2018年12月の作品について - 月別まとめ
FC2ブログ

NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

ARTICLE PAGE

作品リスト − 新着順名前順プレイ時間順ジャンル別掌編
久住女中本舗作品リスト - 新着順/名前順
Peing質問箱(リクエスト、ご質問お気軽に)

2018年12月の作品について

月別まとめ
  • comment0
  • trackback-
2019年が明けました。今年もNaGISA netをよろしくお願いいたします。

さて、2018年12月から「掌編ミニレビュー」を開始しました。そして通常レビューは24本、掌編ミニレビューでは6本の作品をご紹介。掌編ミニレビューは、これからも定期的に増やしていければと思います。「過去作プレイバック」が最近書けてないので、そちらもなるべく定期的に……。

まずは、12月の作品のまとめです。
推薦/1
準推薦/7
無印/16
掌編/6

今月も1本推薦を出せて良かったです。そしてジャンル別集計。

恋愛/3
日常/1
ファンタジー/6
不思議系/5
SF/3
シリアス・感動系/1
ミステリー・サスペンス/1
伝奇/1
オムニバス・その他/3
掌編/6

ファンタジーが今月だけで6本、それに不思議系が5本。以前この2つは同じジャンルでしたから、その時の分類法だと「ファンタジー・不思議系」だけで11本。特に「不思議系」の話は最近どんどん増えている気がします。流行もあるのでしょうね。

では個別の作品について総括していきます。

12月の作品の印象


詩歌を嗜むRe今月の推薦作は、「詩歌を嗜むRe」です。独特のVIPノリには付いていけなくなる人もあるでしょうが(私も付いていけなさそうに。何とか「慣れる」事には成功しました)、ストーリーはハイレベルです。ダークな一面もある物語ですが、キャラクターのやり取りは基本的には軽妙で、全体の雰囲気を和らげており、思いの外軽く読めます。ラストはやっぱり、ちょっとくどいですけどね(笑)。

そして先月は「ハッピーエンドに花を添えて」がようやく全話公開されました。難解でダークな話が多い昨今、この作品のような直球で丁寧で心和む作品の存在は貴重です。「五分で終わる話」は、SF風の見た目に似合わない人情物。しかし今でも「あっさり爆発エンド」が頭にこびりついて離れません(笑)。「Planet nine」もちょっとSF風ですが、この作品は独特の構成が上手かったですね。複数登場人物を扱う短編作品のスタイルとして、参考になる点も多いのではないでしょうか。

最近、複数作者さんによるアンソロジー作品が増えている気がしますうが、「ひとひら、ひとかけ。」もその形式の作品。パズルというテーマを元に、春夏秋冬の物語が綴られます。読者に丸投げな難解さはなく、ほどほどに語ってほどほどに想像させる文章で、全5本どれも味わい深い短編でした。

アンソロジー作品というと、「ノベルゲームアンソロジ『冬』」もありましたね。こちらも4人の作者さんによる合作ですが、春夏秋冬ではなく、冬だけに的を絞った短編集。最近はSNSで作者さん同士の交流も進んでいますし、こういう企画は今後も増えるかも知れませんね(何を隠そう、私も「ショートショートショート100」という企画に携わっていますし)。

少し長めの作品では、物凄い展開をする作品がいくつかありました。それらの作品は、どれもちょっとダークで重いストーリーだったのも共通する特徴です。「水の星、世界を手に入れる男」の第2章のラストや、「鷽替真と月夜の×××」のどんでん返しにつぐどんでん返し、「幸福の党」のラストにも驚かされましたし、「光の国のフェルメーレ」の後半の重さも比類がない展開でしたね。

もちろん、重い物語ばかりだと疲れてしまうのですが、読み応えという点では12月は非常に重厚な作品で、予想もつかない展開に目を見開かされる事が多かったように思いました。そんな中、ラスト近くになって「みすずの国」「おるばり! 幼なじみバトル」という、捻った重い展開というより、心情や場面の描写で読ませる作品を読んで、年末をバランスよく締めくくれたかな、と思っています。

今回から開始の掌編ミニレビューの中では、「月夜の蝋燭」の、掌編ならではの仕掛け、「メアリ☆クリスマス!の心和むラスト、そして「七月革命」のセンスあるレイアウトと、ミライ川とムカシ田の微笑ましいやり取りが印象的でした。今後は、掌編も積極的に取り上げていくつもりです。

印象に残ったキャラクター


ミライハカイ今月も多数の印象的なキャラクターに出会えましたが、「ミライハカイ」のシルバは、絶妙に抜けているところが可愛らしく、先月のヒロインキャラの中では一押しです。立ち絵ももちろん可愛いのですが、ちょっとポンコツなところが何とも言えませんね。キャラクター設定の勝利でしょう。

ハッピーエンドに花を添えて」では、私は小夜よりも水野さん(まあ、小夜も水野だけど)の方がお気に入りだったりします。そういう方、多いかも知れません(笑)。この作品、登場キャラクターは少ないのですが、ヒロイン小夜の可愛さはもちろんの事、主人公の正人が、ヘタレすぎずチャラすぎず、なかなか絶妙な立ち位置で読者を物語に引っ張ってくれる、いい主人公だと思います。この作品の評価は、彼のキャラメイクにもよるところが大きいのではないかと思いました。

向こうの彼女」は、ヒロインであるかすがの両極端な描き方が面白かったです(ラスト前はちょっと何ですが……)。そしてヒロイン以外では「Marionnette;Triad ~人形の夢世界~」のアーネスト。最初から彼が問題解決に乗り出していれば簡単だったのでは、と思えるほどの万能キャラです(笑)。立ち絵も渋くて、この作品の登場人物の中では一番のお気に入り。

サブキャラで外せないのは、「おるばり! 幼なじみバトル」のカズナリとコウセイの友人コンビ。この2人、いいところで主人公の庵をサポートしてくれる名友人です。コウセイもいいのですが、あまり報われない感じがするカズナリが私は気に入っています。この作品は登場キャラは多いのですが、サブキャラがみんな魅力的ですね。反面、主人公の庵の存在感が、時に弱く感じる場面もありましたが……。

コンビネーションと言えば、「幸運の魔女」のパウラとノナの関係も、読んでいて心地よく、和む2人でした。また、「二年目の天子さん」も、それぞれ何かしら心に問題を抱えた3人のサブキャラと、主人公である天子の、寄り過ぎず離れ過ぎずの描写が印象に残っています。

印象に残った台詞、場面


水の星、世界を手に入れる男今月一番印象に残った場面は、「水の星、世界を手に入れる男」の第2章のラスト。時間差で通信魔法が届くシーンです。残酷なシーンなのですが、設定を上手く活用して、非常に心に残るシーンを描き出す事に成功していたと思います。もっとも、私はあまり残酷な描写が好きではないので、ラナは何とか幸せにしてあげられなかったものかと、ちょっと考え込んでしまいましたが。

そして「詩歌を嗜むRe」で、主人公がシロ子に「お前めちゃくちゃ頑張ったなあ」と声をかけ、それだけでシロ子が報われた思いに満たされた場面も、屈指の名シーンでした。この作品は、RPG用ツールである事を上手く使った面白い演出が多く、普通のノベルゲームとは違う意味で色々なシーンが印象に残っています。

タマシイ横丁」では、学校の教室で、いじめっ子が後悔する場面も、好きな場面の1つ。レビューでも書いた通り、いじめがテーマの作品は、単にいじめられっ子が問題を解決するだけでなく、いじめた側の後悔、変化も描いてくれると、読んだ時の気持ち良さが全く違います。台詞も何もない場面なのですが、そういう意味で心に残る名場面だったと思います。

騎士の恩返し」は、最後に見られるトゥルーエンドが素敵でした。「人魚姫」をモチーフにしたこの作品、人魚姫自体結構残酷なお話なのですが、そのイメージを壊す事なく、綺麗なハッピーエンドに導いた手腕は大したものだと思います。地味な作品なのですが、ラストで出てくる1枚絵がとても素敵なのです。「初めて泣いた日」は、夕焼けのシーンが特に印象に残りました。重苦しく、少し古めの作品ではありますが、今読んでも古さを感じさせない佳作です。「ついのやどりは竹叢に」は、何と言っても弁当箱に生首が乗っているとしか思えない、長尾登場シーンがインパクト大でした。ついでに、織絵のストーキングシーンが定期的に挿入されて、なんだかホラーかサイコサスペンスっぽさを感じさせるという(笑)。

そして、短編ながらラストが強烈だったのは、「さよなら、また明日」。誤解が解けて無事ハッピーエンドになるかと思っていたところに、あの落ちですから、その落差は絶大でした。賛否は分かれるでしょうが、私はああいう恋愛を描いた作品があってもいいと思います。まあ、綺麗なハッピーエンドの作品も読まないと、こういう作品ばかりだと、ちょっと心が荒んでしまいますが(笑)。


今月は24本、少し重めの作品が多かったのですが、じっくり読めました。年も変わって、2019年は果たしてどんな作品に出会えるでしょうか。もちろん新作も探しますし、古い作品もまた積極的に発掘していくつもりです。今後も、ぜひお気軽にレビューのリクエストはお寄せください。

とにかく、今年もNaGISA netを宜しくご愛顧ください。
関連記事

Comments 0

Leave a reply