第511回/掌上の物語、掌中の真実 - ツクリモノガタリ-真実のアリカ-(Unreality) - 不思議系
FC2ブログ

NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

ARTICLE PAGE

作品リスト − 新着順名前順プレイ時間順ジャンル別掌編
久住女中本舗作品リスト - 新着順/名前順
Peing質問箱(リクエスト、ご質問お気軽に)

第511回/掌上の物語、掌中の真実 - ツクリモノガタリ-真実のアリカ-(Unreality)

不思議系
  • comment0
  • trackback-

ツクリモノガタリ-真実のアリカ-

ツクリモノガタリ-真実のアリカ-■制作者/Unreality(ダウンロード
■ジャンル/少女達の友情と混沌ノベル
■プレイ時間/1時間

かつて演劇部の仲間達と青春を謳歌していたアリカ達だったが、ある事件によって全員の心がばらばらになってしまう。何とかかつてのように仲間達との青春を取り戻したいと思っていたアリカだったが、ある日学校の生徒や教師がみんな意識のない存在となってしまった。アリカは謎を解くため動き始める。凝ったトリックが独特な学園ノベル。

ここが○

  • 叙述トリックと物理トリックの融合が面白い。
  • テンポの良い展開。
  • 熱すぎるくらいの少女同士の友情物語。

ここが×

  • 「え、ここで!?」というところで終わってしまう。
  • 展開が少し唐突かも。
  • 少し説明不足の点がある。

■掌上の物語、掌中の真実

永遠の紡ぎ」「BLOOD SUGAR」の作者さんの作品です。この作品は割合初期の頃に作られた様子。この作者さんはとても個性的な物語を書かれる方で、この作品でも、凝ったトリックと少女同士の人間関係の描き方など、この作者さん独特の個性と魅力を味わえます。「真実のアリカ」のご紹介。

冒頭、いきなり飛行機内の移動シーンの描写から始まります。会話を見るに、どうやら高校の演劇部のメンバーらしく、大きな演劇大会で優勝し、飛行機で帰路についている様子。他愛のない会話が展開されるのですが、いきなり機内が衝撃音に包まれます。事故に巻き込まれたのか何なのか、と思っていると、突如として場面が変わり、なんと登場人物も先ほどまでとはがらりと変わってしまい(演劇部というのは共通しているのですが)、謎に満ちた展開で始まりです。

ツクリモノガタリ-真実のアリカ-主人公のアリカは高校の演劇部員で仲のいい部員達と、日々充実した学校生活を送っていたのですが、とある事件をきっかけに仲間達はばらばらになってしまいます。ある日彼女が学校に行くと、見るからに怪しいお化けのような集団が。実は見た目は普通の生徒(や教師)らしいのですが、彼らは意識を無くしている、ゾンビのような存在らしく、普通の人には見分けがつかないんだそうです。

なぜか彼らがおかしい事を見抜けたアリカ。しかし、一緒に投稿してきた演劇部の友人、芽吹は意に介しません。そこでアリカは、同じく演劇部のメンバーであるロキと、なんとかこの事態を解決しようと動き始めます。冒頭もなかなか凄かったですが、そこからの展開もかなりぶっ飛んでいて、上のスクリーンショットの「アレ」達を初めて見たときは、シンプルで不気味な描写に、思わず仰け反りました(彼らが登場する時の効果音がまた印象的)。

学校に潜入するそこからの展開は、一転して動きのある展開となります。ロキが立てた作戦も巧妙で、アリカとロキがばったばったと敵(?)をなぎ倒していく様子が面白く、単純に「学園アクションもの」として、楽しく読めるでしょう。そして、意外な黒幕とのやり取りの後、無事に解決するのかと思いきや、状況はまたもがらっと変化します。ここはかなり唐突。読みながら一瞬混乱しましたので。

その後半は、この作品の一番の見所だと思います。物理トリックと叙述トリックの融合とでも言いましょうか。また、心理的な駆け引きも加わり、ここは見応えのあるシーンでした。息詰まるような緊張感のある展開です。そして謎が明かされてみると、うーんなるほど、という感じで、一本取られました。

ただ、謎が明かされて、さて続きはどうなる、と思っているところで、唐突に終わってしまって、「え!?」と呆然となってしまいました。次回作の予告もありましたので、後編で全ての謎が解明されるのでしょうし、一応きりがいいところで終わってはいるのですが、謎のほとんどは全然解明されておらず、伏線も回収されていないので、流石にここで終わってしまうと、後編が気になりすぎてしまいます。タイトルや伏線などから、いくつか仮説は立ててみたのですが、気になる事に違いはありません(笑)。

それでも、この作者さんの持ち味である凝ったトリックやアクションと、少女達の熱すぎるくらいの友情の描写を読んでいるだけでも、結構楽しめると思います。あまり伏線や謎がどうとか気にせずに読めば、前半はアクション、後半はミステリーとして読み応えがあるでしょう。少女同士のやり取りの雰囲気は、「BLOOD SUGAR」に少し近いところもありますが、あちらの主人公千智が非常にクールだったのに対し、こちらのアリカはただひたすら熱いです。アリカの熱さがしっかり物語を引っ張っていってくれていると思います。

ツールはLive Makerです。Live Makerのバージョンが新しいのか、スキップが高速でエフェクトも込みで飛ばしてくれて、快適にプレイできるでしょう(私は2回読みましたので、高速スキップはありがたかったです)。選択肢はありません。プレイ時間は1時間くらいだと思います。あまり急いで読まない方がいいと思います。後編が気になって仕方がないのですが、この作者さんの作風が気に入っているのなら、前編だけでも楽しめるはずです。プレイしてみてください。
関連記事

Comments 0

Leave a reply