第500回/心の中には永遠の国 - メモリーロスト・ネバーランド(灰色) - ファンタジー
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第500回/心の中には永遠の国 - メモリーロスト・ネバーランド(灰色)

ファンタジー
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メモリーロスト・ネバーランド

メモリーロスト・ネバーランド■制作者/灰色(ダウンロード
■ジャンル/永遠の国で循環ノベル
■プレイ時間/30分

お嬢様は、ある時目覚めると見知らぬ国にいた。彼女の目の前には案内人が現れ、ここは永遠の国だと告げる。そうして、お嬢様の前に次々と現れる変な登場人物たちと、繰り返す世界。この世界は一体どうなっているのか。そうして姿を見せない王城様とは? 「不思議の国のアリス」の世界観で送る、ちょっと変わった童話風ノベル。

ここが○

  • 独特の絵が作品世界に合っている。
  • 短い章立てなので読みやすい。
  • 後半になるに従って少しずつ明らかになる世界の作り。

ここが×

  • 人によっては、訳の分からない話と感じるかも。
  • 文章が一気に表示されるので、少し読みにくい。
  • 創作をした事がない人には響かないかも。

■心の中には永遠の国

とうとうNaGISA netも500本目のレビューです。数多くの作品と出会い、作者の皆様のお陰でここまで来れました。フリーのノベルゲームばかり500本もレビューする人間というのも、他にあまりいないと思いますが、これからもライフワークとしてフリーノベルゲームの感想を書き続けていきますので、引き続いてNaGISA netを宜しくお願い致します。

500回目の記念すべきレビューは「メモリーロスト・ネバーランド」。「罪咎オペレッタ」の作者さんの作品です。「罪咎」が強烈な作品だったので、こちらもどんな作品かとびくびくしながら読み進めたのですが(笑)、読後感の良いお話でほっとしました。ちゃんとハッピーエンドがつきますのでご安心ください(笑)。

メモリーロスト・ネバーランドさて内容についてです。つい最近「アリスのいないワンダーランド」という作品をご紹介しましたが、この作品も「不思議の国のアリスもの」です。なので、お馴染みの不可解なキャラクターが次々現れて、不可解な言動を繰り広げます。言動が不可解な上に序盤は展開も意味不明で支離滅裂なので、「一体こいつらは何を訳の分からん事を言っとるんだ?」「この物語は一体どうなってるの?」となると思いますが、短い作品でもあるので、我慢して読み進めてください。徐々に世界観が掴めてきます。

この章の区切り方がちょうどいい上に、章の終わりに幕と共に章題が表示されるという演出がいいですね。ちょっと演劇風の作品世界にもぴったり合っていたと思います。こういう小技は、短編作品においては意外と物を言うものです。また、立ち絵は、表情が真っ黒に塗りつぶされたシルエットですが、これも雰囲気に合っていました。

主人公であるお嬢様は、序盤何故か毎度死んでしまい、その度にまた蘇って、何事もなかったかのように物語が再開します。そういう作品ですし、展開や世界観の意味は後半分かりますので、序盤は気にせず読みましょう。アリスものらしく、登場人物は皆ぶっ飛んでいますが、それぞれに個性的で、やり取りもなかなか楽しめます(ここも好き嫌いが分かれそうなところでもありますが)。

恐らくこの物語は、多分人によって合う合わないが結構あると思います。創作活動をした経験のある人ならば、特に後半は非常に共感できる事が多いと思います。その意味で、「僕の愛する三匹」にも通じるメッセージ性を持った物語でした。影の主人公にも、そして彼の一部たるお嬢様を始めとする登場人物達にも、きっと感情移入して読める事でしょう。

反面、創作活動をした事がない人だと、何も心に響かない恐れもあるどころか、何も共感できない、訳の分からない話で終わる恐れもあります。そう言う意味では、割と人を選びそうな物語だと感じました。また、(原作同様)単なる夢オチと言ってしまえばそれまでなので、そう言う意味で、アリス的展開を好まないリアリストの方であれば、あまり肌に合わないかも知れません(そう言う方は、そもそもこの作品はプレイしなさそうですが)。

音楽は、オルゴールの音色が主体だったり、少しクラシカルな味のものだったりを選んでおり、どの曲も童話風の雰囲気に合っています。BGMは、フェードインフェードアウトをほぼ使わず、すぱっすぱっと次々曲が切り替わるのですが、これがまた作品世界のごちゃごちゃ感に合っていました。ただ文章表示は、句点でクリック待ちがされず、複数の文章が一気にどっと表示されるので、若干読みにくさを覚えました。ワイドで横に表示される文字数が多い上、複数の文章が一気に出ると、目で追いかける時に一瞬戸惑うんですよね。

それと、テキストウィンドウ上部の、謎のスペース。ここに本来は発言しているキャラ名が表示されるはずだったのでしょうか。そうすれば多分もっと読みやすかったと思うのですが、このスペースは終始使われずじまいです。それ以外は、まずまずシステムも整っていてプレイ感覚は良好です。バックログもちゃんと作動します。

システムはティラノスクリプトです。プレイ時間は30分。一度目のプレイではEND1しか見られませんが、二度目のプレイではラストに選択肢が現れます。タイトルから、読了済みの章を選ぶ事もできて親切。プレイ後には作者さんの後書きや、キャラクターの紹介も読めますので、物語が分かりにくいと感じた人は、そちらをじっくり読んでみてください(多分分かりにくくはないと思いますが)。創作活動をした事のある方は、共感できる事が多々あると思いますので、是非読んでみてください。
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