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第551回/言葉は二条の光となった - Light.vnでつくる短編ノベルゲームプロジェクト(Light.vn公式)

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Light.vnでつくる短編ノベルゲームプロジェクト

Light.vnでつくる短編ノベルゲームプロジェクト■制作者/Light.vn公式(ダウンロード
■ジャンル/Light.vnの演出力アピール短編ノベル
■プレイ時間/15分

ノベルゲームエンジンLight.vnの機能を示すため、公式サイトからダウンロードできるサンプルゲーム。マッドサイエンティスト風の少女と幼馴染の少年のラブコメ「ラビットフューチャー」と、部屋の主である女性の帰りを待つ、不思議な「僕」の物語「コトノハ」。見た目もシナリオも対照的な2本の作品が楽しめる、超短編2本詰め合わせ。

ここが○

  • 対照的な2本の話が手軽に楽しめる。
  • カメラワークなど凝った演出。
  • サンプルと言う性格が、Light.vnというシステムに非常にマッチ。

ここが×

  • どちらも、少々薄味気味。
  • エンディングがなくそのままタイトルに戻るのは少し寂しい。
  • サンプル的性格なので、統一感には乏しい。

■言葉は二条の光となった

レビューで取り上げた作品の中では「恋をする生き物だから」「幸運の魔女」で使用されている、ノベルゲームツール「Light.vn」(ライトヴィエン)。今回ご紹介するのは、Light.vn公式ページでダウンロードできる、サンプルゲームです。サンプルだけに、スクリプトは公開されており、Light.vnエディターでいつでも見られます。

Light.vnというツールは、数あるノベルゲームエンジンの中でも、私が一押しのツールです。世に優れたツールは色々あります。安定していて軽いNScripterや吉里吉里、グラフィカルで作りやすいティラノビルダー、プレイしやすく演出にも凝れるYU-RISなどなど……。その中でLight.vnがひときわ異彩を放っているのは、独特のエディターです。なんと「スクリプトを見ながら、1行単位で実行して、即結果を見られる」のです。実際に使ってみれば分かりますが、これは相当強力で便利な機能です。

Light.vnでつくる短編ノベルゲームプロジェクトこれは、そんなLight.vnの公式ページでダウンロードできる、サンプル的位置付けの作品です。サンプルだけあって、Light.vn独特の凝った演出を随所に使っており、2本とも短編なのですが、なかなか見応えがあります。また、サンプル的なゲームとは言え、演出以外もしっかり作り込まれており、決して適当に作られた、単なる見本のような作品ではありません。

1本目は「ラビットフューチャー」。主人公の板上脱兎は、ある日幼馴染のマッドサイエンティスト(?)、獅子神姫乃に呼び出されます。なんと、姫乃はタイムマシンを完成させたんだとか。そして記念すべき試運転の実験台に、脱兎を使うと言い出します。そんな2人が送る超短編ドタバタラブコメです。よくあると言えばよくある展開の物語ですが、脱兎と姫乃のキャラクターが、少しぶっ飛んだシナリオに上手くマッチしており、お約束な展開が心地よく味わえます。

選択肢でエンディングは2種類に分岐します。どちらもそう展開が変わる訳ではないのですが、脱兎と姫乃のやり取りがまた少し変わってきます。定番の展開ですが、どちらのエンドも微笑ましい終わり方です。「ニヤニヤ系ラブコメ」(何それ?(笑))がお好きな方なら、きっと楽しめるでしょう。

2本目は「コトノハ」。こちらは立ち絵がなく文章だけです。また、これはテーマとも絡むのですが、文章だけというのを逆手にとった作りにしているのが面白いですね。最後まで読んだ時に、「なるほど」となる面白さがあります。こちらは選択肢はありません。「ラビッド」とは文章の味わいもまた全く違います。そして2本とも演出が凝っているのが特徴です。特に「ラビット」は、背景がズームイン、スクロールしたりして、それがまた効果的なのです。これは、Light.vnの性能を示すためというのももちろんあるでしょうが、演出の参考にもなるでしょう。

そしてこの作品は「サンプル」ですので、スクリプトを全部見ることができるのですが、Light.vnというツールの特徴とぴったりマッチし、これ以上ないサンプルとなっています。この作品には、エディターも同梱されているため、エディター上で実行する事もできますが、Light.vnというツールは「エディター上で1行ごとに実行して、結果をリアルタイムで見られる」ため、スクリプトを1行ずつ実行し、このようなスクリプトだとこのような効果になるというのを理解しやすいのです。この便利さは、一度体感してくださいとしか表現できません。

私も、NScripterや吉里吉里で作品を作ったことがありますが、演出を試す場合は、該当の箇所でセーブしておいて、パラメータをいじって実行し、結果を見たら、またスクリプトを書き換えて……という繰り返しでした。それを思えば、こんなに使いやすいツールが登場した事は驚き以外の何物でもありません。他のツールでもサンプルスクリプトのようなものは多数ありますが、「生きたサンプル」としてこれほどのものはなかなかないでしょう。もちろん、ツールの完成度あっての事ではありますが。

もちろん、創作に興味がない方でも、ノベルゲームはこうやって動いているんだということが分かって、興味深いと思いますし、サンプルとしての性格を抜きにして、単に短編作品として遊んでも楽しめます(エンディングも何もなく、すぐにタイトルに戻るのが、ちょっと素っ気無いですが)。「ラビット」は10分、「コトノハ」は5分程度。超短編ですが、Light.vnの実力を見るには打って付けの作品です。興味がある方は、是非触ってみてください。
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