第477回/分かり始めたハイレゾリューション - どとこい(くろち) - 恋愛
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第477回/分かり始めたハイレゾリューション - どとこい(くろち)

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どとこい

どとこい準推薦
■制作者/くろち(ダウンロード
■ジャンル/ドット絵恋愛ノベル
■プレイ時間/1時間

主人公は、高校に入学したばかり。だが入学式の日に悪魔が現れ、「美少女がドット絵にしか見えなくなる」呪いをかけられてしまった。出会う女の子は正方形にしか見えない。好感度を上げれば、少しずつ解像度が上がっていく。女の子との好感度と解像度を上げ、悪魔の呪いを打ち砕け! 斬新過ぎる表現の学園恋愛短編ノベル。

ここが○

  • 斬新過ぎる好感度の表現。
  • ドット絵を利用した面白い演出。
  • 個性的で可愛いヒロイン。

ここが×

  • 物語の面白みはいまいち薄い。
  • どのルートも展開はほぼ同じ。
  • 既読スキップがシビアだったり甘かったり。

■分かり始めたハイレゾリューション

何とも物凄い切り口の作品の登場です。恋愛ノベルゲームなのですが、最初はヒロインがただの正方形という(笑)。過去に、登場人物の顔が落書きに見える「chaos pastel orange」という作品がありましたが、流石にヒロインが正方形という作品は前代未聞です。冒頭で悪魔が現れるマルチヒロインの恋愛ものなので、「恋はある朝、悪魔ちゃんが!」もちょっと思い起こさせます(あちらはちっとも恋愛が成就しませんが)。

冒頭で、高校に入学したばかりの主人公(名前任意)の部屋に悪魔が現れ、「美少女の解像度が下がる呪いをかけた」と言い放ちます。主人公が高校へ向かうと、果たして1人の美少女、ならぬ正方形とぶつかってしまうという、恐るべき出だしです。ヒロインがみんな正方形なので、最初のうちは訳が分からないかも知れません。いや、きっと分からないでしょう(笑)。

どとこいそして、ヒロインの好感度が上がっていくと、4段階でヒロインの解像度が上っていきます。これを利用した面白い演出もあり、感心しました。特に、犬の好感度まで上がるのはナイスアイディアです(本筋には関係ないのですが)。一応、イベント1枚絵も少数あるのですが、何せヒロインはドット絵ですから、1枚絵でも完全に二次元になってしまっています(笑)。

4人のヒロインが、最初はただの正方形であるせいか、キャラクターの性格の描き分けはしっかりしています。最初は色で見分けるしかないのですが、徐々にヒロイン達の性格が把握できてくるにつれて見た目も分かってきます。ですから「性格の把握と見た目の把握」がシンクロして、徐々に仲良くな理、相手の事が分かってくる様子を、ビジュアルでも表現できているのがとても面白い点です。

ただ、4人のヒロイン自体は魅力的なのですが、4本のルートはどれもほとんど展開が同じです。好感度が上がれば、最後の日曜日にデートして、最後告白して終わりという。その後半にも特に盛り上がるイベントがある訳でもありません。キャラクターが魅力的なのですから、もうちょっと盛り上げるイベントを1つ2つ用意してみても良かったような気がします。

ユーザーインターフェースは意図的にちょっとレトロな感じに仕上げられています。また、一部の背景や、最後の主人公の独白が「ときめきメモリアル」という恋愛シミュレーションゲームな感じです。これは狙ってやったんでしょうか。好感度を上げて最後デートして、という作りもそれっぽいですし、もしかしたらあえてちょっと前の恋愛シミュレーションをイメージしてみた風にも見えますね。

「ときメモ」でも、女の子の好感度が下がると酷い反応になりますが、この作品も女の子の好感度を正方形から更に下げると、物凄い事が起こります。私は初めて見た時は衝撃を受けました。あえて狙ってそんな事をやる人もいないでしょうが、話の種に一度は好感度をどんどん下げるのを試してみても、面白いかも知れません(?)。

この作品、ティラノとしては珍しく画面サイズがワイドではない、4:3の従来サイズです。もしかしたら、ちょっとレトロな感じを出すためにあえてそうしたという可能性もありますが、この作品をプレイして、「やっぱりノベルゲームにはこのサイズが一番しっくり来る」と思いました。立ち絵、1枚絵、テキストウィンドウなど、全体の配置バランスがとてもいいのです。何も考えずに流行だけでワイドを使うというのではなく、4:3の良さを今一度見直してみてもいいのではないかと感じた次第です。フォントも古風な感じですが、サイズが小さい割に読みやすいです。

繰り返しプレイが前提の作品ですが、既読スキップの精度は基本的には高いので助かります。が、精度が高すぎて、相手の女の子の好感度が違う場合には、同じテキストでも未読扱いになるのは、ちょっと困りました。そうかと思うと、一部のイベントでは未読でもスキップされてしまいます。加えて、私がプレイした時は、相澤千晴ルートの特定の選択肢を選んだ時、エラーが出てゲームが止まるという不具合。直前の選択肢の組み合わせを変えたりして、何とか回避しましたが、ちょっと冷や汗をかきました。

プレイ時間は、全ルート(4人のヒロイン+友人の中村+α+β+バッドエンド)を読んで1時間というところだと思います。選択肢は分かりやすいので、普通に考えていれば間違うことはないでしょうし、隠し要素も色々あるので、意外とやり込んでも面白いです。見た目はキワモノっぽいですが、実は正統派な学園恋愛もの。こういうストレートな恋愛ノベルって最近少ないので、楽しめました。ラストにはヒロイン達の美しい1枚絵も拝めますので、頑張ってコンプリートしてみてください。
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