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第478回/これより恋のタイムサービス - その恋は特売ですか?(Call to Adventure)

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その恋は特売ですか?

その恋は特売ですか?■制作者/Call to Adventure(プレイする
■ジャンル/恋愛特売ノベル
■プレイ時間/20分

いわゆるブラック企業に勤務する勇樹は、飼っているハムスターだけを心の支えにしつつ、激務に追われる毎日だった。ある日食料でも調達しようと足を踏み入れたスーパー「真心」で、素敵な女性の店員と出会った。この店員が気になる勇樹は、それから足繁くそのスーパーに通う様になる。お手軽ハートウォーミングな短編恋愛ノベル。

ここが○

  • 心がちょっと温まる展開。
  • 短編ながらめりはりのある展開。
  • ペットのハムスターの使い方が上手い。

ここが×

  • ヒロインが主人公に惹かれる描写があまりない。
  • 重要な過去の出来事は、もう少し描写しても良かったのでは。
  • などなど全体に展開がちょっと性急。

■これより恋のタイムサービス

ノベルゲームの主人公って、ダントツに高校生が多く、たまに中学生や大学生もいますが、主人公が社会人の作品は極端に少ない様に思います。この作品は、主人公が「ブラック企業」の社員で、日々業務に忙殺されているという設定。これだけで、まず物珍しさを感じてしまいました。

仕事が忙しい主人公は、手軽に食事をとろうと、仕事帰りに近所のスーパーに立ち寄りますが、そこで綺麗なお姉さんの店員と出会います。店員さんの立ち絵は素材なのですが、えらくセクシーなので驚きます。この立ち絵素材、元は18禁用素材らしく(手書きではなく3Dモデリングされている様に見える)、右下の方に著作権表示がされています。

その恋は特売ですか?物語は非常にトントン拍子に進み、主人公とヒロインの安良木優心(「やすらぎ・にこ」と読む。凄い名前)は、あっという間にデートまでする仲になります。この時の、スーパーの店長さんの言動が、かっこいいです。豪快で漢気があるところなんかは、ちょっと「Afterglow」の、コンビニの店長を思い出してしまいました。こちらの作品の店長も、脇役ですが、いい存在感がありましたね。

そして物語は無事に大団円を迎えるのですが、これだけの短編ですから、描写がどうしてもちょっと淡白になっている嫌いがあります。優心が勇樹に惹かれる描写があまりないので、恋愛ものとしては若干の唐突さを感じます(最初いきなりお手製のお弁当をくれますし)。それに優心が一度は勇樹を拒んだ原因となる、過去の出来事については、店長からさらっと(それこそ一行で)説明されるだけです。

ここのイベントは、2人の関係を進展させる上でも大事な分水嶺のはずですから、過去回想を入れるとか、それっぽい伏線を前半から張っておくとか、もう少しやりようがあった様な気がします。この過去の出来事自体、「よくあるイベント」という感じではなく、結構衝撃的な出来事のはずですから、軽く描写しておくだけでもだいぶ違ったのではないでしょうか。ここに少し筆を割いておけば、後のシーンもより効果的になったと思います。

また、2人がハッピーエンドになるのも、あまりにもあっという間です。ここも、ワンクッション何かイベントを挿入しても良かった様に思います。せっかく全体にとてもいい雰囲気なのに、後半からラストにかけて、非常にばたばたと慌ただしい印象で進んでしまうので、読んでいて少し置いていかれた様な感覚を覚えました。

しかし、性急な感じはするものの逆にテンポは非常に良く、展開のめりはりも良く効いています。だれずに一気に読ませてくれるパワーがある物語です。主人公の勇樹はハムスターを飼っているという設定ですが、この設定はなかなか上手く活用されていました。優心との距離感が縮まるのにも使われていましたし、ラストシーンにこの設定を生かしてきたのは、上手いなあと思わされました。いいラストシーンに、ちょっと心が温まりました。

この作品は、ワイドではない4:3のウィンドウサイズで、全画面テキストウィンドウですが、一列の文字数がちょうど良く、読みやすいです。ダウンロード版がなく、ブラウザー版でしかプレイできないのですが、これくらいの短編であれば、ブラウザー版も手軽にプレイできていいかも知れません(でも、ブラウザー版しかないと、気に入っても手元に残しておけませんから、私はやはりダウンロード版が好きなのですが)。

ちなみに、Macでプレイした場合、テキストを送ろうとマウスを下にこすると、大量のテキストが一度に流れてバックログで読む羽目になるという、これもティラノとしてはありふれた良くある挙動です(笑)。大人しくWindowsで遊ぶ方がいいでしょう。ゲームには関係ないですが、主人公の自室の「働いたら負け」とプリントされたシャツに、笑ってしまいました。

ツールはティラノスクリプトです。ティラノのデフォルトに近い機能で、必要最小限という感じですが、短編ですから遊ぶのには不都合は特にないと思います。選択肢なしで、プレイ時間は20分くらい。食い足りないところもありますが、難しい事を考えずに手軽に読めるハートウォーミングなストーリーは、結構好みです。この作品の主人公勇樹の様に、忙しい日々でゲームをプレイする時間のない方は、20分くらいを使ってこの作品を読んでみると、少し心が安らぐ、かも知れません。
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