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第576回/ハゲしく髪ってる男達 - ハゲクロニクル(小芋堂)

コメディ
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ハゲクロニクル

ハゲクロニクル準推薦
■制作者/小芋堂(ダウンロード
■ジャンル/ハゲの青春友情ノベル
■プレイ時間/40分

でこぽんことみかんは、ちょっと額が広い普通の女子高生。ヘアスタイル研究会を作るべく部員を募ったところ、何故か「ハゲ部」として登録してしまい、彼女はハゲ部のマネージャーになる事に。ハゲ部の部員、ハゲ松とハゲ男、そして顧問の羽下先生のもと、楽しい学園生活を送っていたが、ある日街に異変が。ハゲを愛する戦士たちの奇跡の物語。

ここが○

  • アニメ風の立ち絵、1枚絵が美しい。
  • ネタゲーかと思いきや、王道で熱い展開。
  • 次回予告など、独特の演出が楽しい。

ここが×

  • 文章の読み返しができないのは痛い。
  • スキップが選択肢の後も持続し、使い辛い。
  • 王道であまり捻りがないので、物足りない人もいるかも。

■ハゲしく髪ってる男達

何とも強烈なタイトルの作品のご紹介です。その名も「ハゲクロニクル」。ヒロインのでこぽん以外の主要登場人物はみんなハゲ。名前はハゲ松、ハゲ男、それに羽下(ハゲ)先生。ノベルゲームコレクションの画面写真も大変なインパクトがあり、第一印象ではネタゲーのようにしか見えません。

が、これが実は実に王道の少年漫画的展開をする、正攻法の物語なのです。とてもそうは見えませんよね(笑)。見た目はキワモノっぽいのですが、そういう訳で、誰でも楽しめる物語となっています。ヒロインのでこぽんは可愛らしいですし、ハゲ松とハゲ男は、見た目こそアレですが、どちらも熱い男で中身はイケメン。2人の友情も見どころです。

ハゲクロニクルヒロインのでこぽんは、ハゲ部のマネージャー。彼女は美容師志望で、最初はヘアスタイル研究会を作るつもりでハゲ松とハゲ男を部員に誘ったら、いつの間にか「ハゲ部」として申請されてしまっており、彼女はマネージャーをやる羽目になってしまったという(笑)。普通逃げ出しそうなものですが、ちゃんとマネージャーを律儀に努めている辺り、でこぽんはとても素直でいい子です。

そんなある日。街で道行く人の髪の毛が突然全部抜けるという事件が起こります。今こそハゲ部がその力を見せつける時と、メンバー達は街に出て事件を調べ始めます。この作品、序章+全5章の章立てなのですが、章の合間には次章予告が入るのが面白い趣向です。立ち絵もアニメ風の塗りですし、この他にもアニメ風の演出が凝っていて、見ているだけでも楽しめます。

特にハゲ松とハゲ男は、ハゲを誇りに思っているという設定。変に悲壮感がなく、またただのウケ狙いでもなく、そしてハゲを貶めている感じも一切なく、この作品ならではの味付けになっています。何より、ヒロインのでこぽんがとてもいいアクセントになっています。恋愛要素は全くないのですが、どのキャラも立ち位置がはっきりしていて、キャラクターが実によく生きていると思います。

話はぽんぽんと進み、やがて事件の黒幕が明らかになります。そこからの展開が、なかなか熱い。努力と友情で敵に戦いを挑むという、週刊少年ジャンプ的な展開です。変に捻ったところはなく、ど真ん中ストレートの展開ですが、だからこそいいと思いました。もちろん、ハゲ松やハゲ男の過去の話や、駄菓子屋のおばあちゃんの話、それにラストバトルでのでこぽんの活躍など、ちょっとした小技が効いており、ただの王道話になっていない辺り上手いです。

ただこの作品、困った事に文章の読み返しが出来ないのです。まあ、特に文章が難しい作品ではないので、それほど致命的ではないですが、やはり時々は読み返したくなる事もありますから、ちょっと困りました。それと、スキップが選択肢でも止まらず、選択肢を選んだ後も効いていているのも困りものでした(ティラノって、そういう仕様が多いような気が……)。

冷静に見れば、馬鹿馬鹿しいとしか言いようがないストーリーなのですが、その馬鹿馬鹿しい事でも大真面目に熱を込めてやれば、エンターテインメントとして一級品になるといういい見本だと思います。作者さん自身が、変におちゃらけたり、逆に変にシニカルになったりせず、このネタに全力で取り組んだ結果、この傑作が出来たと言えるでしょう。物語は、仕掛けや文章も大事ですが、作者さんがどれだけ熱を込めるかというのが、一番大事だという事を、改めて感じさせられた次第です。

ツールはティラノスクリプトです。選択肢は第4章に一度だけ出てきます。ノベルゲームコレクションの作者さんの説明によると、エンディングは7つとの事ですが、私は4つしか確認できませんでした(どなたかご存知の方は、ヒントをください(笑))。プレイ時間は45分くらいだと思いますが、テンポよくどんどん話が進むので、あっという間に読めるでしょう。ノベコレでは、3年近く前の作品なのにほとんど感想が付いていませんが、隠れた良作だと思います。見た目で敬遠せずに、是非。
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