第573回/それは眩しすぎる夏色の影 - 夏色の影(MA-LINK) - コメディ
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第573回/それは眩しすぎる夏色の影 - 夏色の影(MA-LINK)

コメディ
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夏色の影

夏色の影■制作者/MA-LINK(ダウンロード
■ジャンル/オフ会交流どたばたノベル
■プレイ時間/4時間

ネット上のチャットで知り合った仲間達とのオフ会に初めて出席した高槻誠人=ブレード。オフラインで初めて合う仲間は、イメージ通りの者あり、イメージと全然違う者ありで、賑やかに楽しい時を過ごした。そしてひょんな事から商店街の福引を引く事に。そして誠人は、また新たなトラブルを抱え込む。ぶっ飛んだノリでお送りする長編分岐コメディ。

ここが○

  • キャラクターが個性的で楽しい。
  • 全く違う内容の話に分岐する面白さ。
  • 独特のオフ会ノリを上手く表現。

ここが×

  • ぶっ飛んだノリには付いていけない人もいるかも。
  • 前半がちょっとかったるい。
  • エンディング回収が大変で分かりにくい。

■それは眩しすぎる夏色の影

これまた随分懐かしい作品の登場です。初出は2002年。NaGISA netのスタート前です。作者さんは「エミュレーターNANA」の方。この作品も、はるか前に一度プレイしていたのですが、あまりにぶっ飛んだ独特のノリと文章に付いていけずに、その時は挫折しました。あれから幾年月。久々にプレイして、ようやくレビューが書けるまでになりました。いや、長かったです。

冒頭、主人公であるブレード(高槻誠人)が、オフ会の待ち合わせ場所に行くところから物語が始まります。オフ会と言っても、2002年当時は、TwitterもFacebookもLINEも、影も形もありませんでした。何せ、ようやく都市部ではADSLが普及し始めたかなという頃で、ブログですらあったかどうかというくらいです。ですから当時のオフ会とは、個人サイトに設置されたCGI式の掲示板やWebチャットで知り合ったメンバーがという事になり、今のネット事情とは随分様相が異なりますので、そこはそういうものだと思って読んでください。

夏色の影そこで出会ったオフ会のメンバーは、いずれも個性的です。軽い感じですが誠人と何かと馬が合う零(梶木正也)、人懐っこい女子高生のまりん(栖桜真鈴)、ネット上では超毒舌の女子大生Key(麻宮小実)、にこやかなサラリーマン風のクロネコ(鈴木)、鈴木の娘で小学生のチェック(稔)の合計6名。年齢も職業もばらばらなメンバーのやり取りは、騒がしくも楽しめます。

が、ちょっとやり取りがくどい点があると言いますか……。この物語、序盤はオフ会メンバーの顔合わせ、その後商店街の福引を引く事になり、結果福引で当てた旅行券で、みんなで旅行に行くという展開で、この旅行からようやく話が動き始めるのですが、話が動くまでがとにかく長く、その上キャラ同士のやり取りでかなり流れが滞ります。当時はこういう文章が流行ってたなあという感じの文章で、最近の作品に慣れた方は少し読みにくいかも知れません。

その上、やり取りはかなりぶっ飛んでいるので、付き合い切れなくなる人もいるかも分かりません。中盤までは我慢して読んでください。この独特のノリを楽しめるなら、後半も楽しめるはずです。後半は、選択肢で3種類のシナリオに分岐します。ちょっと冗長だった前半に比べ、後半は展開もスピーディで、テンポ良く話が進みますので、だれる事もないと思います。

ルートその1は、コメディルート。このルートだけは、何事もなく旅行先に着くのですが、着いてからとんでもない事に。そしてこのルートは、選択肢もなく、3つのルートの中では一番あっさり終わります。ラストはまりんと幸せ(?)な未来が描かれます。意外と一番のハッピーエンドなのかも知れません。前半のノリそのままに突っ走る感じで、話の落とし方が呆気ないと言えば呆気ないのですが、3本の話の中では一番軽く読めます。

ルートその2は、その1と同じホテルに到着するものの、とんでもないトラブルに巻き込まれるホラー風ルート。とは言え、ここも前半のノリそのままで、あまり怖い感じではありません(みんなで戦隊もの風に登場するシーンもあるし)。あくまで「ホラー風アクション」という感じ。このルートはそれなりに選択肢があり、結構バッドエンドもあります。ラストはやっぱりまりんと。その1に比べると、爽やかな青春風エンドです。

ルートその3は、山奥の屋敷に迷い込む和風ホラー。このルートは分岐があり、トゥルーエンド、零エンド、稔エンドです。バッドエンドも多数で結構手こずります。BL好きな方は零エンド、ロリな方は稔エンドを目指しましょう(笑)。このルートが一番シリアスかも知れませんが、やはり根底はコメディです。一番力が入っているルートのように感じました。ラスト近くの戦闘シーンの難易度が結構高いので(運にも左右される)、そこは注意してください。

と、バラエティ豊かなシナリオが楽しめるのですが、NScripterのバージョンがかなり古く、既読スキップがない、読み返しが大変など、今遊ぶと結構辛いです。また、エンドリストなどもないので、攻略も骨が折れます。エンドリストを作るのは結構大変ですが、せめてエンドロールの後、このエンドはどこルートのどういう位置付けのエンドなのかくらいを表示してもらえれば親切だったのですが。私も、一通りのエンドは見たつもりですが、完全攻略できたかと言われると、ちょっと自信がありません……。セーブが8箇所しかないのも(まあNScrデフォルトなのですが)、攻略には少々デメリットです。

とまあ、古い作品ですから今プレイすると親切ではない面もありますが、それでも、オフ会というテーマは面白く、今プレイしても新鮮な気持ちで楽しめます。プレイ時間は4時間くらいでしょう。エンターテインメント性はとても高いですし、ボリュームたっぷりで楽しめますので、この時代を知らない方も気軽にプレイしてみてください。
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