第438回/超展開ジェットコースター - Remembers-果てなき記憶の輪舞-(Unreality) - 不思議系
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第438回/超展開ジェットコースター - Remembers-果てなき記憶の輪舞-(Unreality)

不思議系
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Remembers-果てなき記憶の輪舞-

Remembers-果てなき記憶の輪舞-準推薦
■制作者/Unrealiry(ダウンロード
■ジャンル/ビデオカメラセカイ系ノベル
■プレイ時間/1時間

同人ゲーム制作サークル「リメンバーズ」の仲間たちは、日々楽しく学園生活を送っていた。ある日リーダーの木田は、思い出を録画しておくためのビデオカメラを持ってくる。このビデオカメラにはある秘密が。遊園地、肝試し、そしてある日出会う不思議な少女と、とんでもない事件。二重三重の超展開に度肝を抜かれる学園物語。

ここが○

  • ぶっ飛んだキャラクターの楽しいやり取り。
  • 後半の恐るべき超展開。
  • その超展開で、前半の疑問がきちんと解決される。

ここが×

  • 全キャラ下ネタ連発なので、好みは分かれるかも(笑えるけど)。
  • 超展開過ぎて、付いてこれない人がいるかも。
  • 会話文のキャラ名表示がちょっと見にくい。

■超展開ジェットコースター

フリーの作品だと、たまにとんでもなくぶっ飛んだ展開をする作品に出会えたりします。それがまたフリーの面白さでもありますが、この作品の超展開ぶりは、私がプレイした作品の中でも群を抜いています。「永遠の紡ぎ」の作者さんの作品ですが、あちらが最新作だったのに対し、こちらは作者さんの処女作らしいです。

処女作ゆえ、作り慣れていないようなところも散見されますが、反面パワーに溢れています。もう、会話文の1つ1つから、創作に対する意欲が全開です。この会話文、しょっぱなから全キャラクター下ネタ連発です。というか全キャラ変態です(笑)。合う合わないはあると思いますが、私は笑ってしまいました。もう女性キャラが「ぱおーん」と口にするだけで笑えます(笑)。

Remembers-果てなき記憶の輪舞-物語は、冒頭から謎めいています。同人ゲーム制作サークル「リメンバーズ」のリーダーである木田の独白から始まるのですが、登場する謎のビデオカメラ、そして何故か描写が二人分。これは一体、と思っていたら、しばらくはリメンバーズの他愛のない日常描写が続きます。

この日常描写の中にも、ちょっとした伏線が張られています。そして中盤以降、とんでもない展開に。セカイ系とでも言えばいいんでしょうか。フリーのノベルゲームでもそれなりに見るタイプの展開ではあるのですが、この作品の場合は、そこに盛り込まれたアイディアが1つや2つではありません。もう、考えうる要素を全部盛り込んでみました、という感じです。

ループする世界の秘密に始まって、謎の少女紫乃や、吉行の秘密、主人公とビデオカメラの秘密、そしてこの世界の張本人などなど……。これらの秘密が混ざり合って、二重三重の超展開を生んでいて、後半は読んでいて何度も「えっ!?」と驚かされました。超展開で驚かせて、更にその後明かされる事実でも驚かせます。

超展開ではあるのですが、作中で疑問に思った事や、提示した伏線は、きちんと残らず解決しているので、「なんだかよく分からん」とストレスがたまる事はありませんでした。また、この超展開に全キャラがきちんと絡んできます。なので、どのキャラクターも非常に魅力的に描かれていました。キャラクターに魅力を持たせるのって、キャラクター自身の性格作りも大事ではあるのですが、それ以上に「作品において、そのキャラクターに重要な役割を担わせる」というのがとても大事なのだなと、改めて感じました。

ただ、あまりに超展開を盛り込み過ぎて、しかも長編ではなく短編と言ってもいいくらいの長さなので、一部説明しきれていないところもあります。紫乃の事や主人公(木田じゃない方)、吉行の秘密については、いきなり彼らはそういうものだ、という説明が来るため、「そ、そうなんですか!?」という状態に。ここに、もう一つフォローがあっても良かったような気がしました。

なので、前半からもう少し丁寧に伏線を張ってもいいのかな、と思いましたが、これだけ後半に超展開がありますから、それを全部前半から伏線を張っていると、テンポを損なってしまい、説明的で冗長になりかねません。そう考えると、後半の展開が少々いきなり気味でも、超展開の連続で押し切る今のままが、意外とこの作品にはしっくり来ているのかもしれませんね。

文章は、いわゆる地の文が少ない、会話文主体で進むタイプです。ただ、文章自体は読みやすいのですが、キャラ名の文字サイズがちょっと小さく、おまけに文字色が少し暗めで読みにくいところがありました。まあ、慣れれば色の違いで判別できますが(黄色が千代、紫が紫乃、とか)。それ以外には特にプレイしにくいところはなく、快適に読めると思います。絵はさほど上手とは言えませんが、キャラの雰囲気に合っている上、描き分けがしっかりできていて、頻繁に変わる表情も魅力的です。

ツールはLive Makerです。選択肢はなく、プレイ時間は1時間弱だと思います。短編と言ってもいい長さの作品ですが、その中にふんだんに仕掛けが盛り込まれているため、意外な展開で驚かされる物語がお好きなら、きっと楽しめるでしょう。登場キャラクターもみんな面白いので、やり取りだけでも楽しめると思います。下ネタを受け付けない人にはごめんなさいですが、まあ「ぱおーん」という事で(笑)。
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