肢なしでも問題ないんですが、選択肢なしのFLASHノベルを入れてしまうと、単なる動画やアニメーションとの区別が難しくなりますから。

そんな中、この作品はきちんと選択肢がついたアドベンチャー形式の作品です。舞台設定もちょっと変わってまして、主人公が1年間の任期で王様になり、就任の挨拶をするというところから始まります。主人公にはパール、ヒスイ、エメラルドという部下がついており、色々な政策は彼らの助言に従って選択していくという事になります。最初は経営シミュレーション風の難解な作品かと思っていたんですが、そういう訳ですので実は極めてお気楽な作品です。

王国の行方とりわけ目をひくのは、もの凄く美麗なグラフィックス。立ち絵も背景も超美麗です。特に立ち絵はこれほど美しい作品は珍しいでしょう。ファンタジーものというのは、立ち絵や背景が雰囲気作りに大きな役割を果たしますが、この作品の場合はまず出だしから強烈に引きつけてくれます。就任挨拶をするというオープニングで、ゲームの概要がすぐに掴めるというのもいいですね。

そして、ゲームは1ヶ月ごとに12ヶ月分=1年の進行です。1ヶ月ごとに、例えば水不足に対する対応とか、怪しい宗教団体との対決とか、何らのテーマがあって進みます。1ヶ月はわずか5分程度ですから、実にさくさくと読む事ができます。1話完結のミニエピソードが12話入っているという感じですね。ただし、FLASHですから仕方ないのですが、1ヶ月のイベントが終わる度にロードしにいきます。ゲーム本体がさくさく進むだけに、ちょっとリズムを損なっている感がありますね。

また、真面目なイベントだけでなく、美人コンテストとかミュージカルと言った、一息つける楽しいイベントもあって飽きさせません。1時間のプレイ時間があっという間だと思います。その意味で「楽しく時を過ごす」という点においては、秀逸な出来映えの作品です。個人的には、ミュージカルの時のパールの立ち絵がお勧めです(笑)。

反面、ストーリー性は強くありません。サブキャラの過去とか、サブキャラ同士の意外な繋がりと言った、ちょっとした要素で味付けしてはあるんですが、全体を通してこれと言った幹となるような物語がある訳ではないのです。加えて、選択肢は沢山出て来ますが、その結果で国の行方が変わったりはしないので、手軽に楽しめるかわりに、全体としてイマイチ深みに欠ける点は否めません。

せっかくキャラクター自体はとても魅力的なのですし、3人の部下たち+αのかけあいも面白いので、これなら普通に一本道のノベルゲームとして作った方が、キャラクターや舞台設定の面白さが生かされたんじゃないかという気もします。終わり方も、ちょっと素っ気ない感じがします。作品全体の雰囲気からすると、あれくらいさらっと終わる事自体は悪くないですが、せめてスタッフロールくらいは欲しかったところです(終了するといきなりウィンドウが閉じてしまうのです)。セーブやバックログもなかったりするんですが(FLASHですし)、システム上それはさほど気になりませんでした。

なので、一本道のストーリー性の強いノベルゲームを希望の方には少し合わないかも知れません。しかし独特の世界観や美しいグラフィックで、「楽しい異世界情緒」を感じさせてくれるという点では、他の作品にない魅力を持っていますし、この魅力はこの作品でしか味わえないものです。一見の価値は大いにあると思います。

プレイ時間は1回1時間くらいです。選択肢は多いですが、好きなものを選んでいけばいいので感覚としては一本道です。普通のノベルゲームとはちょっと違う感じの作品ですが、たまにはこういう物語をプレイしてみるのもいいのではないでしょうか。
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