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第359回/始動・オペレーション"OTOMODACHI" - OTOMODACHI(OBOROMEN)

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OTOMODACHI

OTOMODACHI準推薦
■制作者/OBOROMEN(ダウンロード
■容量/51.9MB

中学生だった主人公は、友達が出来ずに悩んでいた。そんなある日、ひょんな事からクラスメートの高原芽々子と仲良くなる。1年後。主人公と芽々子は何でも言い合える親友になっていたが、主人公は彼女に恋心を抱いている事に気付いた。果たして思いは通じるのか。定番だが心理描写で見せる恋愛ノベル。

ここが○

  • 主人公とヒロインの距離感の描き方。
  • ちゃんと自分からアクションを起こす主人公。
  • 後半からラストへの綺麗なまとまり方。

ここが×

  • 会話文が所々で暴走気味。
  • ヒロイン側の気持ちの描写がもう少しあれば。
  • 重い。不安定。システム面難あり。

■始動・オペレーション"OTOMODACHI"

フリーノベルゲームの世界だと、5年でもかなり昔に感じますが、この作品は初出が2004年。10年近く前です。そしてツールがあの「恋愛シミュレーションツクール2」。なのであらかじめ書いておきますが、システム面では最悪です。まず不安定ですし、読み返しやエフェクトのスキップもできませんし、そのエフェクトが非常に重いので、システムに由来する点では、読んでいてかなりストレスがたまります(私は、セーブしたのにロードしたら固まる、という不具合に遭遇)。

とは言え、10年前はまだまだこういうのが普通でした。その意味ではある意味ノスタルジックに浸れる作品でもあります。また、非常に難があるシステム周りに反して、物語が思いの外よく出来ているのです。最初、スタートできるまでがまた重く、人によると読み始める前に挫折する恐れもありますが、そこはこらえて読んでみる価値がある作品だと思います。

OTOMODACHI物語としては、「本当の気持ちに気付かない幼馴染み」ものです。複数ヒロインのマルチエンド恋愛ノベルだと、必ず1人はそういうルートがありますね。そう言えば私もそういう設定の物語を書いたような気がしますが、あまり気にしないでください(笑)。主人公の名前は任意。最初、中1の主人公が、転がってきたボールを拾ったところ、それを探しに来たヒロインと仲良くなるという出だしです。

この手の「素直になれない2人」系の作品ですと、終盤に至るまでお互いが何のアクションも起こさないか、あるいはヒロインがさりげなく自分の気持ちを示すのに、主人公がそれに気付かないかで、どちらにしても読んでいる方はいらいらさせられるのが常です。しかし今作の場合、主人公は中盤で自分の気持ちに気付きます。なので、ストレスを感じずに物語に没頭できます。

主人公が途中、ヒロインの芽々子をデートに誘うためにあれこれ作戦を考えるのですが、この作戦がやけに巧妙で笑ってしまいました。中学生で、そこまで段階を踏んで作戦を立てるか、みたいな(笑)。結果としてその作戦は見事にハマるんですが、この辺りがある意味一番の見所かも知れません。

さて、この作品では主人公は中盤でヒロインに「今好きな人がいる」と告白してしまいます。ある意味男らしいと言えば男らしいのですが、この辺はヒロインの葛藤みたいなものも見てみたかったところです。ショックを受けた風を見せるとか、主人公が好きな人ってもしかして自分かなと悩むとか、そういうところが描かれていれば面白かったのですが、この時のヒロインの反応が凄く淡白なので、主人公よりも読んでいる方が心配させられるという(笑)。

しかし、2人の男女が「友達」から「恋人」になる様子を描いた物語としては、かなりよく書けている部類に入ると思います。ラストも決まってますし、読後感も良好で、長編を読んだという満足感は非常に高いと思います。まあその分システム面の事でストレスがたまるのですが(汗)。テキスト表示が遅いので、思わずreturn (enter) を連打したりするんですが、そうすると選択肢が出た時に勝手に選択肢を選んで先へ進んでしまうという……。ま、そこらは気をつけてプレイしてください。

難点と言いますか、何分登場人物たちは中学生なので、一部の会話がちょっと暴走気味というか……。芽々子以外の友人は、キャラもちょっとぶっ飛んでますし、特にゲームセンターでのやり取りは、「何のこっちゃ」となる人もいるかもしれません。ま、高校生ならアレですが、中学生という事で広い心で受け止めましょう。なお、立ち絵や1枚絵はオリジナルです。恋ツク作品って、素材を使った作品がほとんどなのですが(立ち絵や1枚絵に手をかけるほどの人は、普通恋ツクなんて使わない)、この作品は立ち絵も1枚絵もオリジナルです。1枚絵はいい感じの絵が多いです。主人公刈り上げすぎ、とは思いますが(笑)。

プレイ時間は4~5時間。選択肢はありますが、多分一本道です(さすがにこのシステムの作品で、全選択肢を試す根性はなかった)。システム面でストレスがたまりますし、古い作品ですが、それだけで敬遠せずに読んでみてください。シナリオだけなら昨今の作品にも負けてないと思いますよ。
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