第407回/ここは人呼んで死人島 - MINDCIRCUS(Refrigerator) - ミステリー・サスペンス
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第407回/ここは人呼んで死人島 - MINDCIRCUS(Refrigerator)

ミステリー・サスペンス
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MINDCIRCUS

MINDCIRCUS推薦
■制作者/Refrigerator(ダウンロード
■ジャンル/そして誰もいなくなるサスペンスADV
■プレイ時間/4時間

院府は、留年確実な落ちこぼれ医大生。ストレスを酒でしか発散できない日々だったが、ある日クレジット会社の抽選で、南国の孤島への旅行が当選した。気分転換にその島に向かった彼だが、その島で連続殺人事件に巻き込まれてしまう。犯人も分からないまま、1人、また1人と客が消えていく難事件を、無事解決できるのか。

ここが○

  • 物語の作りが凄くて、絶句した。
  • レトロ風ながら非常によく書き込まれたグラフィックス。
  • 狂気と正気の間を行き来する様子が、怖いくらいよく描けている。

ここが×

  • キャラの名前がわかりにくすぎる。
  • システムなど、プレイしやすいとは言い難い。
  • グロが苦手な人は、要注意。

■ここは人呼んで死人島

久々に「推薦」作の登場です。初めに書きますが、この作品の作風は、私の好みではありません。私はもっと明るくてほのぼのとした物語を好みます。が、私の好みから外れていてもなお、この作品の凄さは推薦に値します。推理風(あくまで「推理風」であって推理ゲームではない)サスペンスドラマ「MINDCIRCUS」です。ノベルゲームではなく、これはアドベンチャーゲームです。

舞台は南国の孤島。そこで起こる殺人事件。作中でも言及がありますが、ちょっと本を読む人ならすぐにクリスティの「そして誰もいなくなった」を思い出すでしょう。事実、あの物語を彷彿とさせる展開で、次々と宿泊客が死んでいきます。動機も謎なら、犯人の手がかりも何もなし。更に現地の警察はやる気なし。この追い詰められた状況で、主人公である医大生院府は少しずつ謎に挑みます。

MINDCIRCUSまず、独特のグラフィックスが目をひきます。ドット絵風というか、PC-9801辺りのアドベンチャーゲーム風。タイリングペイントで仕上げられたグラデーションなど、懐かしさのあまり感動しました。ウィンドウ自体も、昔のMacintoshを思い起こさせます。このグラフィックスが、雰囲気にぴったり合っています。

主人公の院府は、アルコール依存症一歩手前(依存症そのもの?)で、考え方も劣等感の塊で、正直に言って感情移入して読む事は難しいです。しかしその正気と狂気の間を行ったり来たりする描写が上手く、場面によっては背筋が寒くなる事も。TRUE END 1なんて最後まで読まずにウィンドウを閉じようと思ったほどです(汗)。そういう狂気、サイコサスペンスがお好きな方ならたまらないでしょう。

そして後半に至って、徐々にこの島の秘密、事件の全貌が見え始めてきます。この辺りに来ると、「そういう事だったの? いやいやまさか、じゃあどんなオチをつけるんだ」と心底不安になってきます。自分自身があの島に迷い込んでしまったかのような感覚すら覚えます。読み手をこういう感覚にさせる物語を書くとは、この作者さんの頭は一体どうなっているのでしょう(褒め言葉です)。

その勢いのままTRUE END 1とTRUE END 2を見て、ぐったりと疲れてしまったのですが(TRUE END 2は色々解釈できるとは思いますが)、TRUE END 3の綺麗さで、やっと全てが報われた気分になり、爽やかに物語を読み終えられました。私はやはり、登場人物にはちゃんと幸せになって欲しいと思う方なので、綺麗なエンディングがついて本当に良かったと思います。

ただ、キャラクターは皆魅力的なのですが、誰も彼もあまりにも名前が分かりにくくて、会話の中で他のキャラの名前が出ても、最後の最後まで「えっと、これ誰の事だっけ?」状態。キャラの名前はジョークらしいのですが、流石にちょっとこれは読みにくく分かりにく過ぎて、尖ったキャラ設定以上にキャラクターへの感情移入を妨げているように思いました。普通の名前で良かったのでは……。

それとシステムが不親切というか、まあ昔懐かしい探索型&画面クリック型なのですが、これが後半にはちょっと煩わしい。探索シーンはFLASHの脱出ゲームでもやっている気分になりますし、セーブも会話画面になると出来なくなったり、文章読み返しをすると何故か数ページ前の文章が表示されたりと、快適とは言い難い感じです。それでも、実際PC-9801時代のアドベンチャーゲームは、こんなものではなかったような気もするので、これはこれでいい気もします(笑)。

あと、グロ描写はかなりえぐいので、そういうのが苦手な人はご注意ください。一応そういうシーンでは絵は出ないようになっていますが、文章だけでもかなり「来て」ます。この作者さん、文章力があるだけに、こういうシーンで読み手に与えるダメージも半端ではありません(汗)。

ツールはツクールMVです。プレイ時間は、作者さんは1〜2時間と書かれていますが、そんな時間で読み終える事は多分不可能です。4〜5時間くらいかかるでしょう。BAD ENDが6つ、TRUE ENDが3つです。BAD ENDは本当にバッドで、TRUE ENDも最初の2つは鬱になってしまいそうな終わり方なんですが(TRUEであって、GOOD ENDじゃないし)、TRUE 3の終わり方のためにこの作品があると言っても、過言ではないでしょう。少しプレイし辛いところはあるのですが、是非TRUE 3目指して頑張って事件を解明してみてください。
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