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第424回/目くるめく極端ツインズ - おるばり! ある極端な双子の場合(Enharmonic☆Lied)

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おるばり! ある極端な双子の場合

おるばり! ある極端な双子の場合準推薦
■制作者/Enharmonic☆Lied(ダウンロード
■ジャンル/大学生活恋愛ノベル
■プレイ時間/4時間

山本庵は七重坂学園大学の2年生。大学祭で、ビジュアル系バンドのボーカルを務めた彼は、今日も友人の中田や沼沢と他愛のない会話で盛り上がっていたが、そんな庵には気になる女性がいた。個性的なサブキャラ達と大学生活を楽しみつつ、2人の女性を攻略する、正統派マルチヒロイン恋愛ノベル。

ここが○

  • サブキャラクターが個性的で魅力がある。
  • ボリューム十分な2本のシナリオ。
  • 後半の盛り上がりと綺麗なラスト。

ここが×

  • オルゴールがあまり活躍していないような。
  • 静香ルートは前半が少し冗長かも。
  • ゆかりの扱いがちょっと可愛そう。

■目くるめく極端ツインズ

最近、なかなかプレイ時間をとる事も難しいので、長編はプレイしにくいのですが、今回はボリュームのあるマルチシナリオの恋愛ノベルです。正統派の学園恋愛ノベルって、以前に比べると随分見なくなりましたね。「えんどれす・ばれんたいん」の作者さんによる作品です。双子ヒロインという事で、「Twin Love」を思い出しました。いわゆる「カレンダー消化型」。スタンダードなタイプです。

「えんどれす」は、キャラクターの面白いやり取りが特徴の作品でしたが、この作品でも個性的なキャラクターの軽妙なやりとりは健在です。いわゆる「地の文」がほとんど存在しないため、実にすらすらと読み進められます。ドット絵風の立ち絵やインターフェイス、曲など、全般にレトロな雰囲気ですが、その雰囲気が作風によく合っていると覆います。

おるばり! ある極端な双子の場合そしてこの作品は、サブキャラクターがとても魅力的です。カズナリやコウセイといった友人達に始まり、ゆかりや凛、奈那のような女性キャラクター、それにスミス先生や光輝という脇役キャラまで個性的で、やり取りが楽しいですね。この手の個性的なキャラが揃った作品だと、余りにもキャラのやり取りに比重を置きすぎると、キャラのやり取りで進行が淀んで疲れる事もあるんですが、この作品の場合、その辺りは適度に抑えが効いていたと思います。

ヒロインは2人。オカルトやホラーが大好きで、とにかく不運な静香と、陸上部所属で凄い強運の持ち主である莢香。この二人は双子の姉妹です。割と序盤の選択肢で、非常に分かりやすく分岐しますから、攻略は全く難しくありません。シナリオによって、主に絡んでくるキャラクターも全然変わってくるのが面白いです。

静香ルートは、カズナリが部長を務める「二次元研究会」(ニジケン)が、主な舞台です。こちらのルートは明確な目標があまり見えないため(一応、小説を完成させるという目標があるにはありますが)、後半までは少し冗長な感があります。そして莢香ルートは、彼女が所属する陸上部の活動がメインです。こちらは、ライバルと最後の大会で競い合うという目標があるため、中盤がだれずに読めます。スミス先生がいいキャラです。

展開としては、王道な感じでそこまで捻っていたり、驚くような伏線があったりする訳ではありません。が、イベントを1つ1つ積み重ねて、だんだん後半へ向けて盛り上げていく手法は丁寧です。安心感がありますし、こういう正統派な方法で盛り上がる物語を作るのは、ある意味斬新な展開で驚かせるよりも難しいものです。

「えんどれす」の時もそうでしたが、展開というよりも、キャラクターとの関係をこつこつと積み上げて行き、後半は積み上げてきたキャラ同士の関係を生かしたイベントを描写して、そこで見せる物語です。ただ何となくキャラクターとの会話を描写しているだけでは、こうは行かないと思います。センスを感じさせる作りです。

ただ、舞台が大学なんですが、あまり大学らしくないような気もします(高校っぽい感じ)。それと、タイトルにもなっている「恋愛成就のオルゴール」が、あまり活躍していないような(特に莢香ルート)。せっかくの小道具ですし、これについては前半から伏線でも張って、もう少し活躍させても良かった気がします。

それと、ゆかりの扱いがちょっと可哀想と言いますか……。静香ルートでは前半は完全に消えていて、後半になっていきなり登場しますし、莢香ルートでは完全に悪者になってしまっています。全般に、サブキャラの扱いがとても上手いこの作品ですが、彼女に関してはもう少し上手く使って欲しかった感じ。続編で、ゆかりルートがある作品もあるようなので、ゆかりに関してはそこで本領発揮という事なのでしょうか。

それでも、些細な脇キャラにまできちんと立ち絵がついており、その脇キャラがしっかりと生かされているのは流石です。ツールはNScripter。プレイ時間は、静香ルートが2時間半、莢香ルートが2時間弱というところだと思います。同じ登場人物でヒロインが異なる続編もあるようです。キャラクターのやり取りを楽しみながら読める、正統派の学園恋愛ノベル。直球だけでなく、意外と変化球なところもあります。楽しんでください。
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