第555回/「ただいま」は魔法の合言葉 - Marionnette;Triad ~人形の夢世界~(青ふで) - ファンタジー
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第555回/「ただいま」は魔法の合言葉 - Marionnette;Triad ~人形の夢世界~(青ふで)

ファンタジー
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Marionnette;Triad ~人形の夢世界~

Marionnette;Triad ~人形の夢世界~■制作者/青ふで(ダウンロード
■ジャンル/学園魔法バトルノベル
■プレイ時間/2時間半

テレジア学園に通う17才のティア・パーシス。叔父のアーネストの手助けを受けながら、寮生活をしていたティアは、実は「能力者」だった。そんなティアがある日耳にした、「死神」の噂。ティアは、偶然知り合った同じ学園の生徒である魔術師のロイドと、死神調査に乗り出すが。学園を舞台に繰り広げられる、魔法バトルファンタジー。

ここが○

  • 起伏がしっかりしていて、飽きずに読める。
  • 全8章の展開バランスの良さ。
  • 良く立っているキャラクター。

ここが×

  • 文章のテンポがちょっと淀む箇所が。
  • シリーズ化を前提として作られたようで、若干の消化不良感。
  • 文字がかなり小さくて読み辛い。

■「ただいま」は魔法の合言葉

今回ご紹介は、学園ファンタジーバトルものです。最近意外とファンタジーが多い気がしますね。舞台は具体的には書かれていませんが、まあどこかの外国でしょう。ただ、明らかに日本が舞台ではないのに、途中ティアとレンが学生食堂で昼食を摂る際、レンが注文したのがきつねうどんだったのが、ちょっと笑ってしまいましたが。

主人公は、テレジア学園に通うティア・パーシス。両親を亡くしており、叔父のアーネストに世話になっています。寮生活をしており、レンとニコルという友人がいます。レンはショートカットの可愛らしいタイプ。ニコルはロングヘアで男勝り。普通は逆でしょうが、この2人のキャラクター立てはなかなかいいと思います。

Marionnette;Triad ~人形の夢世界~まずびっくりするのは、驚くほどの文字サイズの小ささです。文字サイズが小さい上、画面サイズは少々ワイドですので、必然的に1行に表示される文字数が多くなり、長時間読み続けるのはかなり辛いものがありました。幸い、改行ピッチは広めに取られていますが、これはもう少し何とかならなかったでしょうか。ワイド画面が流行りだし、画面サイズが大型化し始めてから、逆に何故か文章が読み辛い作品が増えた気がします……。

さて、序盤で語られる死神騒動。街で数人の人が、何者かに襲われて昏睡状態になっているという話。死神に魂を抜かれたなんていう噂も広がり、不穏な空気も漂う中、ティアは同じ学園の生徒であるロイド・エルケンスと知り合います。彼は魔術師らしく、2人で死神騒動の秘密を探る事になりました。

この辺りの展開テンポは良好です。この作品は全8話+エピローグで構成されているのですが、各話の目的がはっきりしており、途中だれる事なく読み進める事ができます。各話で少しずつ事件の手がかりが判明していき、そのバランスがいいので、読んでいてストレスを感じる事がほとんどありませんでした。構成バランスはとても良好です。

反面、文章自体にちょっとテンポが良くないところがあると言いますか……。決して冗長な文章ではないのですが、「ここはさらっと流してもいいのでは?」という場面でも、大事な場面と同じように描写されるため、少々流れが悪いなと感じさせられるところもありました。後は、少々文章が説明的に感じる箇所も(エピローグも妙に説明的)。それを顕著に感じたのが戦闘シーンです。何というか、スムーズに流れないように感じたんですよね。文章自体にも、上手く緩急をつけられれば良かったように感じました。

終盤は、意外な事実が明らかになり、最後の戦いへ。盛り上がるのですが、決着の付き方が少々反則っぽいような気も。というか、アーネストさん万能すぎ(笑)。個人的には、後半明かされる意外な事実を盛り上げるため、ティアとロイドの距離を、もっと近づけていても良かったのかな、とは思いましたが。全体的に、恋愛方向の描写はほとんどないので、例のラスト近くのシーンも、少しインパクトに欠けるところがあるんですよね。

と、気になるところもあるのですが、上にも書いたように、全体の構成バランスが良く、起承転結満遍なく事件が起き、程よく謎が解けていくので、気持ちよく読む事が出来ました。シリーズ物として作られたようで(既に続編が公開されています)、ちょっと消化不良を感じるところもあったのですが、この作品だけでもちゃんと完結していますので、特に問題はないと思います。エピローグのアーネストの台詞が特にいいなと思いました(プレイすればどの台詞の事かは、多分分かります)。

ツールはティラノスクリプトです。プレイ時間は2時間半〜3時間くらいでしょう。選択肢はありません。クリアすると、回想モードで、24箇所の場面から再読できます(そこからプレイできる訳ではないのですが)。こういうのは、レビューを書く時には大変ありがたい仕様です。続編は前後編に分かれていて、更に長いようですが、こちらもプレイしてみたいですね。魔法バトル物がお好きな方なら、きっと楽しめる一本になると思いますよ。
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