第467回/雪のかけらは汚れなく - スノーフレークのため息(でじたるきゃっと) - 恋愛
FC2ブログ

NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

ARTICLE PAGE

作品リスト − 新着順名前順プレイ時間順ジャンル別掌編
久住女中本舗作品リスト - 新着順/名前順
Peing質問箱(リクエスト、ご質問お気軽に)

第467回/雪のかけらは汚れなく - スノーフレークのため息(でじたるきゃっと)

恋愛
  • comment0
  • trackback-

スノーフレークのため息

スノーフレークのため息準推薦
■制作者/でじたるきゃっと(ダウンロード
■ジャンル/ツンデレお嬢様同居ノベル
■プレイ時間/3時間

高校1年生の豊城鈴夏は、少しコミュ障気味で他人と関わるのが苦手だった。そんな彼がある日、学園一のお嬢様である宇都宮真幸と知り合う。しかもほどなくして真幸の父親の会社が不祥事を起こし、彼女は住むところもなくなってしまった。鈴夏は、自分が管理人代理をしているアパートに真幸を住まわせる事に。純度の高いツンデレ恋愛ノベル。

ここが○

  • ヒロインの真幸が魅力的。
  • 純度の高いツンデレっぷりを楽しめる。
  • 主人公と真幸の関係の描き方が良い。

ここが×

  • 真幸に比べると、玲桜はヒロインとしてはちょっと弱い。
  • ラストにもう一つ盛り上がりがあれば。
  • 物語進行の都合とは言え、真幸の両親が酷すぎないか。

■雪のかけらは汚れなく

ツンデレヒロインというのは、今も昔の一定の需要があるものです。そしてツンデレヒロインの描き方ってなかなか難しいものです。読者を不愉快な思いにさせず、かつ言動の落差で楽しませる。そんな意味で、今作は純度が高く、しかもよくできたツンデレヒロイン恋愛ノベルです。典型的なボーイミーツガール同居型でもあります。

主人公は、高1でアパートに独り暮らしをしている、豊城鈴夏。彼はちょっとコミュ障気味で、少し人と関わるのが苦手という設定なのですが、あまりそういう感じには描かれていません。確かに、ちょっと人嫌い的なところを冒頭は見せますが、ヒロインの真幸と関わり始めてからは、彼女の色々なトラブルを解決しようとするためか、どこにでもいる一人の少年という感じです。

スノーフレークのため息過剰に主人公のコミュ障的な描写を押し出すより、私はこれは正解だったのではないかと思います。まあ、主人公がヒロインとの交流の中で、コミュ障を少しずつ克服する、みたいな流れがあっても面白かったかも知れませんが、この作品はどちらかというとヒロインがメインで、主人公はそれを支える役という立ち位置ですから、これはこれで問題ないと思います。

この手の作品は、やたら登場人物が多くなる傾向にあるんですが、この作品は少ないです。序盤しか登場しない管理人の明菜以外は、基本的には主人公とヒロインの真幸、それにサブヒロインの玲桜だけです。この潔いほどの割り切りっぷりで、主人公とヒロインの交流、それに玲桜が絡むという描写に集中でき、各キャラクター同士の関係を、かなりしっかりした密度で描けています。

特に友人でサブヒロインの玲桜が、今まであまり恋愛ノベルにはいなかったタイプのキャラクターで、面白いです。宝塚の男役みたいなキャラクターで、女子に大人気というキャラなのですが、男性キャラだったら鼻につくと思われる、独特の持って回った芝居掛かった言い回しも、あまり嫌味になっていません。主人公に発破をかけるシーンも、彼女らしさが出ていてとてもいいですね。魅力的なサブキャラクターです。

ヒロインの真幸は、ツインテールの髪型でちょっときつそうな目線のお嬢様キャラ。料理が苦手というのもお約束。ですがこちらも高飛車で嫌味なところはなく、ツンとデレの落差を程よく見せてくれて、序盤から魅力的ですし、だんだん鈴夏に心を開く様子の描写もよくできています。特に、廊下で落としたマスコットを鈴夏が返す時のやり取りは、とてもいい場面で気に入っています。

ただ、玲桜は友人としてはいいキャラなのですが、サブヒロインとして見ると、ちょっと描写不足というか、恋愛に至る描写があまりなく、薄味気味だったような気がします。メインルートではないにしても、もう少し途中の心情変化の描写とか、あるいは話にしか出てこない玲桜の妹を絡ませてみるとか、ここはもう一工夫があっても良かったような気がしました。こっちのルートでは、途中から真幸もあまり出てこないですし、玲桜ルートでも真幸をもう少し使っても良かったのでは。

それと、序盤の真幸の両親が、いくら展開の都合とは言え、ちょっと酷すぎるように思いました。娘を関連企業への謝罪行脚に連れて行くのも如何なものかと思いますが、更に娘を放置してどこかに雲隠れというのは、いくらなんでも無責任極まるかと(汗)。まあ、展開上仕方ないかなとは思うのですが、もう少し上手い方法はなかったものかと……。ラストで「どの面下げて」と、ちょっと思ってしまいました。

ラスト近くには、もう一つ盛り上がりというか捻りが欲しかったような気はするのですが、綺麗にまとまった終わり方です。この作品は、ラストで驚かせたりするというよりは、どちらかというと「過程」を楽しむ物語だと思いますので、十分満足できました。立ち絵や1枚絵も、数はそれほど多くないですが、絵も上手く楽しめます。ただ、ウィンドウと文字の色使いのバランスの関係か、ちょっと文字が読みにくいのは気になりました。

ツールはティラノスクリプトです。プレイ時間は、1回目は2時間くらいで選択肢がなく、1回目をクリアすると途中一箇所だけ選択肢が現れ、それにより玲桜ルートへ進む事ができるようになります。まあ、おまけ的な扱いなのかも知れません。正統派のツンデレ恋愛ノベルですが、主人公とヒロインの関係の描き方、日常の何気ない出来事の描写がよく、「一気に盛り上がる」タイプではなくのですが、全編に渡ってじっくり楽しむ事ができる物語です。ツンデレヒロインがお好きな方は、是非。
関連記事

Comments 0

Leave a reply