第351回/Le voir, c'est le croire. - croire~クロワール~(淡海孤島) - 学園・青春
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第351回/Le voir, c'est le croire. - croire~クロワール~(淡海孤島)

学園・青春
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croire~クロワール~

croire~クロワール~■制作者/淡海孤島(ダウンロード
■容量/409MB

近い未来、相変わらず減らない学校でのいじめ対策として、いじめられた者を小さな村に隔離するという政策がとられた。その政策によって、浅井昴も、臼谷村へ引っ越して来る。昴はこの村でどんな人と出会うのか。意外と気軽に読める青春物語。

ここが○

  • 仲間達と交流を深めていく様子。
  • なぜか臨場感がある雪合戦の描写。
  • だれずに読めるちょうどよい流れ。

ここが×

  • 茜エンドがないのは何故。
  • テーマがいまいち物語に上手く絡んでいないような。
  • 唐突な気がする後半の展開。

■Le voir, c'est le croire.

いじめをテーマにした作品と言えば思い出されるのは「そこに幸せある限り」ですが、あそこまでいじめをウリ(?)にしていなくても、いじめをテーマの1つとして取り上げている作品は意外と多いものです。一番最近の作品では「Good days」にもそれっぽい描写がありましたし、「引きこもりと女子中学生」もそんな展開がありました。

そんな中、この作品はちょっと変わっています。近未来、政府によるいじめ対策として、いじめられている者を小さな村や町に隔離するという政策がとられたという設定。何か、何ら根本的な対策になっていないような気もしますが(笑)、それは置いておきまして、主人公が引っ越して来た臼谷村には、そういういじめられていた少年少女達が厚め等ています。そして、アパートでの共同生活や学校行事などを通じて絆を深めると、そういう感じの筋立て。

croire~クロワール~近未来という設定は、要するにこの架空の政府の政策のための設定のようで、作中に近未来ならではの描写はありません。テーマだけを見ると重苦しい印象もありますが、意外と直球勝負の青春ものです。ヒロイン2人は、元気系の茜と清楚系のひなたという王道で、男性キャラの烏丸は、最初こそ妙に刺々しい言動が目立つのですが、実は結構熱いいい奴です。

この作品全体に言える事ですが、設定がネガティブであるにも関わらず、描写が暗くならないため、非常に明るいタッチの物語です。烏丸にしても、刺々しい言葉を吐きつつ、完全に主人公達を突き放す訳じゃないですし、アウトローを気取っている割りに、肝心なところで結構間が抜けていたりして、読者を疲れさせないキャラクターです。そういう意味で、プレイヤーにストレスを与えずに物語世界を味わわせてくれます。

その一方で、いじめ云々というテーマについては、必ずしもシナリオに上手く盛り込めているとは言い難いような気もします。主人公も最初こそ「他人は信じられない」と言ってますがみんなとすぐ仲良くなるし、女性キャラ2人は最初からフレンドリーですし、シナリオにいじめを感じさせるようなところがほとんどないですし。まあ、何度か私も書いているように、こういうのはあまり前面に出過ぎると今度は押し付けがましくなってしまうので、難しいところではありますけど、この作品の場合は設定も設定ですから、もう少し前に出しても良かったのではないでしょうか。

なんて思っていたら、ラストでいきなり物語は急展開を見せます。が、この展開もいじめは関係ないような(汗)。また、とある人物が後ろ盾になってあっさり解決してしまうというのも、ラストの展開としては少々緊迫感に欠けるような気もします。4人の少年少女の交流物語としてはとても楽しく読めるのですから、この辺りにもう一捻りが欲しかったところ。

なお、いかにも茜とひなたのどちらを選ぶか、というような選択肢が結構あるのですが、実はこの作品は1本道で茜エンドはありません(えええ)。ちょっともったいないような気もします。それと、これも謎なのですが、何故か担任の柏木先生だけフルボイスです。キャラにあった声でいいとは思うのですが、ヒロインではなくどうして担任の先生だけなんでしょう? 特別に思い入れがあるとか……。もう1つ、テキストウィンドウと文字の色が似ているので、ちょっと目が疲れるのと、ウィンドウがワイドなのにテキストウィンドウが透過ではない&真ん中がふくらんだ形状をしているので、ちょっと圧迫感があります。

ちなみに、物語後半に雪合戦大会があるのですが、ここの描写がやけに気合いが入っています。臨場感もたっぷりですしテンポもよく楽しめます。雪合戦に限らず、この手の学園日常ドラマとしては全体にテンポがよく、だれずに読めるというのは好印象な点ですね。

ツールは吉里吉里。プレイ時間は1時間半~2時間くらい。上にも書いたように、選択肢はありますが1本道です。ちょっと作り慣れていない感じは受けますが、極端に羽目を外し過ぎていない学園ものとして、「ミギヒダリ~輪の中の詩」辺りも思い起こさせる作品。読んだら雪合戦がやりたくなります?
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