第334回/二人で木陰の散歩道 - 健二と小陰の隠れ子(不思議ノベル制作部) - 不思議系
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第334回/二人で木陰の散歩道 - 健二と小陰の隠れ子(不思議ノベル制作部)

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健二と小陰の隠れ子

健二と小陰の隠れ子■制作者/不思議ノベル制作部(ダウンロード
■容量/37.8MB

健二がある日公園で友達とかくれんぼをしていると、黒い服を着た女の子が現われた。彼女はどうやら異世界に出入りができるらしい。木の精霊であるミルテは、その少女に気をつけるように言うが、健二は黒い服の少女が気になって仕方がない。黒い服の少女の正体は? 短編恋愛ファンタジー。

ここが○

  • 前作同様、軽妙でテンポの良い会話。
  • 木の精霊ミルテが魅力的でいい子。
  • ミルテと小陰が絡むバランスの良さ。

ここが×

  • 空気が読めない主人公。
  • 色々とうかつな主人公。
  • 妄想癖がある主人公。

■二人で木陰の散歩道

ここ3作くらい、「現代風だけどちょっとファンタジー」な作品が続きますが、この作品もそんな感じです。今作は、以前取り上げた「健二と幼木の精霊」の続編です。今作単独でもストーリーは理解できますが、健二とミルテとの掛け合いなんかは、前作をプレイしているとより楽しめると思いますので、できれば前作からプレイする事をお勧めします。

前作は、主人公健二が公園で缶蹴り中に異次元に迷い込み、異世界で木の精霊ミルテと出会うという作品でしたが、今回も似たような出だし。今回はかくれんぼです。かくれんぼ中に、いかにも怪しい黒ずくめの少女と出会うという出だし。あれだけ見た目が怪しいと、ちょっとは警戒しても良さそうなものですが、健二は例によって(?)全く警戒しません。前作もそうでしたが、彼からは異形のものを引き寄せるオーラでも出ているんでしょうか(笑)。

健二と小陰の隠れ子そして健二は、よせばいいのに深入りしてしまって危ない目に遭うという(笑)。まあそこらはプレイしてからのお楽しみですが、今回も健二とミルテの、どこかずれているけどテンポの良いやり取りは健在です。健二をおちょくって、時々怒るけど健二が困ったらさらっと助けてくれるミルテ、良いキャラクターです。

その分、健二の空気の読めなさというか、うかつな行動とかが際立っているとも言えるんですが(苦笑)、まあ健二は小学生だし、あんなものかも知れません。それに、健二のその性格付けがあってこそのこの物語という気もしますから、これはこれで作品の味なのかも知れませんね。私なら絶対に小陰よりミルテですが(笑)。

しかし、小陰が行動に出始める中盤以降から、意外と物語は緊迫感を高めつつ展開していきます。健二はうかつで空気が読めないと言えばその通りなのですが、逆に彼のお陰でストーリーが回っているとも言えます。ストーリー的にも、非常にストレートだった前作と比べても、一捻りが感じられますし、尺の割には起承転結もしっかりしています。ただ、健二が小陰にひかれる理由付けみたいなものがある程度描写されていた方が、後半の展開に説得力が出たかな、という気はします。

まあ、オチの付け方はちょっと安直かなと思わなくもありませんし、ミルテがもうちょっと報われてもいいんじゃないかなと思ってしまうんですが、適度なひねりと綺麗な終わり方で、読後感自体は良好です。ただし、小陰が豹変した時の「あの顔」は……。私も見た時は思わずのけぞりましたが、それよりあの顔を目の前で見た健二君は、トラウマを残したりしないのかと、心配してしまうレベルです(?)。まあそれでも小陰を助けたい、と真っすぐな行動に出るところが、彼の良いところなのでしょうね。

全体に、ミルテと小陰が物語に絡んでくるバランスが良く、展開のテンポとも相まって快適に読めます。この長さの作品としては、十分楽しめるレベルです。私としてはもう少しミルテに振った展開があっても良かった気がしますが、今回はあくまで小陰がメインヒロインという事なのでしょう。なお、前作でその存在感を誇示した「兄」は、今回ももちろん登場しますので、スクリーンショットを見て「兄はどうした!」と思った方も、どうぞご安心ください(笑)。

ツールは吉里吉里です。エンディングはグッド、ノーマル、バッドの3種類ですが、攻略はさほど難しくないと思います。吉里吉里なのにセーブシステムが古の恋愛シミュレーションツクールみたいというのが、ちょっとアレですが……。プレイ時間は全部のエンディングを見て1時間弱。エンディングがまったくなく素っ気ないのは前作同様ですが、こういう雰囲気の作品を作る作者さんもなかなかいないと思いますので、次回作にも期待したいと思います。
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