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第366回/俺が最後の不幸になろう - 神さまのいうとおり(bush clover)

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神さまのいうとおり

神さまのいうとおり準推薦
■制作者/bush clover(ダウンロード
■容量/54.6MB

高校生の柿崎慎吾は、同じクラスのアイドル的存在である柳瀬悠に秘かに想いを寄せていた。そんなある日、慎吾の目の前に自称「神さま」が現れる。彼女は「柳瀬悠と結ばれればお前は不幸になる」と言い、同じ学年の遠江可奈子が運命の相手だと言うが。慎吾の恋路はいかに。そして神さまの正体は?

ここが○

  • ヒロイン可奈子が非常に魅力的。
  • 可奈子との距離感の描き方が絶品。
  • 可奈子ルートの後半の緊張感がお見事。

ここが×

  • 可奈子に比べてイマイチ魅力に欠ける悠。
  • 構成にちょっと難あり。
  • すっきりしない読後感。

■俺が最後の不幸になろう

私も自作のノベルゲームを何本か公開していますが、この作品を読んでいてまるで自分の作品を読んでいるような気分になりました(笑)。どこら辺りが私の作品っぽいかは、読んでいればそのうち分かりますが、そもそも私の作品を読んだ事ある人があまりいないだろ、というツッコミはなしの方向でお願いします(汗)。「はるけきかなた」の作者さんの作品で、立ち絵もあの作品と同じ感じですね。

さてこの作品は、主人公の目の前にいきなり自称神さまが現れるという出だし。自称神さまではありますが、どう見てもただの女の子で、彼女と一緒に暮らす事になります。ボーイミーツガール同居型ですが、同居人は攻略対象ではないという事で、最近の作品では「りんごが見た夕焼け」「SOLAR POWER」辺りが近いでしょうか。ただ今作の場合、同居人が攻略対象じゃないだけでなく、主人公に明確に恋愛対象がいるという点で、それらとは結構プレイ感覚が違います。

神さまのいうとおりその恋愛対象たる悠に対して、神さまは「この女はお前を不幸にする」と言い放ち、同じ学年の別の女生徒を運命の相手として示します。その相手、遠江可奈子は無愛想極まりない茶道部のたった1人の部員。そんな可奈子に主人公は果敢にコミュニケーションをとらんと試みます。主人公、結構チャレンジャーです(笑)。チャレンジャーな割にかなり鈍感で、そこはまあフリーノベルゲームの主人公らしいと言えば言えます。友人で情報通の橘も、いい味を出していました。

この作品、実は複数ルートがあるんですが、ダントツで可奈子ルートがよく出来ています。可奈子ルートでは複数のエンドがあるんですが、バッドっぽいエンドも、グッドっぽいけど重いエンドも、ハッピーエンドもどれも素晴らしい出来映え。また、可奈子というキャラ自体が大変魅力的で、単なる「人嫌い」になっていないところが見事です。行動力はあるけど鈍感な慎吾とも非常に上手く噛み合っていました。

キャラが魅力的な上、慎吾との微妙な距離感の描き方が非常に絶妙で、特に後半とある選択肢で、大変な事になってしまってからの主人公の葛藤や、可奈子の悲痛な想いが、痛いくらいに心にしみます。あそこの描写は絶品でした(ただ、ここの展開は医学的考証がちょっとアレだったのが少し気になりましたが)。可奈子ルートを見た時点で、「推薦にしようか準推薦にしようか、どうしよう」とかなり迷ったほどですから。

が、魅力的すぎる可奈子に比べると、メインヒロインたる悠がどうにも(汗)。この作品は一度クリアして、もう一度最初からやると新しい選択肢が出て来て、そこから別のルートに入れるという作りで、都合3ルート(同一ルート内でも分岐あり)なのですが、先へ進めば進むにつれて可奈子がフェードアウトして行くんですよね。悠というキャラの描かれ方にも難があるため、可奈子が消えていくにつれ、物語としての魅力が薄れるという、少々残念な結果に(汗)。

しかも、後半のルートでは神さまの設定が何だか可奈子ルートの時とはずれているような……。ラストの綺麗さも「可奈子ルート>>>悠ルート>>>>>>神さまルート」という感じですし(しかも、見る順番は可奈子→悠→神さま以外ありえない)。なので、先へ行けば行くほど「なんかもやもやする」ようになるのです。神さまルートに至っては、可奈子は単なる「その他大勢」的な扱いですし。

そういう意味で、物語的にはとても良く出来ているんですが、ちょっと構成に難があると言わざるを得ません。可奈子ルートのままで、神さまの設定を綺麗に完結させて終わってくれれば、間違いなく推薦をつけていたと思います。可奈子ルートだけでは謎は解決しないんですが、可奈子ルート単体でも推薦に値すると思いました。

ツールは吉里吉里なんですが、既読スキップがまともに作動しません。この作品は絶対に複数回数読まないといけない作品なので、既読スキップがきちんと利かないというのはマイナスです。その他にはシステム面に問題はないのですが、セーブポイントがもうちょっと欲しかったような気がしなくも……。

とまあ色々書きましたが、可奈子ルート1つでも必読と言える作品です。プレイ時間はかなり長めで6~7時間。選択肢は随所にあり、ほとんどはエンディングに絡むのできちんとセーブしておきましょう(セーブ数少ないですけど)。準推薦ではありますが、「可奈子推薦」としておきます(笑)。
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