第358回/名前それは燃える命 - ネームテイカー(がっかり亭) - コメディ
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第358回/名前それは燃える命 - ネームテイカー(がっかり亭)

コメディ
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ネームテイカー

ネームテイカー■制作者/がっかり亭(ダウンロード
■容量/6.50MB
オーバーゲイトと呼ばれる国の少女、ゼムギルガン。変な名前にコンプレックスを感じており、名前を変えるために都にまでやって来た。そこで彼女は、魔王を倒した勇者には名前変更が認められる事を知る。魔王と対峙するゼムギルガン。果たして彼女の名前の運命やいかに。

ここが○

  • マンガチックな演出が効いている。
  • 過激だけどちょっと可愛らしい主人公。
  • ちょっとしんみりしてしまうアナザーエンド。

ここが×

  • ちょっと終わり方があっさりし過ぎているような。
  • プロットにもう一捻りがあっても良かったかも。
  • 異様に怖い戦闘の時のゼムギルガン(笑)。

■名前それは燃える命

今回はさくっと読める短編作です。公開されてすぐにプレイしていたんですが、取り上げるのを忘れていました(汗)。「無理やり主人公」の作者さんの新作。前回も、コミカルな演出とキャラクター、描写で楽しませてくれましたが、あの一種破天荒なノリは、今作でも健在です。マンガチックな動きのある演出も、文体や全体の雰囲気にマッチしており、隠し味となって物語を下支えしていると思います。

さて今作は、かつて活躍した偉大な勇者(もちろん男)の名前をつけられてしまった、ゼムギルガンという少女が主人公。彼女は、自分の名前を変えるために、半ば家出同然に家を飛び出し、都にまでやって来る、という出だしです。途中、名前をネタにした笑えるギャグも挟みながら、物語はスピーディに展開していきます。このゼムギルガンが、以外と可愛らしいのがポイント高いです(笑)。絵柄は、線の太い独特の画風ですが、前作同様この作品に合っていて良いと思います。

ネームテイカーで、ものの15分程度でラストまで進んでしまいます。展開は非常にテンポが良いのですが、短編作にありがちな「はしょられた感」はなく、きちんと1本の物語として完成している作品であり、この辺りは作者さんの力を感じさせます。20ページくらいの読み切り短編マンガ、という感じです。

マンガ風の動きのある演出と言い、短編読み切りマンガみたいな展開バランスの良さと言い、作者さんはマンガを描かれている方なのかも知れません。ゲーム的な文章から入ってしまうと、前半がやたら退屈だったり、あるいは短編ならば「たんなる1場面の描写」で終わってしまう場合も少なくないんですが、15分の短編ながらテンポと物語のバランスを両立している辺りが、上手いです。

一方で、シナリオがあまりにも一直線なので、少し捻りが欲しかったような気がしなくもありません。例えば、主人公の出生と名前に関しての過去の描写もあるんですが、そこら辺りを絡めて中盤にもう一捻りを加えてみるとか。確かにテンポが良い展開と、小気味よい会話が織りなす、楽しい小品ではあるんですが、プロットはごくシンプルなので、あと一押しがあれば、読後の印象が更に強くなったのではないかなあ、と。

それにしても、後半の戦闘シーンもテンポが良く、というかどの戦いもゼムギルガンが一方的に押し切る展開なんですが、描写のテンポと演出がここでも生きていて、短さを感じさせない物語です。「長さを感じさせない物語」なら結構あるんですが、「短さを感じさせない」というのは、なかなかできる技ではありません。この作者さんの長編作品も是非読んでみたい気がします。修羅と化したゼムギルガンの顔が怖すぎますけど(笑)。

エンディングは2種類で、おちゃらけエンドとしんみりエンドという感じ。私は後者が好きですが、前者のコミカルな雰囲気の方が、この作品には合っているかも知れません。ラスト近くの選択肢で分岐するだけですので、攻略も難しくはありません。ただしツールがYuuki! Novelで、「選択肢が1つしかなくても、やっぱりYuukiは分岐作品向きではない」と改めて思わせられましたが(笑)。

ともあれ、15分程度で非日常を楽しめるテンポのいいファンタジー風コメディです。前作が気に入ったのなら間違いなく楽しめますし、そうでなくても誰が読んでも楽しめる事でしょう。気軽にプレイしてみてください。

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