掌編ミニレビュー第1回 - 雨の色/ようこそ、聖夜の猫柳堂書店へ。/月夜の蝋燭 - 掌編ミニレビュー
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掌編ミニレビュー第1回 - 雨の色/ようこそ、聖夜の猫柳堂書店へ。/月夜の蝋燭

掌編ミニレビュー
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1. 雨の色

雨の色■制作者/ARIS VALENTINE(ダウンロード
■ジャンル/ナンセンス・不条理
■ツール/NScripter


リクエストを受けまして、これまでレビューの困難だった、プレイ時間10分未満の「掌編」のご紹介を始める事にしました。「推薦」「準推薦」の評価や、「ここが○」「ここが×」、1行キャッチコピーやあらすじ紹介もなしというお気軽構成で、基本的に3本を1組でご紹介します(まとめの方法は模索中ですので、しばらくお待ちください)。

掌編紹介の1本目は、「雨の色」。「題名はない」の作者さんの作品。あちらも不条理で不思議な作品でしたが、こちらは輪をかけて奇妙なというか、よく分からない作品です。雨の中で、倒れている女性とそのそばにいる男性が登場する物語です。何度か読んでみて、自分なりに色々と仮説を立てたりもしたのですが、最後まで結局よく分かりませんでした。

背景画像は、モノクロームの独特な絵柄。音楽はなく、終始雨の効果音が鳴り響いているだけ。この効果音は、雰囲気を高めてくれていています。とにかく、不可解で不条理な物語なので、解説でも欲しいくらいです。ノベルゲームにエンターテインメントを求める人だと、何が何だか分からない恐れもありますが(私の事か(笑))、じっくり考察するのが好きな方にはいいかも知れません。

2. ようこそ、聖夜の猫柳堂書店へ。

ようこそ、聖夜の猫柳堂書店へ。■制作者/CF(ダウンロード
■ジャンル/日常
■ツール/ティラノスクリプト


ようこそ、猫柳堂書店へ。」の番外編的な作品です。立ち絵はないんですが、アニメっぽくない、ラジオドラマ風の渋いフルボイスは健在で、店長の橋本の声はやはり和みます。今回は、タイトル通りクリスマスのお話。お馴染みの猫柳堂書店を舞台に、これまたお馴染みのメンバーが繰り広げる、ささやかなクリスマスのストーリーです。作者さんは書店で働いているようで、書店のエピソードは前作同様、リアリティがあります。

掌編の割に登場人物も多く、前作を読んでいる事を前提として、人間関係の説明なども全くありませんので、先に前作を読んでからプレイする事をお薦めします。前作もかなりの短編ですから、続けてプレイしても30分程度です。むしろ、続けて読んだ方が、人間関係が把握しやすくなっていいかも知れません? 落ちの手前では心が暖まるイベントが用意されていますが、その後の橋本のエピソードで、ちょっとずっこけました(笑)。

掌編できちんと起承転結をつけるのはかなり難しいものですが、プレイ時間10分未満の掌編でありながら、キャラクタードラマとそれなりに整ったオチまで付けられており、物語としてちゃんと読み応えがある作品に仕上がっているのはさすがです。この作者さんの長編が読んでみたくなりました。心和む日常物語がお好きなら、きっと楽しめると思います。

3. 月夜の蝋燭

月夜の蝋燭■制作者/Trifling Mud(ダウンロード
■ジャンル/ミステリー・サスペンス
■ツール/NScripter


掌編ならではの作品です。死んだ友人の事を振り返る形でストーリーが進むのですが、最後の事実を語られたところで唐突にスタッフロールが流れて、物語が終わってしまいます。「何だこれは?」と思ったのですが、そこで終わらずちゃんと後書きを読んでみてください。後書きでこの作品に仕組まれた仕掛けが解説されています。

その後すぐに再読してみて、不自然でない範囲で上手く仕掛けを隠した手法に感心しました。文章は味わい深いものの、物語としては特に面白みがある訳でもないのですが、一種の言葉遊びをちゃんと掌編に仕立てたその手腕は、大したものだと思いました。

掌編って、なかなか物語として、あるいはエンターテインメントとしての面白さを追求するのは大変なのですが、こういう方法があるのかと、目から鱗が落ちる思いでした。文章力も高く(ただ一部、仕掛けの為ではあるものの、読んでいて「何か不自然だな」と感じる箇所はあるのですが)、遊び心のある掌編だと思います。
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