第445回/今年の夏は不思議な夏ね - ななしのおろち 夏(BLUE AZAREA) - ホラー
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第445回/今年の夏は不思議な夏ね - ななしのおろち 夏(BLUE AZAREA)

ホラー
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ななしのおろち 夏

ななしのおろち 夏■制作者/BLUE AZAREA(ダウンロード
■ジャンル/中学生とお化け交流ホラーノベル
■プレイ時間/3時間

黄海陽鞠は、気弱で友達がいない中学2年生。密かに憧れていた同級生と友達になりたいと願っていたが、声をかける事も叶わずにいた。そんな彼女の心の隙間に忍び寄る、恐ろしい影。またもや赤月倫と十三階段が立ち上がる。多彩なキャラクターでテンポよく楽しめる、1話完結式コメディホラーノベルの第2弾。

ここが○

  • 相変わらず個性的で良く描かれているキャラクター。
  • 予想できない方向へ転がる物語。
  • 意外なアイテムを活用するなど、寝られた展開。

ここが×

  • やはり男性キャラは欲しい気がする。
  • 第3話は、敵があまりにも強すぎ、決着の付き方が少しあっけない。
  • ホラー以外にも、結構グロテスクな描写もあるので、注意。

■今年の夏は不思議な夏ね

以前レビューした、1話完結型コメディホラーノベル「ななしのおろち 春」の続編です。前作は、良く作り込まれた展開と楽しいキャラクター、適度なプレイ時間と、1話完結というプレイしやすい方法で、とても楽しいノベルでした。今作も全く同じ作りです。

登場人物も前作と共通ですが、今作は新キャラも出て来ます。第3話からは、黄海陽鞠というキャラが登場。第3話は彼女がトラブルに巻き込まれる話で、第4話では陽鞠がメインで活躍します。第1話は倫、第2話は重深歌と、スポットが当たるキャラが毎回違いますが、その方式を踏襲しています。もちろん、十三階段も再登場。彼女は相変わらずいいキャラしています。

ななしのおろち 夏第3話は、その新キャラ陽鞠がとんでもないトラブルに巻き込まれ、十三階段と倫が奮闘します。前作は、ホラーというほどには怖くなかったのですが、今回はホラー要素も五割増し(当人比)で、音と映像の両方から結構怖がらせてくれます。特に、第3話の敵キャラは、めちゃくちゃに強い上、性格が「イッちゃって」るので、狂気を感じさせるような描写も随所にあります。

この第3話、「春」「夏」を合わせて収められている4話の中では、一番長い話です。長い分、話が意外な方向に次々転がる上、何せこのお話の敵は非常に強いため、緊迫感を持って読めます。また、この強力な敵に対して、倫と十三階段が必死に立ち向かう様子も、わくわくしながら読めるでしょう。

ただ、この敵があまりに強すぎて、常識では全く歯が立たないため、一体どうやってこんな奴に勝てるのかと思っていたら、決着の付き方がちょっとあっけなかったように思いました。もちろん、その状況に持って行くまでには様々な苦労があり、読み応えもありますが、最後が人任せっぽく感じてしまって、少し拍子抜けしました。

それでも、一番最後のとある重要アイテムの使い方には、「なるほど、そういう使い方をするのか」と感心させられました。前作もそうでしたが、この作品はこういう細かいアイテムとか状況を、後で上手く活用するというのが、とても巧妙に使われています。非常に工夫して練り込まれた物語である事がよく分かりますし、テンポも非常に良く、だれるところがないのも前作と変わらない美点です。

そして、第3話を踏まえての第4話。第3話に引き続いて陽鞠がお話の中心ですが、今回はトラブルに巻き込まれるというよりも、彼女がメインで謎のお化けに立ち向かいます。4話から登場のキャラクター翠も、今までの毛色の違うキャラクターで面白いです。

また、十三階段は第4話でも美味しい役どころです。この物語は、もしかしなくても彼女が主役なのではないでしょうか(笑)。この第4話は、陽鞠と十三階段、それに翠が知恵を絞って、強い敵を打ち破る様子を存分に楽しむ事ができます。やはりこの「強大な敵に、何とか立ち向かって最後勝利」というのが、このシリーズの醍醐味ですね。

今回も、ほとんど男性キャラが登場しないので、そこはバランスの悪さを感じました。一人男性キャラがいると、だいぶ色々な事が出来そうにも思うのですが。なので、第4話のラストでほとんど唯一と言っていい男性キャラが登場した時は、ちょっとほっとしました(笑)。それと今回、ホラー以外でも少々グロテスクな描写があります。苦手な方はご注意ください。まあ、ホラー作品を読むくらいの方なら、大丈夫な範囲とは思いますが。

ツールはLive Makerで、分岐のない一本道の物語です。プレイ時間ですが、第3話が1時間半、第4話が1時間15分、それにおまけが10分で、全部読んで3時間弱というところだと思います。前作をプレイしていなくても読む事はできますが、前作をプレイしておいた方が絶対に楽しめますので、この作品からプレイというのはお勧めしません。逆に、前作を楽しんだ方なら絶対に楽しめると思いますので、是非プレイしてみてください。
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