第392回/海はどこまでも伸びて、空へ - ほたるゆき -SnowSky Edition-(Milk cat) - 学園・青春
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第392回/海はどこまでも伸びて、空へ - ほたるゆき -SnowSky Edition-(Milk cat)

学園・青春
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ほたるゆき -SnowSky Edition-

ほたるゆき -SnowSky Edition-■制作者/Milk cat(ダウンロード
■ジャンル/不思議少女学園屋上ノベル
■プレイ時間/2時間半

高校生の高峰康汰は、ある日屋上で不思議な少女に出会った。その少女ほたるは、無表情で人を寄せ付けない独特の雰囲気を持っていた。彼女に出会った後、何故か康汰の身の回りで不思議な事が起こり始める。ほたるは一体何者なのか。そして康汰の過去とは? 凝った設定の学園ノベルゲーム。

ここが○

  • 主役から脇役までしっかり立っているキャラクター。
  • 学園でのイベントの描写もよく、飽きさせない。
  • 使いやすいシステム、豊富な一枚絵

ここが×

  • 要素が多すぎて焦点が定まっていない感。
  • 「ヒトナツの夢」の続きである意義が、さほどないかも。
  • なんだかすっきりしない終わり方。

■海はどこまでも伸びて、空へ

なんと「ヒトナツの夢」の作者さんによる新作(?)です。実に13年ぶり。カムバック賞ものです(?)。実はこの作品、有料で販売されていたものなんだそうですが、このほど一部要素を削った上でフリーで配布されたようです。この作品の存在はかなり以前から知っていましたが、そういう訳でこの度ようやくプレイできました。

この作品は、「ヒトナツの夢」から4年後のお話なんだそうで、舞台は前作と同じ学校。登場人物達の制服も共通。そして冒頭でいきなり前作の主人公、須貝俊樹が教育実習生として登場します。今回の主人公、康汰が屋上でほたると出会うシーンも、前作と似たような状況。屋上に手をかけて海を見ているのも、前作と共通で「あー、前もこうだったな」と、懐かしくなってしまいました。

ほたるゆき -SnowSky Edition-前作のヒロインである瑞菜に比べると、今回のほたるは取っ付きにくいキャラクターです。その分、ほたると段々仲良くなり、彼女が心を開いていく様子を楽しめます。作中で康汰とほたるは無事(?)付き合う事になるので、その辺りの描写も、にやにやしながら読めます(美羽がちょっと可哀想ですが)。

物語としては、何に分類したらいいんでしょう。下手に詳しい事を書くとネタバレになってしまうのですが、とにかく盛り込まれている要素が多いです。康汰とほたるとの意外な繋がりとか、ほたるの過去とか、その辺りが主眼です。特に康汰は過去に剣道をやっていたという設定なのですが、そこが上手くほたると繋がった時には、重い設定ではあるものの「はーなるほどねー」と感心しました。

そしてこの作品は結構登場人物が多いのですが、どのキャラクターも満遍なくよく描けています。普通友人キャラを複数出すと、立ってるだけの電柱みたいな扱いになってしまうキャラクターが一人は出てしまうものですが、この作品にはそんな事がありません。お調子者の洋一、クールな裕也、幼馴染の美羽、それに妹の由佳が上手い具合に絡んで、中盤までの日常シーンを飽きさせずに読ませてくれます。

キャラクターが良く出来ている上、イベントもテンポ良く適度に起こるので、この手のカレンダー消化型学園ノベルでありがちな、ラスト近くまで日常がだらだら続いて退屈になるという事もありません。この辺りの作者さんの描写力、キャラクターの動かし方はさすがだなと感じさせられました。中盤でのバスケットボールの試合と、そこで絡んでくる長髪&金髪辺りとか、地震イベントなど、見どころもたくさんです。

ただキャラで言えば、唯一と言いますか、前作の主人公である俊樹があまり生きていないような気がしました。「屋上」とか「猫」など、「ヒトナツの夢」と共通するキーワードもあるんですが、前作の4年後である意味が、ちょっと希薄に感じたんですよね。まあ、これ単体でもよく出来た話ですから、あまりそこは気にしなくてもいいのかも知れませんが。

それと、ちょっと要素を盛り込み過ぎて、中盤以降は少し置いていかれ気味になるところがあります。ほたると関わった人が不幸になるという設定も、特に理由の説明があったりはしない上、いつの間にか解決しているため、いまいち釈然としないものを感じました。またラストも全てが綺麗に解決して終わる訳ではない上、ラストに繋がる、ほたるのとある重要な設定が途中でいきなり出てくるので、「え、そういう終わり方しちゃうの?」という唐突感が。もうちょっと要素を絞り込んで、ラストで全部解決するように描いた方が、気持ち良く終われたような気がしました。

システムは相変わらずというか、大変よくできています。また一枚絵の数も非常に多く、目でも楽しめるでしょう。ほぼ全キャラフルボイスで、バックログ画面ではなく、通常画面で声の聞き返し機能もあります(残念ながら、金髪&長髪には声がありません(笑))。この辺りのシステム面での隙のなさ、使いやすさが素晴らしく、ストレスなくプレイできました。ムービーやエンディングの歌も豪華です。

ツールはNScripterで、プレイ時間は2〜3時間(声を残らず聞けばもっとかかるかも)。選択肢はありません。正統派の感動系学園ノベル、ちょっと切ない終わり方の恋愛もの、年下のツンデレ系ヒロインがお好きな方なら、ストライクゾーンに来る作品だと思います。個性豊かでありながらもしつこくないキャラクター達が織りなすドラマを、どうぞ楽しんでください。
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Comments 2

-  

DLリンクが間違っているようです

2018/11/28 (Wed) 02:07 | EDIT | REPLY |   
NaGISA  
>>名無しの方

早速修正いたしました。ご指摘ありがとうございました。

2018/11/28 (Wed) 07:11 | EDIT | REPLY |   

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