第338回/響けアンチェインドハート - チェインコンプレックス(Mjolner Project) - SF
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第338回/響けアンチェインドハート - チェインコンプレックス(Mjolner Project)

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チェインコンプレックス

チェインコンプレックス■制作者/Mjolner Project(ダウンロード
■容量/44.5MB

高校生の斗真、毎朝朝食を作りに来てくれる世話好きの幼馴染右目と、成績優秀ながらちょっと天然のクラスメート左目。3人は毎日楽しく過ごしていたが、ある日斗真の下駄箱の中に「右目か左目、どちらか選びなさい」という手紙が入っていた。そして微妙に崩れ始める3人の日々。オチに驚くSF恋愛ノベル。

ここが○

  • エンドを1つ見るたびに段々真相が明らかになる作り。
  • 3人の微妙な距離感の描き方。
  • とにかく驚くしかないオチ。

ここが×

  • ヒロイン2名の名前が分かりにくくて混乱必至。
  • 後味の悪さが半端ではない。
  • 文章表示やシステム面にちょっと難あり。

■響けアンチェインドハート

フリーノベルでSFって、作品数はそんなにありませんが、小説に比べても演出の持つ力が大きいため、ノベルゲームとSFの相性っていいと思います。古くは「遠来」、最近では「おはよう、ラァビィ」など、個性的な作品が揃います。この作品はしかし、舞台が学園もので、最初は普通の恋愛ものにしか見えないところが、なかなか面白いところ。SF風味どたばたものという点では「時の振り子」が、ちょっと近い雰囲気です。

とは言え、この作品は実は結構真面目なSFです。最初のプレイではとてもSFに見えないんですが、徐々に謎というか設定の全貌が明らかになります。複数回プレイで段々秘密が明かされて行くというタイプの作りと言い、恋愛もの風の外見に隠された驚きの真実と言い、意外とと言っては失礼ですが「硬派」な作品です。

チェインコンプレックス出だしは、世話好きの幼馴染みと頭が良いクラスメートの両手に花状態の主人公の下駄箱に、ある日「どっちかのヒロインを選べ」という手紙が入っている、というところから始まります。主人公は手紙の指示に従って行動すると、その行動を見透かしたかのような次の手紙が届き……と、なかなか読み手の意欲をくすぐる作りです。

実はこのヒロインの名前が大変分かりにくいのです。幼馴染みが「右目」で、クラスメートが「左目」。名前としてあり得ない気がする上に、テキストの中に「右目」「左目」という表記が混ざると、どっちがどっちなのか分からなくなります(汗)。この作品、後半はストーリーも結構難解なので、もうちょっと分かりやすい(=プレイヤーに優しい)名前でも良かった気がします。

さて、物語が進むと主人公は実際どちらかのヒロインを選ぶ事になるんですが(選択肢1つだけで決まるので、楽ではあります)、どちらを選んでも、ハッピーエンドな事はハッピーエンドなんですが、えらく後味が悪い終わり方です。後味が悪い上に、何やら真実をそれとなくほのめかしてくれるので、やめるにやめられなくなります(笑)。

で、最後にたどり着く真実というのが、これがまた究極に後味が悪いのです(爆)。「ふたつのファントム」も後味が悪かったですが、今作の後味の悪さと来たら、あの作品の比ではありません。ラストで「誰もが救われる結末」について主人公が言及していますが、そういう結末を用意しておく事はできなかったのだろうか、と考え込んでしまいます。まあこの「プレイヤーに考え込ませる」というのが、ことによると作者さんの狙いかも知れませんから、これはこれでありなのかも知れませんが。

それと、この作品はシステム的に、主にテキスト表示で妙なところが結構あります。全画面テキスト表示で表示が崩れたり、改行ポイントが変でしょっちゅう表示がウィンドウをまたいだり、あるいはクリック待ちすべきところでクリック待ちがなく、一瞬でテキストが流れたり。まあどれも読み手で対処できるレベルではありますが、若干どうにかならんものかと思わなくもない(汗)。それと、既読スキップが効かない上、既読文章をノーウェイトにするという事もできませんので、再プレイでちょっと煩わしさを感じます。

ま、オチがあまりに後味が悪過ぎるので損をしているんですが、右目と左目の2人の距離感の描き方がよく、特に前半は普通の学園恋愛ものとしてもよく出来ていると思います。後半になるとストーリーが若干難解になりますので、メモでも取りながら読まないと、訳が分からなくなる恐れもありますので、ご注意。

ツールは吉里吉里。選択肢は最小限のポイントだけです。エンディングは4種類でプレイ時間は2~3時間くらい。後味は確かによくないのですが、後半はかなり刺激的な展開をしますので、普通の学園ものに飽き足らないという方は是非プレイしてみてください。
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