掌編ミニレビュー第3回 - アフターワーク/ぬくもりの電子ピアノ/五月雨の記憶 - 掌編ミニレビュー
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掌編ミニレビュー第3回 - アフターワーク/ぬくもりの電子ピアノ/五月雨の記憶

掌編ミニレビュー
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7. アフターワーク

アフターワーク■制作者/静本はる(ダウンロード
■ジャンル/日常
■ツール/吉里吉里


前回の掌編ミニレビューで取り上げた、「七月革命」の作者さんによる作品です。あの作品は、漫画のようなカット割りと演出が面白く、独特の効果をあげていたのですが、この作品も同じく漫画のような演出が凝っています。こういう演出って、凝りすぎるとうるさくなってしまうものですが、この作者さんの作品の場合は、実に節度が効いています。漫画を描き慣れている方なのかも知れません。

物語としては、仕事が終わった後の百目鬼(どうめき)と月見里(やななし)のコンビの、他愛のないやり取りを描いたものです(前作もでしたが、この作者さんはキャラのネーミングが凄いですね(笑))。掌編ですが、選択肢で全然違う展開になるのが面白いです。馬鹿馬鹿しいオチがあると思えば、ちょっと微笑ましいものもあり、短い作品ながら2人のコンビネーションは楽しめました。

実はこの作品、セーブ機能がないのですが、一度ラストまで読んで改めてスタートすると、最初からか選択肢からを選ばせてくれるのが親切です。これならセーブはなくてもいいですね。気軽にバラエティ豊かな分岐を楽しめる掌編です。この2人の物語をもっと読んでみたくなりました。

8. ぬくもりの電子ピアノ

ぬくもりの電子ピアノ■制作者/ととと(ダウンロード
■ジャンル/日常
■ツール/Live Maker


この作品は、本当に短いです。短いですし、特に目立った起承転結がある訳でもありません。一緒に暮らしているカップルの、何気ない日常を描いた物語です。私もピアノは子供の頃からずっと習っていましたので、そういう意味で興味深く読めました。

ただ、テキストウィンドウが緑と赤という、補色同士のチェック模様で、とんでもなく目が痛くなります(掌編ですからすぐに終わるのですが)。作品の時期がクリスマスだからクリスマスカラーなんでしょうが、補色のチェックはちょっと目に優しくありません。そこは少々気になりました。

それはともかく、主人公とその彼氏のやり取りは、とても微笑ましく読めます。拍手をしてくれる彼氏がいい奴ですね。この後も、ちょくちょく2人だけの音楽会を楽しむのでしょう。物語としては実に平坦なのですが、たまにはこういう、日常の1ページを切り取ったような短編もいいものです。

9. 五月雨の記憶

五月雨の記憶■制作者/アクアポラリス(ダウンロード
■ジャンル/シリアス・感動系
■ツール/Live Maker


さよなら、リアル」「FeARy-電子妖精の囁き-」の作者さんの処女作のようです。この作者さんは妙にシニカルな味わいに特徴があるのですが、この作品は割とストレートな感動系の物語です。橋の前で佇む、記憶喪失の男(少年かな。学生くらいのように思えましたが)が主人公。彼が橋のたもとで女の子と出会って、記憶を取り戻すための会話を始めます。

最初は何の事か全然分からない物語ですし、選択肢によっては本当に訳が分からないままに終わってしまうのですが、トゥルーエンドを見ると、なるほどと思わされました。構成が上手いですし、短いながらしっかりテーマもあり、少し心も動かしてくれるいい物語です。掌編だけに細かい事情は全く語られていませんが、唐突さもなく、不自然にもなっていません。

選択肢は1箇所だけですが、「下→上」の順に選ぶことを推奨致します。掌編で、しっかり心にメッセージを残してくれる感動系の物語って、なかなか作るのが大変だと思いますが、この作品はよくできていました。感動系の掌編としてお薦めです。
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