第335回/危険なダイナマイトキャット - ねこねこ暴走曲(mirukikomo) - コメディ
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第335回/危険なダイナマイトキャット - ねこねこ暴走曲(mirukikomo)

コメディ
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ねこねこ暴走曲

ねこねこ暴走曲■制作者/mirukikomo(ダウンロード
■容量/19.3MB

その日、風紀委員の天石由紀は教室で一大バトルを繰り広げられていた。クラスメイト達が固唾を飲んで見守る中、由紀は得意の猫バリヤーを駆使しつつ戦う。出るか必殺の猫ミサイル。最初から最後までとにかく理不尽で、実は猫は全く活躍しないどたばた猫コメディノベル。

ここが○

  • オリジナルの立ち絵が表情豊かでよく出来ている。
  • シンプルかつ効果絶大な特殊効果。
  • 目が点になる事必至のオチ。

ここが×

  • 猫の扱いが酷過ぎる気が。
  • 選択肢が理不尽すぎる。
  • 全く存在感のない主人公。

■危険なダイナマイトキャット

最近、長編を読む力がないので短編作を主体に楽しんでいますが、これはまた短編作の中でも異色というか理不尽というか、とんでもない作品。タイトルは「ねこねこ暴走曲」で、猫をフィーチャーした作品ではあるんですが、「私の黒猫」とか「浮猫亭」とは違って、猫好きにはあまりお勧めできないかも知れない作品です。何せ、ヒロインの得意技が、猫を使って敵の攻撃を防ぐ「猫バリヤー」ですから(笑)。

出だしから理不尽全開というか、何が何だか分からない展開です。いきなり教室でバトルが始まって、プレイヤーは完全に置いてけぼり状態。もちろん後でちゃんと種明かしがされるんですが、ついて行けない人は開始10秒で置いて行かれるかも知れません(汗)。逆にこういうどたばたノリが楽しめるなら、最後まで楽しく読めるでしょう。

ねこねこ暴走曲さて、この作品は典型的な「選択肢一発死」、またの名を「Kanosoタイプ」です。選択肢が結構出て来るんですが、ミスしたら即死です。その即死もどの選択肢を選んでもほとんど同じなので、ここはミスした選択肢でもそれなりに楽しめるような仕掛けがあれば、より楽しめたような気がします。まあ、正解の選択肢は一目瞭然ではあるんですけど(笑)。

この作者さんは絵がお得意らしく、立ち絵はオリジナルです。このオリジナルの立ち絵が、表情豊かでよく出来ています。シナリオライター自らが絵を描くと、やはりキャラクターの細かい表情もシナリオに合わせて変えられる訳で、この作品の独自性を際立たせていると思います。BGMはおなじみの煉獄庭園です。煉獄の曲は多用しすぎるとちょっとうるさくなってしまう傾向もあるんですが、この作品のはちゃめちゃなノリには煉獄の曲のアップテンポさがよく合っています。

ただこの作品、主人公に全く存在意義がないんですよね。サブヒロインの菜々子にまで「脇役」呼ばわりされていますし(笑)。とは言え、ラストでは主人公の一言がきちんと締める(?)ので、存在感を高めているんですが、それにしても途中まではまったく存在感がありません。由紀や菜々子とも特にキャラクター同士の絡みがある訳ではないので、短いながらも、もう少しキャラクター的なドラマがあっても良かったのかな、という気がします。

そのオチは、あまりにも強烈です。私もまったく想像していないオチだったので、思わず笑ってしまいました。またその意外というか反則なオチを浮き立たせるための細かい伏線や演出も、きちんと施されており、単なる勢いで書かれた作品ではない事をうかがわせます。演出については、作者さんが後書きで書かれていますが、シンプルで最大限の効果をあげる方法で、これは他の作者さんにも参考になるのではないでしょうか。ただ、人によっては画面効果がくどく感じるかも知れませんが。

ちなみに今作、何故かタイトルからロードする事ができず、一度スタートしてから右クリックでロードしないといけません。選択肢は、その気になれば別にセーブしなくても正解はすぐ分かりますが、こういう作品だとせっかくだから全部の選択肢を試したくなるのが人情というもの。タイトルからロードできると、より親切でしたね。

ツールはNScripterで、プレイ時間は20分かからないくらいでしょう。選択肢は多いですが、上にも書いたように分岐はごく単純でミス=即死の上、正解選択肢は簡単に分かるので、難易度は低いです。単なるノリだけの理不尽な短編かと思いきや、意外なラストには一本取られる事間違いなし。長編作品で疲れてしまった時は、息抜きにこんな作品はいかがでしょうか。ただし繰り返しますが、本当の猫好きにはお勧めできませんので、悪しからず(笑)。
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