第466回/戦う調味料西東 - ミトコンドリアにかんずりを(八久斗) - 探索・謎解き
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第466回/戦う調味料西東 - ミトコンドリアにかんずりを(八久斗)

探索・謎解き
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ミトコンドリアにかんずりを

ミトコンドリアにかんずりを■制作者/八久斗(ダウンロード
■ジャンル/調味料バトルノベル
■プレイ時間/1時間

高校教師の名越瑞樹は九州発祥の柚子胡椒を、そして小学生の瀬川美琴は新潟発祥のかんずりを熱烈に支持していた。当然のように巻き起こる、柚子胡椒vs.かんずりのバトル。巻き込まれる主人公達。そして日常の謎。なんだか分からないが、とにかく謎を解いて、調味料バトルに決着を。主人公が突っ込みまくる調味料ノベル。

ここが○

  • 面白い会話文。主人公の突っ込みが冴える。
  • 一話完結式でメリハリの利いた展開。
  • よく立ったキャラクター。

ここが×

  • 最終話の謎解きは不親切。
  • 調味料にあまり意味がないような。
  • 個性的だが影が薄いヒロイン。

■戦う調味料西東

また変わった作品のご紹介です。ミトコンドリアは分かりますが、「かんずり」って何? となりました。調べると、新潟県発祥の調味料らしいです。唐辛子を発酵させて作るんだとか。西日本出身の私は初めて聞きました。北海道でもまず見ません。柚子胡椒なら見るんですが(九州では、ラーメンに柚子胡椒は定番ですからね)。

この作品は、かんずり大好きな小学生、美琴が登場するのですが、実はかんずりも柚子胡椒も、物語展開にはあまり関係ありません(笑)。全く関係ない訳ではないのですが、まあほとんどの箇所ではかんずりなしで話が進んでいきます。美琴が何かにつけてかんずりを持ち出してはきますが。

ミトコンドリアにかんずりを作品としては、一話完結式の日常謎解きノベルというところです。中学生の主人公と、幼馴染の新藤桐、それに小学生の錦戸麻奈、加えて主人公の従姉妹である瀬川美琴が、色々な日常の謎に遭遇し、それを解いていくというスタイルです。1話は10分もかからないでしょう。各話のラストには謎を解く選択肢が現れます。タイトル画面で各話を選択できますが、正しい選択肢を選ぶとタイトル画面の選択肢の色が変わるので分かりやすいです。なお、選択肢を間違えた時にマニアックなクイズが出るモードにも切り替えられますが、これはまず正解できないので、切っておく方が無難です(笑)。

ただ、この謎がいまいち解決意欲をそそられるほどのものではなく(例えば、通りすがりの民家の前に一升瓶が置いてあるのは何故か、とか)、更に解決法を聞いても「ふうん、そうなのか」という感じで、巧妙な謎解きに感動するというタイプでもありません。特に、ラストの謎は主人公が解いていく様を見ても、「何か主人公は勘付いているみたいだけど、何の事だかさっぱり分からん!」という状態で、この辺りは読み手とキャラクターの思いを、もう少し同調できるような展開があればと思いました。

そして、今作の見所は、主人公と美琴を始めとするキャラクター達の漫才のようなやり取りです。主人公は完全に突っ込み役で、美琴がボケ役です。美琴は7歳という設定で、ちょっと7歳らしくはないかなというところも見られますが、主人公とのやり取りは面白くて笑えます。そこに、桐と麻奈がちょいちょい絡んでくるという感じ。

また、瑞樹先生も面白いキャラクターです。その分と言いますか、麻奈と桐の影がちょっと薄いようにも感じました。作風がコメディ寄りですから、ちょっと立ち位置が曖昧になってしまっているんですよね。最後の謎解きには桐の思いも絡んでいるのですが、桐がそれっぽい事を作中で表明する事もないため、あまり印象に残りません。ここは、主人公と桐の関係を、もう少し前面に押し出しても良かったんじゃないかという気もします。

しかし、1話完結式の各話は、テンポ良く事件が起こりメリハリも効いていて、謎解きも軽快で楽しく読めます。もっとも、謎解きの際の選択肢で、自力で考えて「これに違いない」と思ったものはほとんどなく、「さっぱり分からんから適当に選んでおこう」だったのですが(笑)。特に最終話の謎解きは一切分かりませんでした。それでいて、最終話の謎解きは、間違えるとちょっと前まで戻されるんですよね。

更にその上、他の箇所と違って最終話の謎解き箇所では選択肢でセーブができません。これはちょっと不親切に感じました。セーブする必要もないくらいの謎解きならいいんですが、私はここで10回くらいやり直しました(笑)。もう少し読み手にも謎の手がかりを分かりやすく提示しても良かったのではないでしょうか。私は全部解説されてからようやく、「あ、そういう事だったのね」となりましたが、最後の最後まで主人公は一体何に勘付いているのか、全く分かりませんでした(勘が鈍すぎ?)。

ツールは吉里吉里です。何度も書きますが、散々ティラノの作品をプレイした後に吉里吉里の作品を読むと、本当に快適です(ティラノは、スマホでも読める事を売りにしているツールなので、パソコンでプレイするなら、パソコン専用のツールが快適なのは当たり前ですが)。プレイ時間は1時間くらい。クリア後には用語集などのおまけが現れます。落ちまで独特の突っ込み感が味わえる作品で、このノリを楽しめるなら面白く読めるはずです。
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