第411回/走れ、銀河駆ける勇気 - 銀河特捜ライジン(セイナルボンジン) - アクション・ドラマ
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第411回/走れ、銀河駆ける勇気 - 銀河特捜ライジン(セイナルボンジン)

アクション・ドラマ
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銀河特捜ライジン

銀河特捜ライジン推薦
■制作者/セイナルボンジン(ダウンロード
■ジャンル/戦う宇宙刑事ノベル
■プレイ時間/1時間15分

真明寺轟は、銀河連邦警察の捜査官。父の遺志をついで銀河特捜ライジンとして、宇宙の犯罪者と日夜戦っている。そんな彼はある日、異星人の少女パルティアと出会った。そして現れる強大な敵。アシスタントロボットのアリエルを従えて、ライジンは敵に立ち向かう。王道展開とバトルシーンが熱い、特撮映画風アクションノベル。

ここが○

  • 相変わらず大量の1枚絵が凄い。
  • 戦闘場面の迫力。
  • 王道ながらぐんぐん盛り上がる物語。

ここが×

  • 地の文がないのも変わらないので、人によっては物足りなさを感じるかも。
  • ラストにもう少し余韻があれば。
  • ベタと言えばベタな展開。

■走れ、銀河駆ける勇気

前回紹介した「太陽がまた輝く時」の作者さんの作品です。この作品も、大量の1枚絵による映画のような雰囲気は健在ですが、前回よりもアクションシーンは5割増し(当人比)です。それもそのはず、今回は昭和の特撮ヒーローものを模したつくりのSFアクションドラマなのです。前作も良かったですが、この作者さんの作風に特撮ドラマはベストマッチですね。

特撮風といいますと、最近取り上げた「ごちゃまぜヒーロー」もそうでした。あちらはちょっとコメディ寄り、それでいてシリアスなところも見せてくれる物語ですが、こちらは基本的にはシリアスです(ちょっと笑えるシーンもありますが)。「ごちゃまぜヒーロー」は、ウルトラマン(風)、仮面ライダー(風)、戦隊もの(風)の3つでしたが、こちらは「宇宙刑事ギャバン」のような、メタルヒーロー風です。

銀河特捜ライジン主人公のライジンは、デザインや必殺技もかっこいいですが、なんとメインテーマ(主題歌)まで存在します。歌は入っていないのですが、クリア後にはおまけで歌詞を見ることもでき、これがなかなか燃える歌詞。細部に到るまで隙がない作りです。カラオケバージョンも聞けるので、是非覚えて歌ってみましょう(笑)。

物語は、ある意味特撮ヒーローものの王道的な作りです。が、こういう物語を読むと、丁寧に作られた王道ストーリーは、仕掛けやトリックに捻りのある新しい物語にも全然遜色がないという事が分かります(好みの問題は置くとして)。物語の完成度って、結局は王道とか新しさは関係なく、いかに手をかけて作り込んだか、なんですよね。

物語を彩るキャラクターもよくできています。パルティアとヤシュトの兄妹や、上司であるコメット長官というサブキャラもしっかり作り込まれていますし、相棒のアンドロイドアリエルが可愛らしいです。全体にレトロな風味の作品ですが、アリエルの仕草や表情は少し今風なところもあります。こういう現代的なところも上手く織り込んで、物語にアクセントをつけているのがうまいですね。

また、大量の1枚絵による映画的演出は、前作より今作に合っている気がします。カット割りや構図のとり方が、漫画やアニメではなく、まさに映画を思わせてくれるのです。ノベルゲームの1枚絵って、その絵単体だけで見せるのを前提に描かれている気がしますが、この作品の場合は、「流れ」「動き」を形作るために描かれているように思います。作者さんが、よほど映画的演出を研究したのでしょう。

そして、いわゆる「地の文」が存在しないのも同じです。前作と比べるとよりアクション方面に振った話だけに、絵だけで心情を表すという点においては、前作の方が上回っているかもしれません。少し地の文を挿入してみてもいいのではないかと感じました。が、この作風こそがこの作者さんの味ですから、これからもこの作り方にこだわって欲しい、と思うのもまた事実です。

前作はちょっと悲しい終わり方でしたが、この作品は割と綺麗なハッピーエンドです。いい終わり方ではあるんですが、少し余韻に乏しい気がします。ラストにもう一つ引っ張りがあってもいいように思いましたが、あそこからあれこれごたごた語るよりは、あれくらいすっと終わる方が、作品の世界観には合っているのかも知れません。読後感は良好です。

それと、前作も今作もウィンドウサイズは640x400。小さいようにも思いますが、実はノベルゲームにはこのくらいのサイズが一番合っているような気もします。画面を目で追いやすく、文章がとても読みやすいんですよね。最近、ワイドで巨大な画面のノベルゲームが多いのですが、こういう作品をプレイすると、やはりノベルゲームにはこれくらいの画面が向いている気がします。

ツールはNScripterです。プレイ時間は1時間少々でしょう。選択肢のない一本道です。物語としての完成度もさることながら、作者さんの溢れる「特撮愛」が、全編からひしひしと伝わってくる作品です。特撮の知識がなくても、もちろん問題なく楽しめますから、是非プレイしてみてください。
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