第541回/真夜中の殺人ゲーム - 女子トイレの殺人(劇団Kolme) - コメディ
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第541回/真夜中の殺人ゲーム - 女子トイレの殺人(劇団Kolme)

コメディ
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女子トイレの殺人

女子トイレの殺人準推薦
■制作者/劇団Kolme(ダウンロード
■ジャンル/女子トイレの殺人解明ノベル
■プレイ時間/30分

主人公の怜人が女子トイレの個室から出ると、そこには死体が。たまたま居合わせた気の強そうな女性かおると、女子高生葵、更に怜人のストーカー乙姫を巻き込んで、成り行きで犯人探しをする事に。変態の主人公が、おかしな登場人物を向こうに回して、犯人探しに頭を悩ませる。見た目はホラーかミステリーだが、全然そんな事はないお気楽コメディノベル。

ここが○

  • お馬鹿で笑えるやり取り。
  • 意外と(?)ミステリーとしてもまとも。
  • 誰が犯人でも、読後感が陰惨ではなくすっきり終わる。

ここが×

  • バックログに入りにくい上、一画面分しか見られない。
  • キャラクターがぶっ飛びすぎているのは人を選ぶかも。
  • 全然ホラーではないので、そう言うのを期待してプレイすると驚く(笑)。

■真夜中の殺人ゲーム

タイトルは作品をアピールする一番重要な「顔」です。ですから、色々な作者さんが色々なタイトルを工夫するのですが、この作品のタイトルはなんともストレートです。「女子トイレの殺人」。タイトルからして、ホラー、サスペンス、ミステリーであると全力で主張していますが、実は全然ホラーでもサスペンスでもありません(久々に強調タグの登場)。

最初の注意書きでも「ホラーでもミステリーでもない」と表示されていますが、出だしからいきなり常軌を逸しています。主人公の怜人(もちろん男)が、何故か女子トイレの個室から出てくるのです。この時点で既に突っ込みどころが満載なのですが、更にそのトイレの床に死体が転がっているという、いきなりな展開。そこへ唐突に現れる3人の女性。怜人は当然のように(?)彼女達(怜人のストーカーである乙姫は除く)から疑われます。疑われる以前に、最初から通報ものですが(笑)。

女子トイレの殺人そこからの4人の会話も、床に死体が転がっている状況とは思えないギャグ連発。個性豊かな(ぶっ壊れている、とも言う)キャラ達のやり取りは笑いを誘います。一応、ミステリー風味にちゃんと現場検証とか聞き込みも行います。とは言え、何しろ「女子トイレが大好き」という主人公の性癖からして、完全に明後日の方向へ飛んで行ってしまっているので、彼らのやり取りがまともになるはずもないのですが(笑)。

そして、選択肢が結構出てきますが、間違えるとすぐにバッドエンドになります。この手のコメディ作品は、そうでなくてはいけませんね(笑)。バッドエンドの中にも、結構笑えるものもありますし、どちらが正解かは(ほとんどの選択肢が二択です)ぱっと見ただけでは分かりにくい選択肢もありますので、セーブしながら全部見るのがいいでしょう。

ラストは犯人の指摘シーンになるのですが、ここで頭を悩ませる必要はありません。なんと、誰を犯人だと指摘しても、ちゃんとグッドエンドに辿り着くようになっているのです。誰が犯人でも、それなりに筋道の通った説明がつき(乙姫を犯人とした時の説明は、少々無理があるようにも感じましたが)、4種類の違う落ちが付くようになっている作りは、とても上手いと感じさせられました。

この辺り、作者さん自ら「ミステリーではありません」と宣言してはいるのですが、意外とミステリーとしてもよく出来ているように思いました。誰が犯人でもそれなりに話が成立するようにしてある点、ノベルゲームとしての特質を実によく生かしているとも言えます。もちろん、その特質を持たせている分、単純なミステリーとして捉えると弱いところもあるのは確かなのですが、この構成でちゃんとバラエティに富んだ4種類のラストを作った事に、賛辞を送りたいと思います。

その4種類のエンドは、どの終わり方も決して陰惨ではなく、読後感はすっきりしています。真相を知れば陰惨になりようがない事件ではあるのですが(笑)、コメディ要素とミステリー要素、それに独特のキャラクターと、ホラー風でもある部隊を上手く融合させた佳作です。

難点ですが、文章読み返しがマウスで出来ません(右下の「Log」をクリックする必要あり)。それはまだいいのですが、なんとバックログが一画面分しか見られないのです(上にスクロールさせる事が出来ない)。これにはちょっと参ってしまいました。一応ミステリー的要素もありますし、読み返しはある程度の範囲できるようにしておいてもらえれば、より良かったのですが。

普通、使われているツールが分かれば、「このツールであれば最低限ここまでのシステムは保証されている」と言うラインがあるのですが、ティラノの場合は起動して実際に遊んでみるまで分からないと言う……。まあ、それ以外は特にシステム的に遊びにくいところはありません。立ち絵はオリジナルのようです。キャラの個性をしっかり表現していていいですね。かおるの方が気に入っていたら、まさかあんな落ちが付くとは……(笑)。

ツールはティラノスクリプト。グッドエンドが4つに、バッドエンドが5つくらい。プレイ時間は30分くらいでしょうか。大真面目にプレイするような作品ではありませんが、大作の息抜きにちょっとプレイすれば、予想以上に楽しませてくれる良作短編ノベルです。単なる濃いキャラのやり取りで笑わせるだけのコメディではなく、構成もしっかり作られていて好感が持てる作品でした。
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