第417回/夢を映したスクリーン - Movie_club(BBBB) - 学園・青春
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第417回/夢を映したスクリーン - Movie_club(BBBB)

学園・青春
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Movie_club

Movie_club■制作者/BBBB(ダウンロード
■ジャンル/映画制作青春ノベル
■プレイ時間/2時間半

かつて映画監督になるという夢を持っていた望月仁志は、夢を諦め入学した大学の映画研究部の自主制作映画を見て感動し、諦めていた夢を再び思い出した。映画研究部に入部した仁志は、そこで出会う個性豊かな仲間たちや先輩と、映画制作に打ち込み始める。マルチヒロイン攻略型、青春恋愛ノベル。

ここが○

  • 個性豊かなキャラクター達。
  • 全てのキャラクターに必ず見せ場がある。
  • 序盤から満遍なくイベントが起こり、飽きさせない作り。

ここが×

  • ルートによってはえらくあっさり終わったりして、作りにむらがある。
  • 一部駆け足気味過ぎる展開と文章。
  • ちょっとキャラクターが多すぎるような気もする。

■夢を映したスクリーン

久々に、ふりーむの新着作品を自分で探してプレイしてみました。最近はふりーむで公開されるノベルゲームも多いのですが、5分とか10分という作品も多く、それなりにプレイ時間の長い作品というのは、意外と少ないですね。まあ、作るのに手間がかかりますから、当然かも知れませんが。

この作品の舞台は、大学の映画研究部です。この手の物語だと、ほとんど高校が舞台になる事が多いですから、ちょっと新鮮です。夢を一度は諦めていた主人公が、大学の映画研究部で再び夢を追いかけ始めるというような、そういうストーリー。この手の夢を諦めた主人公って、妙に厭世的で取っ付きにくい事も多いのですが、この作品の主人公望月仁志はそういう捻くれたところがなく、素直に読者を物語に入り込ませてくれます。

Movie_clubそしてこの作品、えらく登場人物が多いです。映画研究部の仲間だけで男性4人、女性4人(それに主人公を合わせて、部のメンバーは合計9人です)。加えて様々なサブキャラも登場します。重要な役どころがあるサブキャラも多いのですが、サブキャラには立ち絵がないのが、ちょっと残念です。

メインだけでこれだけ多くのキャラクターが登場すると、数人は埋没してしまうようなキャラクターが出るものですが、この作品にはそういう事がありませんでした。実は、4人のヒロインのシナリオで、男性キャラにも1名スポットが当たるのです。なので、ヒロイン4人と男性キャラ4人が、4つのシナリオでそれぞれ重点的に取り上げられる訳で、このためどのキャラクターもしっかり見せ場が用意されているのが、とても上手いですね。

ただ、シナリオによっては、終わり方がえらくあっさりしているものもあり(宇野あいルートと江頭ゆずルートで、それが顕著)、ちょっとルートによってむらがあるのが気になりました。逆に、石井ももこルートと久瀬涼ルートはなかなかよくできています。

特に、ももこルートは、意外なキャラまで絡んでくる上、映研のメンバー同士の秘密なども絡み、さらに映画のラストシーンの演出は、非常に上手かったですね。学生映画だからこそできたとも言えますが、映画のラストにあんなサプライズがあったら、驚いてしまうでしょう。このももこルートは、オチの付け方も上手く、4本のシナリオでは一番よくできています。

涼ルートは、ラスト近くの映研のOB&OGとの「対決」が、なんだか有耶無耶になったのが少々気になったのと、涼の「泥を塗った」という思い込みにもうちょっと説得力が欲しい気がしましたが(今のままだと、涼の自意識過剰にも見えてしまうところがあるので)、展開自体はよく出来ており、映画のラストシーンや、エンディングでの工夫も効いていました。

あいルートとゆずルートは、何だか後半、映画があまり関係ない話になっている感じがして、しかも突然終わってしまうので、ちょっと消化不良感が残ります。特にゆずルートは、ゆず自身の夢にも焦点を当てつつ、もうちょっと先まで描いて、上手く映画を絡ませられる事もできたと思うんですが。またあいルートでは、鍵となるキャラクターが途中でいきなり登場して面食らいます(しかも立ち絵がない)。

それと、全体的にちょっと展開が急ぎ気味という感じがしました。展開だけでなく、文章もちょっと切り詰めすぎな印象。それはそれで、ストレスなく読み進める事ができますので、美点であるとも言えますが、登場キャラクターが非常に多い事もあり、特に恋愛要素については、消化しきれないままクライマックスを迎えてしまったという印象もあります。あいルートとゆずルートでは、それが顕著で、唐突に恋仲になっている感じがするんですよね。キャラの多さで、サークル活動の賑やかさを出す事には成功していますが、キャラが増えればそれだけ1人1人と関わる密度は薄くなる訳で、恋愛ものとしてはここがちょっと弱いように思います。

しかし、個性豊かなキャラクターが色々なイベントで生き生きと描かれており、キャラクタードラマとしても楽しめますし、青春物語としても、プレイ時間以上のボリュームを感じられる作品だと思います。ツールはティラノスクリプトで、プレイ時間は全ルートのエンディングを見て2時間半くらい。ルート分岐はわかりやすいので、迷う事もないでしょう。賑やかな青春恋愛物語をお探しの方にお勧めします。
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Comments 2

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2018/06/20 (Wed) 08:29 | EDIT | REPLY |   
NaGISA  
>>内緒コメントの方

コメントいただきありがとうございます。わざわざこんなところへお越しいただき、恐縮です。

多数のキャラクターが、無理なく活躍していて、楽しいひと時を過ごす事が出来ました。これからも創作活動、頑張ってください。

新しい作品を作られましたら、もちろんプレイさせていただきます。その日が来るのを、楽しみにしています。

2018/06/20 (Wed) 21:02 | EDIT | REPLY |   

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