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第327回/この物語は君のため - IN A DAY~先輩と小説と~(でんたけ)

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IN A DAY~先輩と小説と~

IN A DAY~先輩と小説と~準推薦
■制作者/でんたけ(ダウンロード
■容量/27.9MB

文芸部に所属する高校生の川中忍。もうすぐ卒業する先輩、長志野亜子に呼ばれ文芸部の部室に行ったところ、何と亜子は血を流して倒れていた!? そして小説の資料集めと称して忍を振り回す亜子だったが、その真意は一体。凸凹コンビがおりなす青春ラブコメノベル。

ここが○

  • ヒロインの亜子の言動が何だか可愛らしい。
  • そんな亜子と常識人の主人公のギャップが面白い。
  • キャラクターの絡みが生み出す物語の流れが心地よい。

ここが×

  • ヒロインの言動にはついて行けない人が出る恐れあり。
  • 何だか鈍い気がする主人公。
  • ツールがツールなので、操作性は(略)。

■この物語は君のため

学園ラブコメで主人公とヒロインの関係として、最も多いのは幼なじみでしょうね。あるいは転校生とか。こういう辺りの設定の方が、あれこれ謎を仕込むには好都合なんでしょう。その点この作品は、主人公とヒロインが、同じ部活の後輩と先輩という間柄。しかも、主人公の方が後輩です。こういう作品はちょっと珍しいかも知れません。

ヒロイン亜子は、主人公より1歳年上の高校3年生ですが、言動がかなりぶっ飛んでいます。ぶっ飛んでいると言っても、「何だか可愛らしい」と思える範囲内で私は結構好感を持てました。これが同じキャラクター設定で年齢が25歳だったら「やめてくれ」と思うでしょうが(笑)、高校生ならありなんじゃないでしょうか。このヒロインは、人によってはデフォルメがきつすぎると思われるかも知れませんが、キャラクター設定と描写が上手くマッチしていて、私は成功していると思います。

IN A DAY~先輩と小説と~主人公とヒロインは文芸部に所属しているのですが、ヒロインは高校卒業に当たって一作品仕上げるため、小説を書くための資料集めと称して、主人公をあっちこっち引き回します。亜子の行動は適当と言えば適当なんですが、子供じみた言動の中に、ちょっとした乙女心が見え隠れしていて面白いですね。

また、主人公はそんな亜子とは違って極めて常識的で保守的な性格なんですが、さりとて亜子の事を馬鹿にした態度をとったりはせず、この人しょうがないなあと思いつつ、先輩を立てて行動できる男です。なので、亜子のはちゃめちゃぶりと主人公の冷静ぶりがよく噛み合っていて、微笑ましく読む事ができます。この2人の関係が、適度にドライで、適度にウェットなので、押し付けがましさがないんですよね。亜子は、結構恥ずかしい台詞も連発するんですが、キャラがキャラなので、これまた読む方に気恥ずかしさを感じさせません。

基本的な物語の方向性としては、とりたてて捻ったところのないスタンダードなものです。しかし、主人公とヒロインのやり取りや、ヒロインの変な言動の奥に垣間見える思いとか、そういうものが行間に上手く表現されていて、短編ドタバタ風ラブコメとしては十分楽しめる内容でした。ただ、主人公は「冷静なのはいいけど、お前ちょっと鈍いんじゃないの」と思わないでもありませんが(笑)。

ヒロインの亜子は終始言動がめちゃくちゃですし、主人公の忍は亜子に振り回されるんですが、この2人に共通するのは、「2人とも不器用である」という点です。そんな不器用な2人を結びつけるための道具として、亜子の卒業記念小説という題材を持って来て、そこでまた主人公とヒロインの不器用さが際立ちます(笑)。空気を読めない主人公と、すぐすねる亜子を見ていると、やきもきさせられます。そしてそれが作者さんの狙いなんでしょうね。物語というものを作り慣れた作者さんだと思います。

しかし、作中で亜子が考えるストーリーは、これがまた本人の性格に見合っためちゃくちゃさです。個人的には、亜子の書いた小説の内容がもの凄く気になるのですが。というか、亜子が書く内容なら、あまり資料集めなどしなくてもいいような気がしなくもない(笑)。

ツールは、最近見なくなったYuuki! Novelなので、プレイはしやすいとは言えませんが、選択肢がありませんので、読み返しができない以外はそれほど気にならないかも知れません。プレイ時間は45分程度です。評価は迷いましたが、キャラクター2人の軽妙な掛け合いの楽しさを評価して、準推薦。恋愛ノベルのヒロインはほとんどが同い年か年下ですが、たまには先輩もいいものです(?)。
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